速報で初めは驚いたものだが、今日午後 安倍総理大臣辞任の意向が発せられた。かねての健康問題が 今年に入っての中国大陸発、新型コロナ・ウィルス肺炎対応も絡む激務もあって 相当に深刻化した事が主因の様だ。まずはこの表明を冷静に受け止め、一言の労いを申したい。
我国憲政史上最長記録を更新した長期政権。その内には 森友・加計学園問題や検察官任期のあり方など芳しくない所もありはしたが、俗に「アベノミクス」と称される経済政策は一定の成果あったは事実だし、176の国・地域訪問を果たすなど 外交面にも精力的だったのも又事実だと思う。国民も周囲も 惜しむ声、後継総理人事などの不安、そして長期政権だった故の諦めに近い声も聞かれるが、それぞれに事実として受け止めたいものだ。
それは与野党初め政界でもほぼ同じだろうが、深甚な健康面からの辞任に当たって やはり言葉と態度を選ぶのは当然の嗜みだろう。13年前の 2007=平成 19年、第一次安倍政権の退陣に当たって 或るネット知友の方が発せられた「今は批判より労いを」のお言葉が今も拙脳裏に突き刺さっている。今回の辞任劇に際し、これがほぼそのまま当てはまる事に 我ながら驚いている所でもある。それでも野党側にも一部は変化がある様で、今日発せられた野党幹部見解につき、某ネット記事を引用して みて参ろうと思う。
「国民(民)玉木代表『安倍内閣がダメ』は通用しなくなる」
国民民主党の玉木雄一郎代表は 8/28、安倍晋三総理が辞任の意向を固めたことについて「自民党に代わる政治勢力が何を訴え、何を旗印にするのかを より明確に示していく必要が出てきた。『安倍内閣がダメだ』だけではもう通用しなくなるので、骨太の政策論や理念の提示が、より強く求められるようになった」と国会内で記者団に述べた。
玉木同党代表は「職を辞さなければならないほど体調が悪化していたのであれば、早く治療に専念して頂きたい。一方で新型コロナ・ウィルス肺炎対策などで国政の継続はしっかりやっていかなければならない。後継の総理・(自民党)総裁が誰になるのか注視していきたい」と語った。
又 次期総理が衆院解散・総選挙に踏み切る可能性を念頭に「コロナ(感染症)を押さえ込めないと解散は難しい。安倍政権以上の対策を示さなければ 解散はできないし、すべきでもない」と牽制した。(引用ここまで)
玉木国民民主代表の表明は、これまでの特定野党がしがちだった一方的な攻撃志向と違って、一定でも辞任される安倍総理の健康面に配慮し、その上で政治の空白を避けるべき事の主張に及んでいると読める。これが公党トップの「普通の神経」であろう。分党のやむなきとなった国民民主党の多くが立憲民主党との合流新党を構成、衆院の党勢は 150人規模になるらしいが、果たしてこの様な品格と見識を持ち得るか微妙とみるのは、相変わらず「バカの一つ覚えレベル」でしかない左傾メディアの記者会見質疑姿勢共々、拙者だけではあるまいて。
憲政史上最長となった 8年に近い安倍政権の内には、確かに負の所もありはしたが、経済、外交の両面をメインに まずはよく頑張った所も決して少なくはないだろう。憲法改正、北鮮の起こした日本人拉致事件や中国大陸による沖縄・尖閣近海での危険行為、中々に動かし難い北方領土問題など、次期内閣に引き継ぐ形となった大きな課題もありはするが、解決への道筋をつけただけでも評価すべきとの想いも一方にあるのも事実。
安倍総理には、降板後も衆議や自民党幹部として為すべき事共も多いだろう。どうか当面は治療と休養を優先し、新しい使命に応えて頂きたいと思う所。今は「ひとまず お疲れ様」の言葉をお贈りしたい。今回画像も「思い出シーン」で恐縮。先年 JR名古屋駅にて見かけた、東京方面からの東海道・山陽新幹線 700系編成到着の様子を。今春の時刻改正を以て、新大阪以東の東海道新幹線区間からは降板しています。