こころの文庫(つねじいさんのエッ!日記)

家族を愛してやまぬ平凡な「おじいちゃん」が味わう日々の幸せライフを綴ってみました。

つれづれ

2017年05月17日 09時19分56秒 | Weblog
16日は
加西市風土記の里ウォーク2017の
二回目のウオーキングに参加です。
例によって、前日に仕込んでおいた
釜飯風炊き込みご飯を、
お結びにしてリュックへ。
ほかにはのど飴と
パックの紅茶を湯だししたのを
ペットボトルに詰めて用意万端。
今日のコースは
高峰神社とゆるぎ岩散策コース。
なんと、
我が家の裏手にある里山です。
13キロコースですが、
集合場所は北条町駅。
近くが目的地だといっても
待機して待つという選択肢はない。
もちろん途中で家に戻るという計算もしない。
家から駅まで50分歩きました。
結果往復1万歩ほど加算です。
参加者は100人余り、
平日にしてはかなりの参加者です。
いや~
ひとりもくもく歩くのもいいですが、
団体の中に混じって歩くのも「あり!」ですね。
コースは自分の庭、
新味に欠けますが、
違った面白み、楽しさを満喫しました。

家に戻ると疲れがドーン!
一年一年
年齢の影が顕著になってきます。

それでも、
庭に出てアカガナメの剪定
(時期的にいいのかどうかはわかりませんが)
思いついたら吉日行動のB型の本領発揮?
7本ぐらいはチョッキンチョッキン。
すっきりした一角を眺めながら
忙しかった今日を思い返していました。
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ミニノベル・雨の贈り物・その4

2017年05月17日 00時38分47秒 | Weblog
「お父さん、どこ行くの?」
 気付いた和子がすかさず尋ねたが、幸吉は黙殺して居間を突っ切った。
「もうお父さんは、子どもみたいな真似してからに。いつまですねてんのやいな」
 和子は息子夫婦(?)へ弁解でもするように、夫を責める口調を慌てて作った。幸吉はちょっと荒っぽい仕草で玄関の戸を開け放つと、外へ飛び出した。
 家の裏手に増築した作業場に入ると、幸吉は、加工台を前にドカッと座った。樋受けの加工のひとつで飾りの型取り作業が、中途半端に放り出してある。
 別に急ぐ仕事ではないが、何かやっていれば気は紛れる。自分の思い通りに決してならぬモノに、ややこしく頭を使っているよりははるかに健康的だ。

 幸吉は型木に銅板をあてがうと金槌を振るった。小気味いい音を立てながら、金槌は幸吉が狙った箇所を確実に打った。妥協のない職人芸の技術が展開した。
「……あの…バカタレが……!」
 幸吉は思わず吐き捨てた。慌てて作業の手を止めた。どうも今日は集中出来そうにない。あの親不孝な幸央のせいだった。もう息子と思うまい。自分に言い聞かせて、無視を決め込んでいるつもりだが、どうも上手くいかない。息子だけではない。孫の存在が幸吉に動揺を誘った。
 遂に諦めて金槌を置いた。気が乗らないまま仕事を続けて納得いくものが作れるはずはない。職人のプライドが傷つくだけだと、容易に想像はつく。幸吉はフーッと大きく息をついた。
 胸ポケットの煙草に手を伸ばした。取り出した箱は空っぽだった。中味が切れたのをすっかり忘れていた。苛立っていたせいである。何もかもが裏目に出る。幸吉は舌打ちした。また買いに行くしかない。
「お父さん」
 和子がソワソワと顔を覗かせた。
「なんや?あいつら構ったらんでええんか?」
「あの子ら、いま出ていったがな」
「なに?帰ったんか?」
 幸吉はズボンの埃を払い落した。やっぱり気になっている。久し振りに顔を見せた息子と、まだ何も話していないのに気づいた。このまま帰られては、いつまた話ができるかどうか。
「役場やがな。籍を入れるんやと」
「幸多は……?連れていきよったんか……?」
「当たり前やろ。プリプリ怒ってばかりのおじいちゃんとこに置いとけるかいな」
 和子はあからさまに皮肉を口にした。
「また帰って来よるんか?」
「そのつもりやろ。二、三日泊まるー言いよったさかい」
 和子は幸吉の反応を窺っている。
「身勝手なやつや。昔からそういう奴や」
 幸吉は顔をしかめて、強い語調で吐き出した。
「まだ、若いんやから゙」
 和子が慌てて息子を弁解する。
 幸吉は取り合わず、プイと外に出た。
「お父さん。幸央らが帰って来るまでに、機嫌あんじょう直しといてや。せっかく顔見せてくれたんやから、今夜は気張ってご馳走作るでな」
 和子は、いつになく高ぶっている。
「煙草切らしとうから、ちょっと買うて来るわ」
 幸吉は無愛想になるばかりだった。
 雨上がりの道は心地好かった。田んぼと畑ののど真ん中を走る農道を歩いた。うるさい車も余り通らなくて気分がよくなる。
 家から三百メートル程いった先に、村で唯一の雑貨店がある。食料品も少し置いてあり村では重宝にされている。店先には数台の自動販売機が並んでいる。
 幸吉は煙草の販売機の前に立ったところで、ふと気が付いた。販売機の前に置かれた簡易ベンチで、煙草を喫いながら赤ん坊をあやす若い母親がいる。彩絵だった。
「あ?」
 彩絵も直ぐに気付き、軽く頭を下げた。少し前から気づいていたに違いない。別に慌てる様子もなく落ち着いている。やはり可愛げがなさ過ぎる。
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