平成26年11月定例会で「少子化対策、産みやすく、育てやすいまち」について質問し、政策実現できる環境づくりのために
佐倉市で新生児出生人数の一番多い長岡産婦人科クリニックの長岡先生を本田由佳先生と訪問し
産後ケア、電子母子手帳はじめ、思春期の女の子が来やすいクリニック、不妊治療、女性のからだづくり、卵巣年齢、食育・運動、
間違ったダイエット・・・様々な意見交換をしました。
そして3年が経過し、現在佐倉市には、子育て世代包括支援センターが開設され、
・妊娠届出の提出をもとに、母子健康手帳を交付。
・妊婦さんへの面接とアンケート結果から、妊婦さんの状況に応じた子育てケアプランを作成し、提供。
・妊婦乳児一般健康診査受診票(健診の助成券)を交付。
・妊娠、出産、子育てに関する相談にお答えします。
・お子さん、お母さんの状況、ご希望に応じた子育てサービスをご案内。
実家が遠くて帰れない、産後手伝ってもらえる人が居ない等、産後ケア事業が利用できます。
下記のすべてにあてはまるお母さんと生後1か月未満(訪問型は生後4か月未満)の乳児が対象で利用できる産後ケア事業があります。
(1)母に体調不良または育児不安がある
(2)家族などからの産後の支援が得られない
(3)利用の希望がある
宿泊型 長岡産婦人科クリニック(佐倉市王子台3-16-1)
(1泊2日あたり)市民税課税世帯 5,400円(多胎の場合、1,620円/1人加算)
市民税非課税世帯 2,700円(多胎の場合、810円/1人加算)
訪問型 千葉県助産師会印旛地区(利用者のご自宅に助産師が訪問いたします。)
(1回2時間あたり)市民税課税世帯 1,080円
市民税非課税世帯 540円
平成26年11月定例会
◆6番 橋岡協美
少子化対策、産みやすく、育てやすいまち、 不妊治療と妊活支援体制について伺います。平成24年6月議会で要望いたしました講演会、いつかお母さんとなる日のためのいわゆる妊活セミナーは、順天堂大学、本田由佳先生をお呼びし、昨年に引き続き2回目の講座を開催していただきました。私は、2年前に本田先生のラブテリサミットに参加し、胎児環境が人の人生の健康の基盤になるということについて勉強し、睡眠、卵巣年齢、普通分娩と帝王切開の新生児の腸内細菌の違いについてなど、知れば知るほど妊娠できる体づくりの大切さと難しさを学びました。これを佐倉市でも取り組んでいただいたことは、一歩前進できたと感じております。
同じく要望いたしました市独自の不妊治療助成制度の導入と同時に、市の不妊治療の相談体制、それから電話の受け付けの配慮についての取り組みについて伺います。
○議長(中村孝治) 健康こども部長。
◎健康こども部長 お答えをいたします。
不妊治療費対策は、全ての国民に対して国が主体的に行うべきものと考えておりますので、市独自の助成制度を設ける検討は行っておりません。
なお、対象となる方を不妊治療助成制度につなげることは基礎自治体である市の役割であると認識しておりますことから、当該制度の周知と不妊に係る相談体制の整備に努めているところでございます。不妊に至らない、妊娠を望んだときに恵まれるための体づくりが重要と考えております。そのためにも正しい知識と健康的な生活習慣を身につけていただきたいと考え、女性の健康力向上を啓発する講演会等を開催しております。
また、講演内容をホームページに掲載をいたしまして、健康で美しい体づくりのための情報を積極的に配信をしております。
以上でございます。
○議長 橋岡議員。
◆6番 不妊治療に対して市独自の助成、積み増しをしないということであれば、今部長がおっしゃったとおり、不妊に悩まない体制づくりに力を入れてほしいと思います。女性の卵巣内にある卵子は、生まれる前につくられ、つまり母親の胎内、胎児5カ月が一番卵子が多いそうですけれども、その後新たに補充されることはありません。卵子は実年齢とともに老化し、減少もします。そこで、いつかお母さんとなる日のための教育や啓発が必要となってくるのです。しかしながら、年に1度の講演会でこの意識の底上げをすることは困難であります。いつかお母さんとなる日のための健康をサポートするためのアプリの導入を進めてはいかがでしょうか。
母子手帳は、妊娠確定してから給付される手帳ですので、それ以前の女性への啓発、女性だけでなく男性もそうなのですが、成人式当日や成人式の案内の中で健康サポートのアプリがダウンロードできて、生涯にわたり健康をサポートできるアプリができるといいと思います。既に他の行政で取り組んでいるところがありますが、いかがでしょうか。
○議長 健康こども部長。
◎健康こども部長 お答えをいたします。
ご質問のアプリの身近な事例といたしまして、Chiba Woman Diaryというものがございます。これは千葉県が取り組んでいるもので、婚活、妊活、プレママ、育児の4つのライフステージにある女性に対して、スマートフォン用アプリを活用して県、市町村、民間企業からの情報提供や相談対応を行うというもので、千葉市、船橋市などの県内10市町を対象に現在実証実験が行われております。千葉県の担当者に伺いましたところ、今後全県下で当該アプリを活用していきたい考えとのことでありまして、当市といたしましても有効活用してまいりたいと考えておりますので、今後千葉県と協議し、本格稼働に備えてまいります。
以上でございます。
○議長 橋岡議員。
◆6番 それでは、県でスタートしたときに周知ができるような体制をしていただきたいと思います。
先ほどのいつかお母さんとなるための体づくりということで、年に1回ではなくて少人数で、二、三十人でこういった講演会を開催しているまるのうち保健室というのがあります。こちらは見ていただくとわかりますが、数カ月先まで予約でいっぱいです。やり方を工夫して、いつかお母さんとなる日のために、そしていつかお父さんとなる日のための教育や啓発に力を入れてほしいと思います。
次に、産前産後の支援体制について伺います。低出生体重児に関する講演会が東邦大学医療センター佐倉病院新生児室長の沢田先生をお招きして12月10日に佐倉市主催で開催されます。出産までさまざまな悩みを抱えながら過ごし、出産した後も生まれた子供の成長に悩むのが母親です。母親自身は、産後は骨盤の結合が緩んで腰痛になったり、ホルモンバランスが崩れて鬱病になったりするケースもあります。低出生体重児については、2003年から疾病登録をデータベースにし、診療の質向上、介入研究、先進10カ国の連携体制も構築済みとなっています。今申し上げたのは、低出生体重児の例でありますが、要するに専門機関に研究とデータの蓄積が既にありますので、そこに産後の悩みを抱えたお母さんと結びつけるのが行政の役割である産後ケアの一つではないかと考えています。
2012年、三重県桑名市で母親が5カ月の長男を炎天下の駐車場に放置して死なせた事件がありました。裁判で母親が産後鬱だったと認定されました。核家族化や近所の結びつきが弱くなった今、地域で産後を支える体制が必要だということです。
民間の調査機関によりますと、育児休暇を利用したいと答えた男性は3割いるそうです。しかしながら、厚労省の調査によりますと、男性の育児休暇の取得率、実績は2007年度以降、一、二%にとどまっているのが現実です。ことし4月から育児休業中に雇用保険から支給される給付金が育休をとり始めて6カ月間は従来の賃金の2分の1から3分の2にふえるなど、イクメン支援の制度は整いつつあります。産後ケアでの父親の役割は、家事代行ではないのです。意思疎通を図り、妻の最高の理解者になることであります。佐倉市では新生児訪問、こんにちは赤ちゃん訪問が行われていますが、この事業を発展させ、産後ケアのさらなるサポートが可能と考えます。この目的、実績、課題、今後の取り組みについて伺います。
また、平成24年度出生数1,179人のうち、母親が15歳から19歳が9人、40歳から44歳が48人、45歳から49歳が1人となっています。これ全てが初産というわけではありませんが、若年、高齢で初産のケースは孤立が心配されます。そのケアについて伺います。
○議長 健康こども部長。
◎健康こども部長 お答えをいたします。
生後4カ月までの乳児の家庭を対象とするこんにちは赤ちゃん訪問事業は、育児状況を把握し、必要に応じて適切な支援につなげていくことを目的としております。平成25年度の実績は、出生数1,169人に対して1,033人を訪問しております。このうち主に第1子を対象とする新生児訪問は788人、第2子以降を対象とするこんにちは赤ちゃん訪問は245人となっております。
次に、課題でございますが、乳児のいる全家庭への訪問目標に対しまして、実績が9割にとどまっている現状でございまして、対象者への周知と利用に向けた啓発にこれまで以上に努めていく必要があるものと考えております。こんにちは赤ちゃん訪問協力員は、研修を受けてボランティアとして委嘱された子育て経験のある地域のお母さんたちでございまして、このような方たちをより多く養成し、訪問回数や相談時間をふやすことができるようにしていくことで、産後ケアとしての子育て支援事業をより充実させてまいりたいと考えております。
また、乳児家庭全戸訪問事業は、母親の年齢にかかわらず、乳児のいる全ての家庭を対象として保健師等が家庭訪問を行っております。この訪問を通じまして、育児不安や負担感が強いなど、孤立が懸念される産婦を把握した場合には、子育て支援センターや保育園の園庭開放などの利用につなげまして、他の母子との交流を促す支援などによりまして、孤立の防止に努めております。
以上でございます。
○議長 橋岡議員。
◆6番(橋岡協美) 赤ちゃん訪問のボランティアをやっている方から、訪問の約束をして訪問したけれども、留守だった。何度もアポをとって行かなければいけないということも発生していますので、そのあたりもサポートしていただきたいと思います。
昨年度、産後ケアの国のモデル事業に手を挙げなかったのは、市内にその環境がなかったと答弁がありましたが、調整が間に合わなかったからではないでしょうか。平成25年度の出生数は先ほど1,169人とありましたが、佐倉市内の長岡産婦人科クリニックでは年間600人以上の新生児が生まれています。ここで平成19年からこの産後ケアの取り組みを既に始めて実施していらっしゃいます。長岡先生がこの産後ケアに取り組まれた目的は、核家族化と少子化で赤ちゃんに触れ合うことなくお産をして、初めて育児に直面する母親がふえている現状を踏まえ、そのようなお母さんたちの不安を和らげ、家に帰って楽しんで子育てをできるよう、母性を育むことだとおっしゃっています。この産後ケアの施設を利用されたお母さんの声を紹介したいと思います。「自宅に帰ってからの環境に近い雰囲気で数日を過ごしながら必要なアドバイスが受けられたので、今後の育児に有意義だと感じました」、「初めての出産で産む前には不安に思うことがありましたが、産後ケアの施設で予行演習ができたので、これからの育児に自信が持てるようになりました。よい制度だと思います」、「佐倉市は現住所でもなく、実家でもありませんが、この産後ケア施設があるので、少し時間をかけて通院、お産をさせていただく価値は十分あったと思います」、「退院後の不安が安心に変わりました」、この声からまさに産後ケアでカバーすべきことが全て入っているのではないかと思います。佐倉市にはこのような産後ケアについて積極的に取り組んでいる民間の医療機関がありますので、行政として連携協力して、後押しができると考えますが、いかがでしょうか。空きがあれば、ほかの病院、産院で出産した母子を受け入れることも可能だと聞いています。いかがでしょうか。
○議長 健康こども部長。
◎健康こども部長 お答えをいたします。
産後ケアの事業の実施につきましては、今後民間の産科医療機関等のご意見も伺いながら、そしてモデル事業の結果を踏まえまして、検討を進めてまいります。以上でございます。