佐倉市議会はしおか協美
市政にキョウミ
 



次に、車がなくても暮らせるまちづくりについて伺います。佐倉市総合計画中期基本計画の8年後の目指す姿として、都市と農村が公共交通で結ばれ、利便性・快適さ・豊かな自然を享受できる暮らしやすいまちを目指しますとしています。実施計画には、地域公共交通対策事業として、コミュニティバス等の運行により、交通空白地域を解消し、公共交通に関する情報へのアクセス性や待合環境の改善により、公共交通をより利用しやすい環境整備を図ることを目的に、既存の公共交通の利用が困難な交通空白地域における手段としてコミュニティバスを運行し、利用状況の検討、必要に応じて見直しを行い、公共交通が利用しやすくなるよう、バス停など待合環境や公共交通に関する情報のオープンデータ化による利用環境の改善を行うと位置づけています。民間のバス路線を基幹とし、それを補完する形で交通空白地域を運行するコミュニティバスにより、公共交通網の構築に取り組んでいると伺っています。
 そのような中、佐倉市コミュニティバスでは、公共交通の利用促進及び高齢者の外出支援を目的として、運転免許を自主返納した方、後期高齢者を対象とした運賃の割引制度があります。これは、佐倉市在住で1年以内に運転経歴証明書の交付を受けた方、佐倉市が発行する運転免許自主返納割引パスの交付を受けた方、後期高齢者医療被保険者証を乗車時に掲示することで、佐倉市コミュニティバスの運賃が無料や半額になる制度となります。
 そこで伺います。佐倉市コミュニティバスでは、この運転免許自主返納割引パスの発行に併せて、後期高齢者医療被保険者証を持ち歩くのが不安という声に応え、被保険者証に代わる後期高齢者割引パスの発行を実施しています。このそれぞれの割引パスの発行数と、申請者からいただいている感想や意見などがあれば伺います。

○議長(敷根文裕) 都市部長。

◎都市部長(小菅慶太) お答えいたします。
 佐倉市コミュニティバスにつきましては、運転免許自主返納による割引を平成30年度から実施しております。後期高齢者割引制度につきましては、令和2年度から実施しておりますが、令和4年度からは被保険者証の提示に加え、佐倉市独自の割引パスを発行しております。
 割引パスの発行数につきましては、令和5年度までに運転免許自主返納割引パスは414件、後期高齢者割引パスは382件発行されております。割引パスの申請者からは、免許返納に対する不安が少なくなったとか、コミュニティバスを利用するきっかけとなったなど、ご満足をいただいているご意見を頂戴しているところでございます。
 以上でございます。

○議長(敷根文裕) 橋岡議員。

◆14番(橋岡協美) このように佐倉市のコミュニティバスに運転免許自主返納割引パスを提示して乗っていただくきっかけになったということを言われているのですが、どうしても東京都で無料パスを発行している関係上、なかなか厳しい条件に佐倉市はいるわけです。その中でどういった優位性を出すかということが佐倉市の力量だと思いますので、ぜひともよろしくお願いいたします。
 このように佐倉市のコミュニティバス運賃については、運転免許証自主返納割引、後期高齢者の割引と市民の声を反映した施策をしていただいているところですが、利用者の負担感と佐倉市の負担額についてはなかなか厳しい状況にあります。
 佐倉市地域公共交通計画基礎調査結果を踏まえた公共交通の課題について、佐倉市のコミュニティバスの利用者は2022年に12万860人と過去最高を記録しましたが、併せて佐倉市の負担額は年々増加傾向にあり、2022年の運賃収入は1,832万円、その額を委託料から差し引いた佐倉市の実質負担額は9,165万円となっています。佐倉市地域公共交通網形成計画によると、佐倉市の公共交通に求められる役割は、日常生活に必要な移動手段、観光振興、高齢者等の健康増進への寄与、渋滞緩和、環境負荷の低減ですので、佐倉市の負担額の多寡によって事業が評価されるものではないと認識はしておりますが、この現状で利用者の満足度が高ければ大きな課題にならないと思いますが、残念ながら昨年度交通計画基礎調査の中で実施したバス利用者アンケート結果では、利用者の路線バスやコミュニティバスに対する改善要望は、運行本数をもう少し増やしてほしいという回答が最も多くなっているのが現実であります。
 そこでお伺いいたします。佐倉市地域公共交通会議において、次期交通計画の策定に向け、交通空白地域への対応や高齢者等の移動手段の確保、拠点へのアクセス向上への対応について、その地域や人の特性に応じた移動サービスを検討していくと伺っています。移動手段の確保という観点から、点在する交通空白地帯、高齢者、通学利用者の移動手段の確保についてはどのような対策を検討しているのでしょうか。
 また、令和6年度において、コミュニティバス、民間路線バス維持を目的とした補助金を含めて、年間予算として1億7,000万円を計上しています。将来的には市の財政負担が軽減されるのでしょうか。見通しをお聞かせください。

○議長(敷根文裕) 都市部長。

◎都市部長(小菅慶太) お答えいたします。
 現在今年度末で計画期間が終了する第2次佐倉市地域公共交通網形成計画を引き継ぐ計画として、佐倉市地域公共交通計画の策定作業を進めているところでございます。その基礎資料とすべく、令和5年度に地域公共交通計画基礎調査を実施し、公共交通の現状認識及び課題を整理しておりますが、公共交通のニーズの視点では、点在する交通空白地域や高齢者、通学利用者等の移動手段の確保が課題として挙げられております。これまで交通空白地域対策としてのコミュニティバスの運行や小学生の通学利用を踏まえた一部バス路線の補助などを実施しておりますが、次期計画における具体的な取組につきましては、現在地域公共交通会議での議論を始めた段階でございます。
 なお、市の財政負担でございますが、人件費や燃料費をはじめとした近年の物価高騰により、交通事業の維持に必要なコストが増加しているため、仮に現状のサービスを継続するだけでも財政負担の増加を避けることは難しいであろうと考えております。
 以上でございます。

○議長(敷根文裕) 橋岡議員。

◆14番(橋岡協美) 財政負担は軽減されないということを伺いました。佐倉市公共交通会議には、バス会社をはじめ市内の公共交通事業者に委員として参加していただいています。コロナ禍を経て回復し切らない利用者の減少による収益の悪化、物価高騰に伴う燃料費負担の上昇、2024年問題と言われる乗務員不足、乗務員の高齢化をはじめとした公共交通事業者の直面する諸問題への対応、利用者ニーズのある路線の運行本数の確保、維持、目的地、ルートの改善などの利便性の確保は、佐倉市の公共交通網の維持に直結すると考えます。これらの課題について、交通事業者の委員からはどのような意見が出されたか伺います。

○議長(敷根文裕) 都市部長。

◎都市部長(小菅慶太) お答えいたします。
 市内の公共交通事業者からは、公共交通会議の場だけではなく、昨年の基礎調査における事業者ヒアリングや市の事業検討に当たっての情報交換などを通してご意見を頂戴しているところでございます。その中でコロナ禍における利用者減少に加え、近年の燃料費高騰や乗務員不足など、厳しい経営環境に置かれている状況や、特に直近の情勢では改正労働基準法の施行により運転手の離職が想像以上に多く、新たな運転手の確保が非常に困難となっている窮状を伺っております。
 佐倉市のバス路線におきましても、完全な廃線には至っていないものの、今年度に入ってからも一部路線の便数の削減が実施されており、大変厳しい状況であると受け止めております。
 以上でございます。

○議長(敷根文裕) 橋岡議員。

◆14番(橋岡協美) 交通計画基礎調査において、まちづくりの観点から公共交通ネットワークの維持向上、施設間の回遊性や移動利便性の向上、農村集落と市街地を連結する公共交通ネットワークの形成についてを地域公共交通の課題と示されています。
 現在策定を進めている公共交通計画において、それらの課題解決に向けた方向性として、どのようなものを考えているかお伺いいたします。
 また、地域公共交通会議の開催予定は夏とお伺いしておりますが、計画策定のスケジュールをお伺いいたします。

○議長(敷根文裕) 都市部長。

◎都市部長(小菅慶太) お答えいたします。
 ただいまご質問にありました基礎調査における公共交通の課題につきましては、佐倉市立地適正化計画における公共交通の役割を整理したものでございます。今後公共交通計画の策定の検討に当たり、交通空白地域対策だけではなく、民間路線も含めた公共交通を都市を構築する骨格インフラの一つとして捉え、都市マスタープランや立地適正化計画など、まちづくりの計画との連動を図ってまいります。
 スケジュールにつきましては、年内には地域公共交通会議において計画の素案について協議を調え、年明け以降に市民意見公募手続を実施し、今年度末には計画を決定する予定でございます。
 以上でございます。

○議長(敷根文裕) 橋岡議員。

◆14番(橋岡協美) 次に、先般コロナ禍以降の交通事業者への影響についても質問させていただきましたが、コロナ禍においては高齢者の方々も大きな影響を受け、それがきっかけとなり、ひきこもり状態となっていた方もいらっしゃると聞いております。介護保険認定があれば通院や買物での外出に福祉有償運送サービスを利用することができますが、介護保険認定を受けていない高齢者からは、路線バスやコミュニティバスのバス停まで行く距離、駅まで歩いていくには遠いという声を聞きます。
 そこで伺います。このように日常生活においては支障がなくても、通院をはじめとした外出や荷物の多い買物などに不便を感じている方は多くいらっしゃいます。そういった方の日常生活、移動手段として、デマンド交通の導入が有効な手段と考えますが、次期交通計画においてデマンド交通についてどのように盛り込んでいくか伺います。

○議長(敷根文裕) 都市部長。

◎都市部長(小菅慶太) お答えいたします。
 デマンド交通は、利用に当たって事前の予約が必要なものの、路線バスと比較し、運行エリア外では乗車場所や目的地の設定が柔軟に行えるというメリットもあり、近年はAIを取り入れた事前予約や乗合時の運行ルートの設定など、従来と比較し効率的な運行が可能となったことから、試験導入する自治体も増えております。
 一方、佐倉市のように路線バス及びタクシーにより一定の公共交通網が形成されている区域におきましては、導入に当たって既存交通事業者との調整が非常に重要になると認識しております。また、このようなデマンド交通という方式は、道路運送法での区分は乗合タクシーと同様の区域運行方式という区分になりますが、路線バスに代表される都市の骨格、軸となるネットワークとしての公共交通と利用者個人の事情にきめ細かに対応する乗合タクシーや福祉有償運送とは施策の目的が異なることから、視点を分けた検討が必要であると考えております。
 しかしながら、広範な地域に集落が点在する南部地域においては、既存のコミュニティバスという手法に限界があるとは認識しておりますので、選択肢の一つとしてデマンド交通も含めた様々な手法、あるいはその手法の組合せなどの可能性について、地域公共交通会議において議論を深めてまいりたいと考えております。
 以上でございます。

○議長(敷根文裕) 橋岡議員。

◆14番(橋岡協美) 選択肢の一つとしてデマンド交通を検討していただきたいと思います。
 AIによる事前予約システム、それからルート検索、この事業者も今1者だけでなく複数者ありますので、様々な事業者を見ていただきたいと思います。
 国土交通省では、地域交通の持つ価値や役割を見つめ直し、移動サービスの質・持続性を向上するため、地域の多様な関係者による共創、市長が先ほど市民の皆様と一緒にとおっしゃっていましたが、共創に係る実地伴走型の研究会を設置し、令和4年に中間整理をしています。目的は、ファーストワンマイル、自宅からの最初の移動、ここが一番難しいのです、を発想の起点として、多様な主体の共創を実践することにより、暮らしのニーズに基づく持続可能な交通を実現するモデルを研究するところです。
 ここで申し上げますと、行きたいときに行きたいところへ行けるまちを掲げて、潮が引いたときに干潮時の夕暮れには南米のボリビアのウユニ塩湖のような写真が撮れると話題の新たな観光地、父母ヶ浜がある香川県三豊市の事例は、まさに共創の発想です。もともと三豊市全域には、地場の路線バス事業者が存在しなかったところです。人口は5万8,000人、面積は佐倉市の約倍です。
 では、人口と面積がもう少し広いところを申し上げます。熊本市公共交通基本条例には、公共交通について次のように位置づけをしています。課題点は、佐倉市とほぼ一緒です。少子高齢化の進展、移動手段を持たない高齢者の増加、公共交通路線の廃止や減便などの課題は佐倉市と同じですが、市民は日常生活及び社会生活を営むために必要な移動する権利を有するとの理念を尊重し、市民及び事業者の参画と協働の下、公共交通の維持及び充実のための施策を総合的かつ計画的に推進するため、この条例を制定するとあります。つまり行政だけでなく、市民、事業者と協働でということをもう条例に位置づけているのです。まさに市長がいつもオール佐倉でとおっしゃっていますけれども、その感覚でこの交通網の政策にも取り組んでいただきたいと思います。熊本市も人口73万人、面積は佐倉市の4倍です、390ですから。市民も運送事業者も佐倉市も三方よしの公共交通計画とするためには、まずは佐倉市の庁内連携、横串を通して市民の移動の確保につながるようにしてほしいと思うのです。
 先ほど研究会のことを申し上げました。国土交通省の地域交通の持つ価値や役割を見つめ直し、移動サービスの質・持続性を向上するため、地域の多様な関係者による「共創」に係る実地伴走型の研究会、ちょっと研究会の名前が長いのですけれども、これに関わる人たちが国土交通省、それから厚生労働省の老健局、観光庁、内閣府、環境省、日本銀行、博報堂、日本政策投資銀行、この方たちがこの研究会にオブザーバーとして加わって検討しているのです。佐倉は、今現在は移動手段に関しては都市部ということで縦になっているのですが、例えば移動手段、交通、車、バスについて、課題を少し解決する方向にすれば環境負荷も減っていく、そういう意味でこの環境省が入っているわけです。ですので、都市部だけで抱えないで、庁内連携で横串を通してデマンドバス実現に向けて動いてほしいと考えます。
 まさに市長のおっしゃるオール佐倉で取り組んでいただきたいのですが、おじいちゃん、おばあちゃん、市民が大変移動に困っています。市長のお考えを少し伺えたらと思います。市民の移動の改善、少しでも市長の思いを述べていただけたらと思います。

○議長(敷根文裕) 市長。

◎市長(西田三十五) お答えいたします。
 佐倉はデマンド交通を実施した経緯もあります。私自身、議員がお考えをということがありますが、デマンド交通を成功させている地域というのは、この近隣で挙げれば、例えば富里市、これは本当に、先ほど熊本市の面積の問題もありましたが、やはり佐倉の何分の1という広さであります。そういうところで満遍なくデマンド交通という形の中で成功例があります。なぜ佐倉市でデマンド交通が失敗したのかというのを改めて議員の皆さんに考えていただいて、またいろいろないい方法があれば、そこら辺を皆さんと公共交通会議に挙げて議論をすべきものだと思います。
 先ほどおじいちゃん、おばあちゃんのことがあります。これは現在なかなか交通網の整備というのはできない段階ですが、今買物ができるようにということで、地域にできるだけ行って、そこで会話も生まれています。私は決しておじいちゃん、おばあちゃんのことを忘れたわけではありませんので、皆様方と力を合わせて頑張ってまいりたいと思います。
 以上です。

○議長(敷根文裕) 橋岡議員。

◆14番(橋岡協美) ありがとうございました。まさに市長がおっしゃったとおり、みんなで考えていく、どうしたら佐倉のやり方、他市がうまくいったからといって、それをそのまま佐倉に持っていくことはできない。それから、以前南部地区で行われていたデマンド交通と、今進もうとしているかもしれない、選択肢の一つかもしれませんが、デマンド交通は、AIによる事前予約であるとか、ルート検索ができるということで、状況が変わっている中で、ぜひとも都市部だけではなくて、庁内横串を通して市長を中心に、私どももすべきことはいたしますので、取り組んでいただきたいと思います。
 以上で質問を終わります。



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