はなこのアンテナ@無知の知

たびたび映画、ときどき美術館、たまに旅行の私的記録

⑮旅するジーンズと16歳の夏(米)

2006年03月14日 | 映画(2005-06年公開)


どうしてこんなに良い映画が単館上映なんだろう?
できるだけ沢山の人~今、青春真っ盛りの10代に、
かつて10代だった人にも~見てもらいたい
至極真っ当な、夢のある、良心的な作品なのに。
見た人それぞれに、感動がある作品だと思う。
かつての自分が懐かしく思い出されたり、
大いに共感するところがあったり、慰められたり、
励まされたり…この作品が、前に進むべきか迷っている背中
を押してくれるかもしれない(そんなパワーを持っている)。
青春期の苦しさ、切なさ、悲しさ、ほろ苦さ、
そして心を許しあえる友達のありがたさを
実に見事に描いている。



これは、マタニティクラスに通った母親4人の胎内にいる時
に出会ってから常に行動を共にしていた4人の少女が、
初めて別々に過ごした16歳の夏の経験を綴った物語。
少女達はギリシャ、メキシコ、サウス・カロライナ、
メリーランドで、それぞれの夏を過ごす~
バラエティに富んだ場面設定で、それぞれの転機→成長が
綴られています。
その4人の”エピソード”と”心”を繋ぐ役割を果たすのが、
体型がまったく違う4人全員になぜかフィットする
不思議なジーンズ。
4人は1週間交代でそのジーンズを履き回す約束を交わす。
4人の間をジーンズが巡る。ギリシャ→メリーランド→
サウス・カロライナ→メキシコ→再びギリシャと、
まさに”旅するジーンズ”。
なかなかエスプリの効いた、楽しい趣向です。
原作は世界30カ国以上で翻訳・発刊のベストセラー小説で、
本作の出来には原作者も大満足なのだとか。

多感な時期の友情の有り難さを、
私はこの映画を見てしみじみ感じました。
今でも学生時代からの友人は、大人になってからの友人とは
少し違った重みがあるのを常々感じているのですが、
それは例えば住む場所、立場、そして容姿が変わっても、
互いの気持ちは昔とちっとも変わらない…
私にとってはそんな懐かしさと安心感です。

まさにコピーにある
「ちがう場所、ちがう経験、ちがう悩み、
ひとつの気持ち(=ジーンズ)」が
4人の女優の見事なコラボで表現されていました
(撮影中4人は実際に友情を深めたらしい)。

公開時に見逃した、特に女性の皆さん、是非是非ご覧あれ!
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