昨日、電車は混んでいた。
途中、老女と娘、孫2人(1人幼児)の家族が乗車して来た。
私の立つ場所に近い優先席には初老の男性と女性と
その間に挟まれるように熱心にマンガに読みふける青年。
ほぼ満員に近い車内で、幼児の手をひいて立つわけにも
いかず、祖母や母親が代わる代わる幼児を抱きかかえる。
片手に幼児、もう一方の手にはつり革。
電車は時折大きく揺れる。そのたびにその家族を見遣った。
「危ないな~。でも…」心の中で呻吟する。
どうしよう。マンガに夢中な青年に声をかけようか。
しかし、どういう風に。
「アノここは優先席なんですケド…この席を必要としている
人がいるんですケド…」なんだかまどろっこしい。
「だから何?」って睨み返されたら、無視されたら…
そうしたら…
「アナタ、妊娠してないでしょ、幼児連れでもないし、
ケガしているようにも体が不自由にも見えないし、
お年寄りでもないし…」って反駁しようか
…でもこれって強引。私って何様?
いや、別にエバっているわけではなく、もし冷たい反応
されたら、どうして良いのかわからないというか、
過剰な正義感でついついカッとなってしまうというか…
私の勝手な妄想の間にも電車は揺れる。足下はふらつく。
以前似たような光景を目の当たりにして、私がとった行動。
あの時は少し後味の悪い思いをした。
通学の帰り道。私も2時間あまりの道のりの途中で
疲れていたけど、目の前の優先席には眠りこける初老の男性
と2人のキャピキャピの女子大生?なぜキャピキャピなんて
思ったかと言うと、新しい携帯を手に、その機能について
あーでもない、こーでもないと言っては笑いこけていたから。
目の前には杖をついたおばあさんが立っているのに、
自分達のおしゃべりに夢中なのか、その人に一瞥もない。
そのおばあさんが立つのも辛そうにしていたので、
私が口火を切った。自分自身が疲れていたので、
その口調には多少トゲがあったかもしれない。
「ねえ、杖をついているおばあさんが目の前にいるのに
優先席を譲らないの?」
すると二人は周りの目を気にしながら、渋々立ち上がった。
渋々と感じたのは、「だって、疲れているんだもん」
というひとりのつぶやき。しかし少なくとも私の目には、
立っていられないほど疲れているようには見えなかった。
その後、残念だったのは、おばあさんが「ほんとだよ。
優先席なのに、堂々と座りやがって」と悪態をついたこと。
う~ん。それはちょっと違うんじゃ。
何だか、周りの空気が一瞬氷りついたような…
譲らないならまだしも譲ったのだから、それで良しとは
いかないのかな?と思った。
結構悪気などなく、ただただ気がきかないだけの若者って
いたりする。
たぶん、それまで誰も注意してあげなかったから。
大人が教えてあげなかったから。これは大人の責任なのだ。
その時の気まずさが後々まで尾を引いて、
以来、声をかけるにも慎重になった。
さて、昨日はどうしたか?うつむく青年の肩を軽く叩き、
「すみません、幼児連れの方が乗ってらして、立ったまま
だと危ないので、席を譲っていただけませんか?」
とできるだけトーンも柔らかめに願い出た。
すると、すぐにその青年は立ち上がり席を譲ってくれた。
私に向かって「ありがとうございます」と若いお母さん。
「いえ、譲ってくれたのは、彼の方ですから」と私。
その青年、はにかんだ表情でこちらの方を見た。
今回は、結構上手に声をかけられたかな。私。
少しは成長したかな。私。
ほぼ同時に違う方向から、杖をついたおばあさんが出て来て、
「まあ、ありがとうございます」と席に着こうとした…
ハプニングもあったけど、それは青年の横に腰掛けていた
女性が「私ももうじき降りますので」と譲ってくれたので、
事なきを得たのだった。
ホッ
途中、老女と娘、孫2人(1人幼児)の家族が乗車して来た。
私の立つ場所に近い優先席には初老の男性と女性と
その間に挟まれるように熱心にマンガに読みふける青年。
ほぼ満員に近い車内で、幼児の手をひいて立つわけにも
いかず、祖母や母親が代わる代わる幼児を抱きかかえる。
片手に幼児、もう一方の手にはつり革。
電車は時折大きく揺れる。そのたびにその家族を見遣った。
「危ないな~。でも…」心の中で呻吟する。
どうしよう。マンガに夢中な青年に声をかけようか。
しかし、どういう風に。
「アノここは優先席なんですケド…この席を必要としている
人がいるんですケド…」なんだかまどろっこしい。
「だから何?」って睨み返されたら、無視されたら…
そうしたら…
「アナタ、妊娠してないでしょ、幼児連れでもないし、
ケガしているようにも体が不自由にも見えないし、
お年寄りでもないし…」って反駁しようか
…でもこれって強引。私って何様?
いや、別にエバっているわけではなく、もし冷たい反応
されたら、どうして良いのかわからないというか、
過剰な正義感でついついカッとなってしまうというか…
私の勝手な妄想の間にも電車は揺れる。足下はふらつく。
以前似たような光景を目の当たりにして、私がとった行動。
あの時は少し後味の悪い思いをした。
通学の帰り道。私も2時間あまりの道のりの途中で
疲れていたけど、目の前の優先席には眠りこける初老の男性
と2人のキャピキャピの女子大生?なぜキャピキャピなんて
思ったかと言うと、新しい携帯を手に、その機能について
あーでもない、こーでもないと言っては笑いこけていたから。
目の前には杖をついたおばあさんが立っているのに、
自分達のおしゃべりに夢中なのか、その人に一瞥もない。
そのおばあさんが立つのも辛そうにしていたので、
私が口火を切った。自分自身が疲れていたので、
その口調には多少トゲがあったかもしれない。
「ねえ、杖をついているおばあさんが目の前にいるのに
優先席を譲らないの?」
すると二人は周りの目を気にしながら、渋々立ち上がった。
渋々と感じたのは、「だって、疲れているんだもん」
というひとりのつぶやき。しかし少なくとも私の目には、
立っていられないほど疲れているようには見えなかった。
その後、残念だったのは、おばあさんが「ほんとだよ。
優先席なのに、堂々と座りやがって」と悪態をついたこと。
う~ん。それはちょっと違うんじゃ。
何だか、周りの空気が一瞬氷りついたような…
譲らないならまだしも譲ったのだから、それで良しとは
いかないのかな?と思った。
結構悪気などなく、ただただ気がきかないだけの若者って
いたりする。
たぶん、それまで誰も注意してあげなかったから。
大人が教えてあげなかったから。これは大人の責任なのだ。
その時の気まずさが後々まで尾を引いて、
以来、声をかけるにも慎重になった。
さて、昨日はどうしたか?うつむく青年の肩を軽く叩き、
「すみません、幼児連れの方が乗ってらして、立ったまま
だと危ないので、席を譲っていただけませんか?」
とできるだけトーンも柔らかめに願い出た。
すると、すぐにその青年は立ち上がり席を譲ってくれた。
私に向かって「ありがとうございます」と若いお母さん。
「いえ、譲ってくれたのは、彼の方ですから」と私。
その青年、はにかんだ表情でこちらの方を見た。
今回は、結構上手に声をかけられたかな。私。
少しは成長したかな。私。
ほぼ同時に違う方向から、杖をついたおばあさんが出て来て、
「まあ、ありがとうございます」と席に着こうとした…
ハプニングもあったけど、それは青年の横に腰掛けていた
女性が「私ももうじき降りますので」と譲ってくれたので、
事なきを得たのだった。
ホッ