こころの文庫(つねじいさんのエッ!日記)

家族を愛してやまぬ平凡な「おじいちゃん」が味わう日々の幸せライフを綴ってみました。

ふるさと哀詞

2016年11月06日 01時22分33秒 | 日記
畑のど真ん中のミニ図書エリアに
通じる遊歩道(?)作りに取り掛かった。
作業中に来客。
本を話題にしばし歓談。
その流れで、
家の裏手に迫る山あいを縫って
走る遊歩道<
歴史の道>を散策した。
久しぶりの里山。
一番奥まったところにある
河上神社へ向かった。
神社の境内に鏡岩がある。
ご神体は巨大な岩だが、
それに連なる横長の岩が鏡岩だ。
ガラスの破片みたいなものが岩肌に光っている。
覗き込むと、
頭の後ろにある風景が映って見える。


地元には岩の名所が三つある。
揺るぎ岩が一番有名だ。
ほかに鏡岩と畳岩がある。
子供の頃は、
その岩を求めて
山の中を走り回ったものだ。


半年近くご無沙汰の
河上神社の赤い鳥居をまえにして、
唖然としてしまった。
神社のバックに
巨大なコンクリートの壁が出来ている。
砂防ダムである。
最近の台風で山が荒れて
土砂が流れ出たという話は耳にしていたが、
その対策事業の結果を、初めて目の前にしたのだ。
言葉が出なかった。
あの豊かな自然を背にした神社の風情が
消え去っている。

近年、山は荒れ果てている。
松は松くい虫のせいで全滅した。
いまも山あいに白骨を思わせる、
死んだ松が点在している。

子供のころ、
いやになるほどとれた
松茸はもう完全に
姿を消してしまった。

「山の空気はええなあ。ここに住んどっ
たら長生きできるなあ」
町からの訪問者の感慨深げな言葉も
耳に入らないぐらいのショックだった。
ふるさとの山は
もう記憶に残るものではなかったのだ。

夜、ポタージュスープを作った。
かぼちゃとじゃがいもの2種類だ。
野菜に手の届かぬいま、
ほんの気休め的なメニューである。

しかし、美味い!(大笑い)
もうショックを引きずっていなかった。
いやあ、
自分がいかに楽天家なのだと再認識した。
コメント
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