初夏来の 東シナ海における中台間の緊張が続く様だ。N・ペロシ米連邦議会下院議長に続き、同議会議員団複数の訪台をみた。これに反発した中国大陸は 台湾周辺での実戦級軍事演習に加え、我国の沖縄・尖閣海域への 同国海警船艇による領海侵犯をも繰り返している様だ。
同海域での漁撈も解禁の由だが、排他的経済水域 EEZはおろか、領海内も不穏とあっては 安心の漁など叶わない事だろう。我国政府もこれまでの「遺憾砲頼み」ではダメで、海保と海自が連携しての 脅威を伴うより強い対中対処の姿勢を見せるべき。そうでもしなければ、現地漁業関係各位の生活は勿論、我国の水産資源保全も叶わず 中国大陸の意のままにされかねないと愚考するものだが。
そうした我国の国土や国益保全の為の安保活動に資する為にも、近頃は今後のあり方議論の対象にもなる JRを初め 鉄道各線への必要な所での自衛隊関与を望む連載を思い立った次第だが、今回はそうした所を少し離れ 我々国民が通勤通学や遠方への旅行の折、鉄道などの車内の安全確保についての問題に触れてみたく思った次第。
現に昨夏から秋にかけては 首都圏の主要私鉄路線にて刃傷事件が相次ぎ、負傷者も複数に上った。犠牲を生じなかったのが不幸中の幸いかもだが、こうした事件は今後も生じる懸念があるだろう。少しは普段から 事件に遭遇した場合などを考えておくべきかも知れない。詳しい所は 末尾リンクの関連記事に譲るが、結語の所を引用して みて参りたい。セキュリティ通信ネット記事より。
「京王線/小田急線刺傷事件、密室の電車内でどう身を守るべきか」
2021=令和 3年 9月以降、僅か 2カ月の間に 京王線刺傷事件、小田急線刺傷事件と 2つの無差別刺傷事件が発生しました。通勤や通学など 誰もが利用する移動手段である電車内での事件に、恐怖を感じる方も多いのではないでしょうか。
国土交通大臣による 駅係員や警備員による駅構内の巡回及び社内の警戒添乗の徹底、車内・駅構内における防犯カメラの増備などの実施を呼びかけています。鉄道のセキュリティに関しては、(同年の)東京五輪開催に備えて 鉄道各社、メーカーによって 顔認証システムや AIを搭載し、不審者や放火を事前に察知する防犯カメラなど最新の技術を搭載した防犯システムが開発され 導入が進められてきました。
しかし どれほどセキュリティ技術が進化しても、不特定多数の人が乗り込む密室という電車内において完全に犯行を防ぐことは困難なので、電車を利用するそれぞれが セキュリティ意識を高めることが重要です。具体的には 乗車して際には「安全設備案内」「車内非常通報装置」「火災報知器」の場所を確認すること。
万一 事件に遭遇した場合には、身の安全を優先した上で躊躇せず「車内非常警報装置」を押して 車内の状況を的確に伝えること。さらに どれほど緊迫していたとしても「(非常)ドアコック」の利用に関しては 車内アナウンスの指示を待つ方が良いでしょう。日頃から 電車内のセキュリティに関する設備を確認し、避難の方法をイメージしておくことが、身を守ることにつながるでしょう。(引用ここまで)
日頃からのセキュリティ意識という所については 拙者も大口は利けないのだが、某日などは JR名古屋駅構内で信じられない場面を見た。若い世代が スマート・フォンの画面に目を遣りながら歩く様は珍しくないが、その時は 20歳位の若い女性がやはり同画面に気を取られながらすれ違いざま、あろう事か肩に掛けていた大き目のバッグを落しながら 気がつかず通過しようとしたのである。呆れた拙者が「おーい、これ!」の一声と共に返してやったから良かったものの、ひったくりや置き引きの被害に遭っても仕方のない状況だった。スマホ画面に嵌った若者やお姉ちゃん達のセキュリティ意識は限りなく低い。
このザマをどう是正し、必要な危機感を共有できる様啓蒙して参るかが、今後の大きな課題だろう。拙者は時々 遠出の折に夜行を含めた長距離高速バスに乗る機会もあるが、車内をそれとなく見回してみると シート・ベルト着用の向きの少なさには愕然とさせられる。列車と異なり、バスの場合は大型といえど 事故時に留まらず、急停止時も座席から投げ出される恐れが付き纏う。
前方などは特にその可能性が高く、その為最前列は後方とは異なる 乗用車並みの 3点式シート・ベルトが標準となりつつあるのだ。この事を理解しない 若い乗客がちと多過ぎる気がする。特にそんな場合に限って 相当な美人がベルト非着用で最前列に居たりするものだ。もしもの時、顔にダメージでも及べば大変だ。「何の為の安全装備か」という事を、少しは考えてもらいたいものだ。
話を電車内に戻す。引用記事にある「非常警報装置」や「火災報知器」の動作ボタンなどは鉄道各社である程度の差があるも、概ね連結面に近い車端部の壁にある様だ。又、非常時に乗降ドアを自動➡手動に替える「非常ドアコック」は各ドア近くの 座席下辺りにセットされる事が多いが、やはり乗務の方の案内放送を踏まえた上での操作を心がけたいもの。要は 間近に危険が迫っても、できるだせけ落ち着いて行動し対処できる様にスキルをしておくのが望ましいという事ではないか。
そうした心がけが広まれば、今回拙連載の「安保と鉄道」の関連がより広く理解されるのではとも思う所。今回画像は、当地名古屋都心近くの金山公園 初夏の光景をもう一度。通る線路は JR中央線で 昨年暮れからデビューの最新車 315系電車編成は、今回触れた安全装備が充実している模様。以下に 関連記事をリンク致します。(セキュリティ通信 2/25付) 京王線刺傷事件、小田急線刺傷事件、密室の電車内でどう身を守るべきか?|セキュリティ通信 (so-net.ne.jp)