こころの文庫(つねじいさんのエッ!日記)

家族を愛してやまぬ平凡な「おじいちゃん」が味わう日々の幸せライフを綴ってみました。

なにこれ?

2017年05月27日 08時49分13秒 | Weblog
ちょっと厚めの封筒が届いた。
差出人はと……?
○○文学賞事務局……なんだなんだ?
急いで開封!
実は一挙に期待感が脳裏に。

開けてびっくり玉手箱というやつ。
期待ははずれ、
希望がちょっぴり。


「最終選考候補作品に選出されました」
賞に入ったわけではない。
よくよく読んでみると、
最終選考会は一か月後、
候補作品50編+シード10編の60作品の
一覧があった。
応募総数一般869編から残ったらしい。

しかし
こんな大げさな案内は初体験。
喜んでいいのかどうやら?

晴れある入賞は8編こっきりとか。
これで
ガックリ。
まず望みは絶たれた。
60分の8ですよ。
クジ運は自慢じゃないが、
人生通じて
最強最悪(意味不明だな?笑)
あたるためしがな~~い!

あたらなきゃ、
タダのひと。

うんうん、人生そんなもんだよなあ。
最後まで甘くないんだ……

さて気持ちを切り替えて
畑仕事します。

花と野菜、フクちゃんにマル君らだけが、
私の期待を
ほぼ
裏切らないでいてくれるもんなあ。(笑)

朝から、お騒がせしました。ハイ。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

ミニノベル・なすべきこと・終章

2017年05月27日 01時32分41秒 | Weblog
答えを出すのに三日かかった。杏子にもう迷いはなかった。

「あたしたちの赤ちゃんの専属保母になることに決めた。それがあたしの結論」

「そうか。そう決めたんやな、そう」

 志島は正直な男である。安堵感と喜びがみるみる顔に溢れでた。(あたしは間違わなかった!)杏子は確信した。志島と赤ちゃん、親子三人の生活に、自分の幸せがそこにあると。

「きょうちゃん、幸せになりや」

「え?」

「事情はよう分からんけど、きょうちゃんの顔見てたら、心配するだけ、こっちが損みる気がするもん」

 たぶん、キミは後輩が選んだものの正体に気づいているのだろう。杏子は面はゆい思いを、頬笑みに隠した。

「嘘までつくんやから、大事や。そら絶対幸せにならな帳尻あわへんで」

「ありがとう」

 言わずもがな、お礼が口をついて出た。してやったりと、キミは相好を崩した。

 杏子は連絡帳から目を外した。保育ルームはいつもの賑やかしさに包まれている。


「コウちゃん、なにしようかな」

 副担任の吉江由紀が耕太相手に苦戦している。いつものことだった。保育ルームには六名の自閉症児がいる。繊細な感覚を発揮する子供らの保育は、ひたすら神経戦でもある。

「由紀ちゃん、耕太も園庭に移動しようか」

「ああ、そうですね。コウちゃん、行くぞ」

 今日は雲ひとつない秋晴れだった。野外保育にはもってこいの条件が揃っている。耕太も半年近い通園を経て、周囲への拒絶姿勢もかなり薄めている。もっと耕太と近づこう。杏子は連絡帳を閉じて、保育ルームをを出た。

 園庭に、自閉症クラスの子どもたちが十二名、保母と遊んでいる。彼らひとりひとりは、杏子が受け持つ大切な子どもたちだった。

 五年前、保育の現場に復帰の杏子だった。わが子専属の保母をやり終えると、中途で終えざるを得なかった保母復帰を実行した。それも、より大変な障害児保育の現場を選んだ。虚言で安易な身の引き方をしてしまった、あの日の罪悪感がそうさせた。それに短大時代に履修した教育研修先で、丁寧な指導を受けた園長の影響もあった。卒業時の就職先は選ぶゆとりのない状況下で、わらをもつかむ思いで得たのである。現実に落胆を覚えた職場だった。その二の舞を演じたくはなかった。

「やりたいことをやれる時期が来たんや。やりがいのあるもんをやったりや」

 杏子が仕事の希望を伝えると、志島は意を得たりとばかりに賛成した。後顧の憂いなく仕事に打ち込める状況を手に入れたのだった。

「志島先生。耕太くんが先生を探していますよ。はよ来てやってくださいよ」

 由紀の呼びかけに杏子は覚醒した。悔いのない保育の現実は、手の届く目の前にあった。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする