■大国ロシアが大国である所以とは…
原油相場の下落で、ロシアの通貨ルーヴルの価値が大幅に下落したことに驚いた。ロシア経済を支えていたのが、結局、天然資源の輸出であったのを、今さらのように知った。
そう言えば、ロシアの製造業で世界に名を馳せているメーカーが何一つ思い浮かばない。私が無知なだけかもしれないけれど。ロシアの広大な大地はロシアに富をもたらしているが、現代のロシア人は自身の手で一体何を生みだしているのだろう?
すぐに思い浮かぶのは、かつてならトルストイやドストエフスキーに代表されるロシア文学や、チャイコフスキーやムソルグスキーのロシア・クラシック音楽、卑近なところではゲームソフトの「テトリス」、現在では世界で芸術の最高峰とされるロシア・バレエや、ソチ・オリンピックでの活躍も記憶に新しいフィギュア・スケートだろうか?昨日たまたま見たテレビ番組では、社交ダンスも世界トップレベルだと紹介されていた。意外にソフトパワーが凄いのか、ロシアは。
ロシア発の工業製品を強いて挙げるならば、世界の紛争地域で最も使用されているカラシニコフ銃。銃規制の敷かれる日本で摘発される銃で最も多いのもロシア発のトカレフ。「死の商人」が世界で暗躍し、ハリウッド映画では残虐極まりない姿で描かれるロシアン・マフィアという、ダークな部分もあるのがロシア。
ここ最近はウクライナ問題(←裏に米国中央情報局の画策があるとも言われている)もあって、世界で孤立感を深めるロシアだが、原油相場の下落は、そのロシアの弱体化を狙っての経済テロの側面もあるのだろうね。そのとばっちりを受けて、アメリカのシェールガス開発会社も倒産してしまったようだけれど。
□今、この時期に安倍首相が中東歴訪とは、タイミングが悪すぎるのではないの?
今朝のニュースによれば、早速、最初の訪問地エジプトで首脳会談を行い、エジプトとの関係強化を表明したようだ。この後、ヨルダン、イスラエル、パレスチナ暫定自治区を訪れる予定。
首相は出発に先だって、以下のように述べている。
「中東地域の平和と安定は、日本にとって死活的に重要だ。エジプト、ヨルダン、イスラエル、パレスチナの首脳に対し、日本は積極的平和主義のもと、非軍事分野において強力に支援していく考えを伝え、地域の平和と安定に資する訪問にしたい」
「今回の訪問はパリにおけるテロの直後となるが、イスラム社会と過激主義は全く別のものであり、日本は、中東と共に寛容な共生社会を作っていくというメッセージを世界に向けて発信したい。また今回の訪問には約40社の経済ミッションの皆さんに同行していただき、トップセールスで大きな潜在力を秘めた中東の活力を取り込み、日本の成長につなげていきたい」
欧州諸国のように帝国主義の時代に中東諸国を植民地化したこともなく、米国のように石油利権を巡って中東諸国の紛争に"積極的に"関わった経験もない日本は、欧米諸国と違ってイスラム諸国に対する偏見や優越意識は持っていない。湾岸戦争時にイラク側に付いたと言う理由で、ヨルダンに対して欧米諸国が経済的支援を一斉に取り止めた時も、人道的な見地から支援を続けた日本である。その目は公平、かつ冷静に中東諸国を見ている。
しかし、湾岸戦争以降、イスラム過激派組織の目には、国内に広大な米軍基地を抱える日本も欧米諸国の側にいると映っているはずだ。フランスのテロ事件を受けて、欧米・イスラム諸国共に神経質になっているこの時期に、(おそらく、前々から決まっていた日程だとは思うが)多数の企業トップを従えての首相の大名旅行は、イスラム過激派組織を徒に刺激し、安全面で問題があるとは言えないのか?
こんな時だからこそ、中東とは過去の因縁がない日本が積極的平和主義を実践しようとの日本政府の崇高な志も理解できないではないが、非イスラム世界との対話など端から眼中になく、いきなり暴力に訴えるテロリストに、日本の誠意は通じないように思う。今朝も、テロ直後に発刊されたシャリル・エブド紙の風刺画に対する大規模な抗議デモが、イスラム諸国の各地で行われたとの報道があったばかりである。中東諸国の国境線の警備も万全とは思えず、近隣のイエメン辺りからテロリストがデモの群衆に紛れている可能性も否定できないのではないか。さらに、「この間隙を縫って中東に営業をしかけるとは…」と、欧米(中・韓も?!)企業からの予想外の嫉妬を受けないとも限らない、と言うおまけ付き。
道中、何事もないのを祈るばかりだ。
原油相場の下落で、ロシアの通貨ルーヴルの価値が大幅に下落したことに驚いた。ロシア経済を支えていたのが、結局、天然資源の輸出であったのを、今さらのように知った。
そう言えば、ロシアの製造業で世界に名を馳せているメーカーが何一つ思い浮かばない。私が無知なだけかもしれないけれど。ロシアの広大な大地はロシアに富をもたらしているが、現代のロシア人は自身の手で一体何を生みだしているのだろう?
すぐに思い浮かぶのは、かつてならトルストイやドストエフスキーに代表されるロシア文学や、チャイコフスキーやムソルグスキーのロシア・クラシック音楽、卑近なところではゲームソフトの「テトリス」、現在では世界で芸術の最高峰とされるロシア・バレエや、ソチ・オリンピックでの活躍も記憶に新しいフィギュア・スケートだろうか?昨日たまたま見たテレビ番組では、社交ダンスも世界トップレベルだと紹介されていた。意外にソフトパワーが凄いのか、ロシアは。
ロシア発の工業製品を強いて挙げるならば、世界の紛争地域で最も使用されているカラシニコフ銃。銃規制の敷かれる日本で摘発される銃で最も多いのもロシア発のトカレフ。「死の商人」が世界で暗躍し、ハリウッド映画では残虐極まりない姿で描かれるロシアン・マフィアという、ダークな部分もあるのがロシア。
ここ最近はウクライナ問題(←裏に米国中央情報局の画策があるとも言われている)もあって、世界で孤立感を深めるロシアだが、原油相場の下落は、そのロシアの弱体化を狙っての経済テロの側面もあるのだろうね。そのとばっちりを受けて、アメリカのシェールガス開発会社も倒産してしまったようだけれど。
□今、この時期に安倍首相が中東歴訪とは、タイミングが悪すぎるのではないの?
今朝のニュースによれば、早速、最初の訪問地エジプトで首脳会談を行い、エジプトとの関係強化を表明したようだ。この後、ヨルダン、イスラエル、パレスチナ暫定自治区を訪れる予定。
首相は出発に先だって、以下のように述べている。
「中東地域の平和と安定は、日本にとって死活的に重要だ。エジプト、ヨルダン、イスラエル、パレスチナの首脳に対し、日本は積極的平和主義のもと、非軍事分野において強力に支援していく考えを伝え、地域の平和と安定に資する訪問にしたい」
「今回の訪問はパリにおけるテロの直後となるが、イスラム社会と過激主義は全く別のものであり、日本は、中東と共に寛容な共生社会を作っていくというメッセージを世界に向けて発信したい。また今回の訪問には約40社の経済ミッションの皆さんに同行していただき、トップセールスで大きな潜在力を秘めた中東の活力を取り込み、日本の成長につなげていきたい」
欧州諸国のように帝国主義の時代に中東諸国を植民地化したこともなく、米国のように石油利権を巡って中東諸国の紛争に"積極的に"関わった経験もない日本は、欧米諸国と違ってイスラム諸国に対する偏見や優越意識は持っていない。湾岸戦争時にイラク側に付いたと言う理由で、ヨルダンに対して欧米諸国が経済的支援を一斉に取り止めた時も、人道的な見地から支援を続けた日本である。その目は公平、かつ冷静に中東諸国を見ている。
しかし、湾岸戦争以降、イスラム過激派組織の目には、国内に広大な米軍基地を抱える日本も欧米諸国の側にいると映っているはずだ。フランスのテロ事件を受けて、欧米・イスラム諸国共に神経質になっているこの時期に、(おそらく、前々から決まっていた日程だとは思うが)多数の企業トップを従えての首相の大名旅行は、イスラム過激派組織を徒に刺激し、安全面で問題があるとは言えないのか?
こんな時だからこそ、中東とは過去の因縁がない日本が積極的平和主義を実践しようとの日本政府の崇高な志も理解できないではないが、非イスラム世界との対話など端から眼中になく、いきなり暴力に訴えるテロリストに、日本の誠意は通じないように思う。今朝も、テロ直後に発刊されたシャリル・エブド紙の風刺画に対する大規模な抗議デモが、イスラム諸国の各地で行われたとの報道があったばかりである。中東諸国の国境線の警備も万全とは思えず、近隣のイエメン辺りからテロリストがデモの群衆に紛れている可能性も否定できないのではないか。さらに、「この間隙を縫って中東に営業をしかけるとは…」と、欧米(中・韓も?!)企業からの予想外の嫉妬を受けないとも限らない、と言うおまけ付き。
道中、何事もないのを祈るばかりだ。