こころの文庫(つねじいさんのエッ!日記)

家族を愛してやまぬ平凡な「おじいちゃん」が味わう日々の幸せライフを綴ってみました。

ぼくの神様

2020年06月04日 02時04分38秒 | つぶやき
小学校に入った早々に、
未来への希望を閉ざされた私。
その後も
暗く寂しい学校生活を余儀なくされた。
自己主張するどころか、
先生や級友の目に留まらない
存在である続けた。
誰も、
そこにわたしという存在があることに
気付かないように思えた。
絶望感を過ぎると、
もう諦観に似た心境に陥ってしまった。
毎日の学校生活は、
いくら苦痛に思っても、
逃げる勇気などあるはずもない。
諦めるしかなかったのである。

捨てる神あれば拾う神あり。
そのまま何も変わらなければ、
多分私の人生は
無くなったに違いない。
しかし、
幼い小学生は救われた。
救ってくれたのは
先生でも級友でも親兄弟でもなかった。
人間ではなかった。
(あ?)
トイレに向かう廊下で、
それは目に飛び込んだ。
半分あけ放たれたドア越しに
見えたのは本だな。
ギッシリ詰まった本が
さ迷える幼子を誘った。
自分で行動を起こすなど、
自分でも信じられなかった。
図書室へ足を踏み入れた私。

この瞬間、
私の未来は、
また開くことになった。

どんな時でも、生きている限り、
何らかの出会いは避けらないものだ。
人でありモノであったとしても、
その後の自分に影響を与えるのを、
理解したのは
大人になってず~っと後である。
一期一会。
図書室との出会いは、
私を
鬱屈した世界から
引っ張り出してくれたのだった。

また昔々の思い出に浸ってしまう私。
深夜、
暑いので開け放した窓から
蛙の大合唱が飛び込んでくれる。
騒音同然に思った蛙の歌も、
連日聞かされて慣れてしまった。
それどころか、
耳にして快感に似たものを
感じてしまうこの頃である。
疲れを知らぬ蛙の歌に、
思わず頬笑んでしまう私に驚いた。
その歌が、
私の記憶をよみがえらせてくれるのだった。
コメント
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