線翔庵日記



おまつり、民謡、三絃、名水、温泉、酒、そして音楽のこと…日々感じたことを綴ります。

新世界より

2006年09月08日 08時31分59秒 | 音楽
9月8日は、チェコの作曲家、アントン・ドボルザーク(1841~1904)の誕生日だ。


ドボルザークはドボルザークはブラームスに認められるが、ボヘミア国民主義へと傾倒する。そしてプラハ音楽院の教授に就任、その後ニューヨーク国民音楽院の院長を経て、故郷のプラハ音楽院の院長となる。

ドボルザークというと、交響曲第9番「新世界より」が有名。これはアメリカ時代の作品で、チェロ協奏曲、弦楽四重奏曲「アメリカ」とともに三部作として知られる。ともに、民族主義のもと、独特な音階を使い、しみじみとした情感を漂わせた作品だ。

わたくし、新世界交響曲は好きな曲の1つだが、特に2楽章は印象的。これは「家路」とか「遠き山に日は落ちて」として合唱曲にまでなっていることで知られている。日本人にも古くから知られている。この曲の構造をよく眺めると、音階上、ファとシが欠落している。これは日本音楽でいう「四七抜き音階」(ドレミソラド)と一致している。ちなみに「四七抜き音階」は中国から影響をうけた呂旋法とも一致して、雅楽の音組織とも一致する。いずれにしても日本人を含め、東洋的な雰囲気を醸し出すのは、こんな音組織によるところもあるのではないか…と思う。

ちなみに、この音組織はスコットランドや南米のフォルクローレにも耳にするいわゆるペンタトニック=五音音階だ。ドボルザークも、アメリカ時代にそんな音楽を耳にしたのだろうか。
コメント (2)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする