はなこのアンテナ@無知の知

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新年 雑感

2011年01月05日 | はなこのMEMO
新年が明けて早6日。この6日間に起きた現象について、自分なりに感じたことを書き留めようと思う。

菅直人首相の年頭記者会見

 消費税にしても、環太平洋経済連携協定(TPP)にしても、「方向性を示す」(しかも6月をメドにだって!)としただけで、自らの考えは明らかにしなかった。明言したのは、「政治とカネ」問題にけじめをつけるだの、早期の衆院解散・総選挙の否定だの、挙げ句は予算成立に向けて内閣改造で強力な態勢を作りたいと、民主党体制維持のことばかりだ。

 この人には、首相として、今、問題山積のこの国をどうしたいのかの、具体的なビジョンはないのかね?

 新年早々、所信表明もできず、守りに入ってどうする?

 しかも自己保身の守りである。

 彼が守りたいのは国ではないのである。

 あ~あ、年の初っ端から、政治には失望させられる。


新年恒例の箱根駅伝

 箱根駅伝の記録の成否を左右するのは、大学の指導者の能力よりも、大学の支援体制や伝統よりも、

 佐久長聖高校のようだ。

 区間トップの走りを見せたり、区間新記録を出しているのは、殆どが高校駅伝の覇者である佐久長聖高校出身の選手である。初めの頃は感心したが、何度もその名が連呼されると、さすがに飽きて来た。優勝メンバーが適宜散らばって、それぞれの進学先でエース級の働きをしている、と言う感じだ。

 もちろん、中には東洋大の柏原のような、非”佐久長聖高校”出身の怪物君もいることはいる。彼の重戦車的な牽引で、二番手三番手の大学を優勝に導く(今年は準優勝だったけれど)なんて、カッコイイじゃないか?

 早稲田大の優勝は、さもありなん、と言う感じがしないでもない。特に近年、高校レベルでも、あらゆるスポーツ選手権の東京、神奈川の代表は、早慶両校であるケースが多い。つまり、そのネーム・バリューから、全国の逸材が他のどの高校・大学よりも両校には集まりやすい。中高時代に全国大会レベルで活躍した有力選手は全国の学校から引く手数多だろうが、数ある高校・大学の中から、特にプロの道が開かれている野球・サッカー以外の競技選手が自分の将来を見据えて選ぶとなれば、単なるスポーツ名門校よりも、文武両道で名実共に私立のトップ校である早稲田、慶応となるのは当然のような気がする。その意味で、(もちろん、猪股選手のような一般入試組の健闘もあるにはあるが)今回の早稲田の優勝は驚くに値しない。

 それから、マスコミの「面白ければ良い」「ニュースになれば良い」という価値観のもとでの中継の在り方が、今回は息子の同級生が出場していたこともあってか、気になった。長時間中継で視聴者の目を釘付けにするには、ただ延々と選手の走りを見せるだけでは無理があるのだろうが、選手の露出の多寡は、明らかにニュース性やドラマ性に左右されているように見える。普通に走っていては、何のドラマ的背景も持たない選手は、殆ど見向きもされないようだ。その意味でも、今回の名門大早稲田の18年ぶりの優勝は(東洋大の”大会史上初の3連覇”と言う偉業よりも)、マスコミ的にはおいしかったのかもしれない。


浜崎あゆみの結婚

 今流行り?の電撃「格差婚」らしいが、それに東京-LAの遠距離別居のおまけが付く。「結婚しても、浜崎あゆみは今まで通り。仕事の合間に東京-LAを往復する」と言うが、ただでさえ交際期間が短く、お互いを理解しあう為にはより多くの時間が必要なはずなのに、遠距離別居だなんて、彼女は何の為に結婚したのだろう?彼女が結婚をしようが何をしようが、特段彼女のファンでもない私には関係のないことだし、芸能界という特殊な世界に身を置く彼女を世間の常識に当てはめて見る事もナンセンスなのかもしれないけれど、「結婚の意味と重み」(←逆に、これがネックで結婚しない人も多いのかもしれないなあ…)をふと考えて、少しばかり気になった。


録画で「M1グランプリ」を見る

 9年連続決勝進出の「笑い飯」の優勝はニュースで知ってはいたけれど、九州では番組を見る暇がなかったので、自宅で録画していたのを昨日見た。

 今回、何と言っても出色は沖縄出身の2人組「スリムクラブ」。今年ブレイクするのは、優勝した「笑い飯」より、この「スリムクラブ」だろう。「笑い飯」の芸は既に完成されたもので、爆発的人気を博すこともない代わりに落ちることもない、良くも悪くも安定した強みがある。対して、今回の「M1グランプリ」決勝進出まで殆ど無名に近かった「スリムクラブ」には、反動的な勢いがある。未知数への期待感が持てる。

 審査員らを惹きつけ、同時に戸惑わせた、彼らの「4分間と言う限られた時間を惜しげもなくゆったりと使う」、あの独特な”間”は、その実、沖縄の人々の日常の話し方のペースに他ならないのだが、4分間を一分の隙もないマシンガントークで畳みかける王道の関西スタイルに慣れた審査員や視聴者には、新鮮で衝撃的なものだったようだ。

 早晩、人々はその”間”にも慣れ、飽きて来るかもしれないが、共に国立大学卒業と言う高学歴芸人の面白さはそれだけでないような気がする。今後、その知性で的確な批評眼を持って、時事問題等をシュールに嗤えば、大衆の心をガッチリ掴むかもしれない。その片鱗が、今回の最終決戦の彼らの漫才で垣間見えたのが、最後の「M1グランプリ」の収穫だったとも言えるだろうか。

 「M1グランプリ」は「王道の安定感」と「次世代の新しさ」を置き土産に、その10年の歴史に幕を閉じたようだ。

 以下は「スリムクラブ」2本目のクライマックス。 

 町で一度見かけただけの人の葬儀の場に現れた、傍迷惑な変てこりん男との不毛なやりとりに、思わず出た受付の男性のぼやき

「何とかならんかねえ…」に、

 くだんの変な男はすかさず

「民主党…ですか?」と切り返した。

 突拍子もない、しかし、現在の国民の心境にピタリと嵌った2人の問答に、会場は大爆笑。さらに、その後の切り返しが効いている。

「この状況で…民主党のことを考えるの…民主党にもいませんよ」

 これで、さらに大爆笑。


 う~ん、その面白さが文字では十分に伝えられないのがもどかしい。もし、彼らの漫才に興味を抱いた方は、YouTubeで見られるかもしれないので、是非、その面白さを体感していただきたいと思う(もちろん、感性の違いがあるので、万人にウケルとは限らないけれど)。 

 ところで、「スリムクラブ」に対する審査を通して、夫と共に改めて見直したのが、ベテラン審査員の度量の大きさだ。中田カウスは1本目の漫才から「スリムクラブ」に高評価を与えていた。たとえ王道から外れたスタイルでも、面白いものは面白いと認める、異質なものを受容する鷹揚さがあった。その意味では、過去に、やはり関西漫才とは毛色の違う「オードリー」を毛嫌いしていたかに見える島田紳助も、高評価を与えていたのが意外だった。彼の場合、吉本びいき(スリムクラブは現在、吉本興業に所属)、沖縄びいきもあったのかもしれないけれど。

マグロ

 年頭恒例の鮪の初競りに絡めて、漁業資源確保の問題が取り沙汰された。

 日本の食文化のひとつである「寿司」が”SUSHI”として世界で広く認知されたのは、日本人としては誇らしいことではあるが、同時に鮪等の消費量が世界的規模で拡大して、資源問題化していることは頭の痛い話だ。一度注目されれば、批判の標的になりやすい。目立たないよう、ささやかに日本人が鮪を食べていれば良い時代はもう終わってしまった。

 今は世界の中の日本として、否応なく資源争奪競争の中に置かれ、最大の消費国としての責任を問われている。交渉下手、自己主張下手の日本は、防戦一方で頭を抱えている状態と言えるだろうか。何も考えずに、回転寿司で鮪を食べている場合ではないのである。


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