コナサン、ミンバンワ!2010=平成22年3月も、後僅かとなった。依然として冬を思わせる低温の日々が続き、咲き始めた桜も、見頃までは今少し日数を要する様である。
さて、交通愛好者ならご存知だろうが、先週当地岐阜東郊の明智鉄道にて、現状JR北海道のオリジナル車種である軌道陸路両用車、DMVが、当地としては初めての、旅客を乗せての営業試験に臨んでいる。
この試験は、明智鉄道の南部、岩村駅と明智駅の間にて実施され、往路の明智行きにては線路上、復路の岩村行きにては道路上を走行した由。今の車両は二代目で、先般米合衆国にての大規模リコール騒動渦中のT自動車のマイクロバス「コースター」をベースに、線路走行機能を付加したものになっている様だ。J北保有車の為、勿論耐寒装備も標準となるだろう。
それにしても、長いボンネット・ノーズの特異な外観、どこかで見たシルエットだと思ったら、懐かしのボンネット・バスもさる事ながら、遥か昔の戦前の頃、全国の地方私鉄に良くいたボンネットのある単端式(たんたんしき)小型気動車に極めて似たイメージである。勿論俺は、実車にお目にかかってはいないのだが、専門誌の写真などでは見慣れており、「あっ、そう言えば」ってな感じだった。笑
単端式気動車は、今のマイクロ・バスと同じ位か少し小さい位の車体で、多くの鉄道気動車の様に、動力を床下に配置する事ができなかった。それ故当時のバス同様、ボンネットを設けてエンジン・スペースとした次第。この配置は、ディーゼル・エンジンが未発達で、発熱し易いガソリン・エンジンが主流だった当時は、冷却面でも有利であった様に思われる。
線路上では、前部ボンネット内(エンジンはボンネット直後の床下)と後端の床下から前後各一対の線路用車輪を降ろし、後輪をレールに圧着して駆動力を得る為、雨天下などでは心もとない印象を受けるが、俺が撮影に赴いた晴天下では、約3%の上り勾配もほぼ問題なくクリアしていた。撮影はしなかったものの、復路の道路走行も、2モードの足周り故、同クラスのマイクロ・バスより明らかに重い車体の割には軽やかに走っていた様だ。昨今更に進歩した、より回転力の高い低環境負荷の、新世代ディーゼル・エンジンの威力による所かも知れない。
試験だから、当然DMVの歴史は、少なくとも我国にてはまだ始まったばかり。順調に推移すれば、線路と道路を直通できる新しい地方交通の旗手ともなり得るだけに、今後の試験の成功と、新しい交通手段としてのつつがない成長を祈りたい所である。
今月の、拙ブログは以上です。ラタ、マイ月。