はなこのアンテナ@無知の知

たびたび映画、ときどき美術館、たまに旅行の私的記録

(4)『不都合な真実』(AN INCONVENIENT TRUTH)

2007年01月22日 | 映画(2007-08年公開)
大学時代から地球温暖化について注目して来たという
ゴア元米副大統領。そのゴア氏が地球温暖化問題の啓蒙の為
世界各地で精力的に行っているスライドトークの模様に、
時折、氏の評伝(その生い立ちから現在まで)が挟み込まれた
ドキュメンタリー。エコ・サンデーの昨日、家族で見て来ました。
元々、本作中のスライドトークは米市民に向けてのものなので、
正直言って「これは地球温暖化問題とは直接関係ないだろう」
と思える発言もあった(民主主義礼賛や共産主義云々など)。
同様の意味で、ゴア氏の評伝も一部(大統領選敗北の映像等)
蛇足な気がした。少し感傷的過ぎるかな。

それに地球温暖化の問題は人類だけでなく、
地球上のすべての生物の存亡に関わる問題だ。
「あなたの子に、今ある地球環境を残そう」という訴えは、
(よく聞くスローガンではあるけど)人間中心主義の傲慢に思えた。
たぶん、そういう訴えかけが啓発に最も効果的
という戦略なのだろうけど…

私達人類は、地球に巣くうガン細胞なのかもしれないなあ。
そもそも地球を短期間にここまで痛めつけたのは人類なのだから。
特に現代人の私達。

とは言え1000回以上、回を重ねて来たと言うだけあって、
そのトークは実に見事だ。科学的データをよどみなく提示し、
図解も多用、時にはアニメや大仕掛けのパフォーマンスで笑わせ、
説得力十分、かつ分かり易い。さらにエンドロールでは、
よくもまあ、これだけのメッセージを思いつくものだ
と感心するほど、具体的で、実効性の高い提言が
次々と映し出されていた。どれも参考になるものばかりだ
(私自身すでに実行していることも幾つかあった)。

地球温暖化の問題をこれほどわかりやすく
コンパクトにまとめた学習教材はないと思う。
地球温暖化について興味のある方、ない方に関わらず、
地球の危機的状況をご理解いただくために、
是非ご覧いただければと思う。

(因みに私が足を運んだTOHOシネマズでは、毎回満席だった。
おそらくこんなことは、このシネコンが開業以来
初めてのことではないか。)

ともあれ、地球温暖化阻止の為に今日から自分でできることを!
と思わずにはいられない映画である。

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