はなこのアンテナ@無知の知

たびたび映画、ときどき美術館、たまに旅行の私的記録

日本はもっと「知的財産」を大事にした方が良いと思う

2007年11月06日 | 日々のよしなしごと
 先日、息子に付き合って、志望大学のオープンキャンパスに行って来た。講堂で入試説明会と銘打って、在学生の代表による学生生活全般の話や入試担当者による大学紹介があった。

 在学生の話の中で印象に残ったのは、「他の大学はどうか知りませんが、この大学では『しっかり勉強する』ことが学生の間では当然のこととして認識されています。」という発言。ほぼ9割近い生徒が大学院に進学すると言うから、勉強をしっかりするのは当然か。こんな大学なら親も学費を出す甲斐があるというものだ。しかし息子は…死に物狂いで勉強しないと、入学は到底無理だぞ。今日は「クラスで先日行われた学園祭の打ち上げだ」とか言って4時頃出て行った。

 受験するのも大学行くのも本人なので、親があれこれ心配しても仕方ないが…。親という立場を離れて見ると、私自身は親が教育に無関心で大学進学でも一切の(物心両面の)援助を得られなかった者として、恵まれた環境に安穏としている息子には正直苛立たされたりもする。世の中には恵まれない環境の中で必死に努力している人もいるのだから。

 入試担当者は、大学がいかに素晴らしいか、世界の理工系の分野でどれだけ画期的な成果を上げているのかを滔々と語った。例えば大学が開発した二酸化炭素排出量削減技術は世界有数のもので、その結果、日本の(総量ではなく単位当たりの)排出量は世界平均のなんと20分の1?(←200分の1?数値はうろ覚え。とにかくグラフを見る限り突出して少なかった)らしい。

 ところが、先日のニュースによれば日本の企業は「京都議定書」で定められた排出上限値を上回らないように、中国の企業から「排出権」をお金を出して買っていると言う。さらに無償で、上述の削減技術を中国企業に提供していると言うのだ。日本の国家が膨大な予算を投入し、研究者が苦心の末開発した、世界に誇るべき技術を。

 そのことを知ってか知らずか、入試担当者は誇らしげに大学の研究成果を喧伝していた。目先の利益の為に、研究者の血の滲むような努力の成果をライバル国にタダで手渡す日本企業は情けないと思った。こんなことをしていたら、技術立国日本の牙城はいとも簡単に崩されてしまうよ。広い国土も資源もない日本は「知的財産」を大事にしなければ他国には対抗できないよ。

 世界全体の温暖化問題を考えたら、日本の技術が世界に広まるのは意味があることだとは思うけど、その提供の仕方に納得が行かないのです。
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