若いころから知っている芸能人や、スポーツ選手がテレビに出ているのを見て、「見ない間にずいぶん老けちゃったね」。
と感じることが多い。
ところが画面に出てくる有名人のほとんどが自分より年下だったりする。
「この強烈なしわと顎の下のたるみのある女性も、おじさんというよりも、おじいさんに近い男性も自分より年下‥」
彼らに対して吐いていた言葉が、ものすごい勢いのブーメラン状態で自分に戻ってくる。
若いころから人目にさらされて、見られる意識が強い人たちでさえそうなのだから、ぼーっと毎日を過ごしてきた自分なんぞ、他人様なら見たらどういう風に見えているかわかったものではない。
40代になったときは、中年に突入した現実に覚悟していたし、加齢に逆らわずに過ごしてきた。
老化に関しても、なだらかな下降線として訪れるものではなくフラットな状態が続いて、ガクッと下がるという階段状なのもわかった。
おまけに歳を取るにつれてフラットな状態が短く、ガクッと下がる段差が大きくなると知った。
還暦を過ぎ、あと少しで前期高齢者で、じじばばグループ内の新参者である。
若いときは人生は長い気がしていたが、本当にあっという間だった。
人生50年の昔だったら、とっくに死んでいる。
歳をとるとあちらこちらに不具合が出てきて、周囲の人々に迷惑をかける可能性も大きくなる。
なるべくそうはならないように気をつけなくてはと、常々考えているので家から出てまず見てしまうのは、自分よりも先輩のじじばばの方々の姿である。
いったい彼らがどのような行動をしているのか。
いいところは見習い、そうでないところは反面教師として、これからの人生の指針としたいものだ。