こころの文庫(つねじいさんのエッ!日記)

家族を愛してやまぬ平凡な「おじいちゃん」が味わう日々の幸せライフを綴ってみました。

青春

2018年01月24日 01時45分20秒 | Weblog
いまはお酒をたしなまない。
もともと好きではなかったのだ。
しかし、
青春時代は違った。
仕事が終われば、
スナックや飲み屋へ、
足しげく通ったものだ。
調理師という仕事をしていると、
同僚や先輩は、
飲み助ばかり、
付き合いの誘いを
断る勇気のない
意気地なしの私、
結果、
毎日飲み歩く悪習慣に
陥ってしまったのだった。
八方美人になるのも、
いやはやしんどかったと、
いま思い返している。
そんな中で、
孤独な私を一発で見破った、
風変わりなママさん。
当時の私には
救いの神になってくれたっけ。
そう、あれは……

知人に連れて行かれた
スナックは
西郷隆盛そっくりの
大柄なママが
1人でやっていた。
「何を呑む?」
 実はそれほど
お酒は好きじゃない。
ただ一人でいるのが嫌だから
知人の誘いに乗ったのだ。
答えに窮する私に
ママは言った。
「あたしのおすすめは、
これ、ダルマさん。
私の体型そのままでしよ。
だからみんなにモテちゃうのよ。
あなたもトリコになるわよ」
 と意味深に出されたのが、
サントリーのオールド。
ボトルの形がまさしくダルマさん。
そしてママの体型そのもの。
ウィスキーは
ズブズブの素人で
無知な私.
オールドは強烈なイメージを
インプットされた。
それから通ったスナックで
ウィスキーはオールド一筋。
キープして
自分の名前をラベルに書き込んだのも
累計で百本近い。
高級ウィスキーは数々あれど、
オールド以外に
浮気をしたことがない。
といっても
あのダルマさんママに
惚れたわけじゃないから、
誤解しないでください。(笑)

落ち込むと必ず、
あのスナックへ足を向けた。
明け方まで、
悩みに付き添ってくれたママだった。
ジャズや映画通で、
演劇をやっていた私の
舞台を見て、
遠慮のない批評を言ってくれた。
妻と付き合い始めた時、
一緒にスナックを覗くと、
「いい相手見つけたね。
離しちゃいけないよ。
幸せをくれるあいてなんだから」
と一言。
嬉しかったなあ、あのとき。

もし健在だったら、
どんなばあさんに
変身してはるのかなあ。(シンミリ)




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