はなこのアンテナ@無知の知

たびたび映画、ときどき美術館、たまに旅行の私的記録

東京国立博物館に初もうで

2011年01月07日 | 文化・芸術(展覧会&講演会)
 昨日は息子と2人で上野の東京国立博物館(以下、東博<トウハク>)に行って来た。東博では今月いっぱい、「博物館に初もうで」と題して、今年の干支である兎をモチーフにした絵画・工芸品の特集展示等を行っている。併せて、16日までと期間は短いが、「本館リニューアル記念特別公開」として、なかなかお目にかかれない国宝・重要文化財の展示も行っている。

 東博が「『特別展』なみのラインナップ」と胸を張る今回の特別展示を、通常料金で見られたのは幸運としか言いようがなく、凄く贅沢な時間を過ごした充実感を胸に、東博を後にすることが出来たmeromero2 

 雪舟の線描の多彩さ、小空間の中で展開される雄大な風景描写には感嘆した。

 歴史の授業で学んだ「古今和歌集」の本物を生まれて初めて見て、チョット興奮したmeromero当時としては贅を尽くしたと言えるであろう和製唐紙に、技巧をこらした「散らし書き」。平安の雅やかな世界の一端を覗き見た感じがして、ワクワクした。

 狩野派を代表する狩野永徳の筆になる国宝《檜図屏風》は、画面を右から左へと大胆に横切る、力強い幹と枝の描写とは対照的に、繊細な葉の描写が、個人的には目を惹いた。ほぼ全面に金箔地を配された大作は、豪華絢爛たる桃山文化の一端を今に伝えて、本当に素晴らしいと思う。

 本館8室では、円山応挙の掛け軸と、あまりにも有名な尾形光琳重要文化財《風神雷神図屏風》、異彩の画家伊藤若冲の鶏図屏風が横一線に居並ぶ豪華さbikkuriホント、東博が「特別展なみ」と胸を張るだけのことはある。

 《風神雷神図屏風》の、大胆な空間構成で画面の左右両端に配された風神と雷神の、今にも画面から飛び出そうな躍動感は言うまでもなく、伊藤若冲の鶏図屏風に点描技法で描かれた石灯籠が、仏のスーラやシニャックの点描画に100年近くも先立つものであることに改めて驚く。

 本館10室の暗い空間の中に、ほのかに浮かび上がるように見える、壁一面の葛飾北斎《富嶽三十六景》は、あたかも江戸の風景の中に見る者を誘うかのようだ。江戸時代の風景から、自分が知る現在の風景への激変ぶりを比較するのも楽しい。《赤富士》の優美さと神々しさには、心の中で思わず手を合わせてしまったmeromero2

本館リニューアル記念特別公開

 また、東博は、本館のリニューアルを機に、常設展の名称を「総合文化展」と改めたようだ。日本の多彩で深遠な文化を、これまで以上に気軽に楽しんで欲しいと言う博物館の願いが込められているらしい。

 今年は春に「写楽展」も控える。東博には益々目が話せない1年となりそうだ。足繁く通うなら、1年間有効のパスポートを買うのがお得だろう。全国の国立博物館の常設展は、有効期限内はパスポート提示で何度でも見られるし、特別展(企画展)は、ひとつの展覧会につき1回のみながら、MAX6回見ることができ、3回見れば十分元を取れる料金設定(4,000円)だ。

 大学生なら、自分の通う大学が、東博のキャンパスメンバーズの会員かどうか調べてみると良いだろう。もし会員なら、学生証を提示すれば常設展は無料で、企画展も割引料金で見られるはずだ。首都圏の主だった大学は殆ど加入している制度である。

 老いも若きも、博物館をもっと気軽に楽しもうheart


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