朝食の後に薬を服用している。
いつもやっているように、
紅茶の残りで錠剤を飲んだ。
「あきれた!
薬は水で飲むものよ。
紅茶で飲むなんて
非常識なんだから、
あなたは」
口やかましい妻に
見つかってしまった。
いちいち薬を飲むのに
水を用意するのは面倒で、
そばにあるドリンクなら
何でも代用して済ませていた。
時には珈琲で流し込むなんてことも。
それを知ったら
「非常識!」ぐらいで済まない。
人間jじゃないといわれ兼ねない。
「おかあさん。
今は水で飲まなくてもいいんだから。
茶のタンニンの影響はないの」
娘がしゃしゃり出た。
「嘘や。
お茶で薬を飲むのはダメって、
昔から言われてるんだぞ」
なんと私が娘に反論した。
自分はお茶や珈琲などで
薬を飲んでいても、
それがいいと思ったことは
一度もない。
薬には水が常識だ。
娘はネットで検索して
見せてくれた。
水じゃなくても
薬に悪影響はないと。
それでも信じられない思いの
わが夫婦だった。
昔頭にインプットされた常識は、
そう簡単に削除できないようだ。
ちなみに子供のころ、
粉薬が大の苦手だった。
オブラートに包んで飲むのだが、
一枚では心もとなくて、
二枚も三枚も重ねたりしたものだ。
それがのどに張り付いて、
にっちもさっちもいかなくなったのを、
いまだに忘れない。
あれは苦しかったし、
オブラートが解けると、
今度が苦くてたまらなかった。
今も錠剤のほうがいいのだ。(笑)