
かの有名なハリウッドサインだ。ハリウッドの目抜き通りから見えるんだね。元々は1923年に不動産広告として建てられた巨大看板らしいが、今や映画の都ハリウッドを象徴するモニュメントになっている。
2008年にサイン周辺の土地が売りに出される話が出て、景観保護の為にスピルバーグ監督や俳優トム・ハンクス等の著名な映画人が土地購入費の募金運動を展開し、今年4月には買い取り額1,250万ドルを上回る寄付が集まったらしい。それを会見で誇らしげに発表したのがアーノルド・シュワルツェエネッガーカリフォルニア州知事。ハリウッド映画人の見識や行動力、集金力には舌を巻くばかりだ。日本で同様の事態が起きた時、誰が声を上げ、行動を起こすのだろう?セレブリティの彼我の違いを感じるエピソードではないだろうか。


受賞式当日は、名だたるスター達が、レッドカーペットの敷かれたこのシアターの階段を一段一段踏みしめながら上って行くんだね。階段脇の柱に取り付けられたライトには、歴代の作品賞受賞作品の名前が掲示されている。上写真は、ベトナム戦争従軍兵の悲劇を描いた、マイケル・チミノ監督、ロバート・デ・ニーロ主演の第51回アカデミー賞作品賞授賞作「ディア・ハンタ-」。高校生の頃、映画館で見て深い感銘を受けた作品。主題歌「カバティーナ」の物悲しい旋律は今も耳を離れない。

その前庭には、ハリウッドで多大な功績を残したスター俳優らの手形や足形とサインを刻んだブロックタイルが敷き詰められている(一言付け加えると、スターは生身の人間とは限らない。誰もが知るキャラクターも、その栄誉に与っている)。

私はハリソン・フォードやクリント・イーストウッド、ジャック・ニコルソンのタイルを見つけた。息子はアクション・スターのブルース・ウィリスやアーノルド・シュワルツェエネッガーが目当てだったようだ。

ブルース・ウィリスは彼を一躍世界的スターダムへと押し上げた「ダイ・ハード」シリーズで、彼が演じるジョン・マクレーン刑事の決まり文句”Yipee Ki Yay!”(←クリックすると、解説にジャンプします)を、そしてアーノルド・シュワルツェエネッガーは同じく代表作「ターミーネーター」シリーズで、ターミーネーターを演じる彼がかっこよく言い放った”I'll be back.”を署名と共にしっかり刻み込んでいる。ファンには何とも嬉しい、粋な図らいだ。

マダム・タッソ-・ハリウッドは、まだオープンして間もないハリウッドの新名所。私はロンドンの本店には15年位前に行ったことがある。そこの目玉は、何と言っても英国のロイヤル・ファミリー。当時、既に皇太子夫妻の不仲は伝えられていたが、マダムタッソ-では、現実のゴタゴタをよそにロイヤル・ファミリー勢揃いで、英国連邦率いる王室の威厳を示していた。
蝋人形は本物と見紛うほど精巧な作りで、工房と思しき部屋も公開されていて、頭部や手足等が陳列されているのが一種異様な雰囲気を醸していたのを覚えている。
マダム・タッソー・ハリウッドでは、悩殺ポーズでマリリン・モンローがお出迎え。


プレートは焦げ茶色の正方形のタイルの中央に、真鍮で縁取りされたテラゾ製(砕いた大理石とセメントを混ぜた物)のピンクの星形と言うデザインで、星の中に人物の名前と、その人物が活躍した分野を表したシンボルが添えられている。1959年にハリウッドの商工会議所により始まった顕彰制度だが、今やプレートの数は2,000個を超えていると言う。
今年ガン闘病の末亡くなったデニス・ホッパーも死の直前その栄誉に浴し、病をおしてセレモニーに出席したのが記憶に新しい。
写真は、昨年急逝したマイケル・ジャクソンのプレート。音楽業界を意味するレコードがシンボルとして付されている。昨年も今年も、彼の命日前後には、このプレートに沢山の花が手向けられたのをテレビで見た。普段は人通りの絶えない歩道である。そこが、マイケルの死を悼む場として、花で埋め尽くされたのだ。
