難聴者の生活

難聴者の日々の生活から、人工内耳など難聴者のコミュニケーション、聴覚障害者の制度改革について語る。

「いつ起こるか分からない災害のために」NHK

2011年08月02日 09時12分24秒 | 東北地方太平洋沖地震
「いつ起こるか分からない災害のために」、高度な技術を持つ字幕制作者や技術者を確保しておくことはできないとNHKは言う。
しかし、疑問は募るばかりだ。
1.災害はいつ起こるか分からないので、NHKも臨時ニュース担当のアナウンサーとスタッフを確保している。放送用の回線も電源車も確保しているだろう。この中に字幕放送をする体制がどうして加えられないのか。

2。どのくらいのコストがかかるのか公開されたい。高いかどうかは視聴者が判断する。 コスト低減は当然のことだが国民の生命、安全に関わる情報提供は最優先の課題のはずだ。今でもやろうとすればできるのに新しい技術が開発されるまで国民を危険や不安にさらすことは許されない。

3。台風のように、被害が予想される場合でも、事前におおよその時間が分かっている場合でも、字幕放送は実施しないのはなぜか。
大相撲、紅白、五輪中継など事前に予定した生放送は実施しているのに。英国皇太子の結婚式まで生中継して字幕放送も行っていた。

ラビット 記

23:58、静岡県で震度5弱の地震。NHK字幕なし。

2011年08月02日 00時37分45秒 | 東北地方太平洋沖地震
静岡県伊豆半島西側が震源地、M6.1の地震。
NHKの臨時ニュースは、
「多少の潮位変化があるかも知れませんが津波による被害の心配はありません。」
と表示されている。信じられない。海で起きた地震なのに津波の被害がないとどうして分かるのか。
沿岸部ではとるものもとりあえず避難しなくて良いのか。

地震発生後15分経過したが、NHKの臨時ニュースは実施されておらず、地震の震度表示と「津波の被害はありません」のみしか分からない。

浜岡原発はは大丈夫か。

ラビット 記

難聴者と健聴者のコミュニケーションの違い

2011年08月01日 13時30分18秒 | 東北地方太平洋沖地震
健聴者のよく言うコミュニケーションとは「付き合い」のことが多い。
難聴者のコミュニケーションは「言葉そのものやりとり」を意味することが多い。

職場で上司が部下ともっとコミュニケーションを取るとために、「今度飯でも食いに行くか」と言ったりする。飲食をともにする中で(同じ場で)、仕事そのものに関わらない情報の獲得、言葉のやりとり、仕草や動作から何か共感(シンパシーの共通点)を見いだしたり、価値観の交換を行う。
これがコミュニケーションか?
相手との関わりを深めるということのようだ。

難聴者のコミュニケーションというのは「言葉そのもののやりとり」を指すことが多い理由は、聞こえるがなにを言っているのか分からないという感音性難聴の悩みを反映しているようだ。
また、音を快適に(普通に)聞き取れる閾値が狭いということもある。ちょっと大きいとうるさく感じてしまい、小さいと聞こえないのだ。
いつも言葉が聞き取れないというコミュニケーション不全状態が続いている。


ラビット  記

新潟県、福島県などの豪雨、18万人に避難命令

2011年07月30日 02時25分51秒 | 東北地方太平洋沖地震

深夜2時からのNHKの臨時ニュースには、字幕が付いていない。
次は2時半から。それまではL字型画面の情報提供。映像は雨の気象図のみ。

地デジになったのだからマルチ編成にしてもう片画面に文字情報や写真をページングして表示するなど使えばよい。

ラビット 記

被災地難聴者協会に対する支援は今

2011年07月29日 08時35分47秒 | 東北地方太平洋沖地震
岩手県、宮城県、福島県の難聴者協会の会員の置かれた状況はまちまちだがその求めているものは、生活再建の支援とそのために必要なコミュニケーションの保障と身近に相談に乗ってくれる人の存在ではないかと思う。

障害の有無に関わらず生活再建は必要だが、難聴であれば地域や職場でのコミュニケーションが不安になる。難聴であることで就労も困難なことも予想される。
聞こえなくても出来る災害支援ボランティアを求める声があるが難聴者の就労の限界を示すようにも見える。今必要なのは難聴者に対する理解を地域社会に広げることだろう。難聴者でも普通に生きる権利がある、働く権利があることを訴えるのだ。これこそ難聴者にしかできない災害支援ボランティアだ。

ラビット 記
※iphoneがつながらない。

「目で聴くテレビ」、台風6号の緊急放送実施。

2011年07月26日 08時29分54秒 | 東北地方太平洋沖地震
台風6号が四国に接近している時、統一機構は緊急放送を行った。
全日本ろうあ連盟関係者には放送開始前5分前に通報していたが、全難聴に連絡があったのは1時間半以上経って17:49。

ラビット 記
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2011年07月19日17時49分55秒
さんが送信したメールを転送します。
----Forwarded Message-----
----- 転送メッセージ ----------
From:
日付: 2011年7月19日15:55
件名: 台風6合の緊急放送
To:

16時より台風放送の緊急リアルタイム放送を実施します。
光警報と手話字幕付与です。インターネットにものせます、NHK画像は出ません。
1回目は5分間ですが、状況を見て随時放送します。

地デジはもっと災害時の情報を

2011年07月25日 04時34分18秒 | 東北地方太平洋沖地震
その後どうなったのか、今後どうなるのかの情報がほしい。
臨時ニュースを終わらせてサッカーに切り替えないで、地デジしかできない2画面放送にして、片画面に文字情報を表示すればいいのに、もう少しましな対応が出来ないのか。
何らかの対応は出来ないのか。地デジに変わった日だ。

ラビット 記

3:51震度5の地震が!宮城県亘理郡、石巻市など

2011年07月25日 04時12分46秒 | 東北地方太平洋沖地震


NHKの臨時ニュースには字幕がない。#nhk #jishin津波の心配はありませんと画面に出ているが、その前は沿岸部では注意してくださいと出ていた。

東京でも思わず立ち上がるほどだったが震度5ーではどうだったろう。

災害コンサルタントの話では最初の小さな揺れですぐドアを開けることを習慣づけるように言われたが、あ揺れていると思っただけで出来なかった。
訓練と思って思いっきりすぐ走ってドアを開けろと言われていた。たぶん大丈夫だろう、ここは大地震が起きるはずはないと思うのは人間の心理的行動。
確かに数秒後にゆらゆらと揺れたのでその数秒の行動がその後の生死を分ける。

ラビット 記

勤務先近くの緑の道

2011年07月24日 19時09分39秒 | 東北地方太平洋沖地震
来年の国際難聴者会議の報告の締め切りが迫っている。東日本大震災で被災した難聴者と復興の現状を報告するとともに、難聴者の置かれた社会環境がその被害を大きくし、復興を妨げていることを報告したい。

幾つかの特徴的な事実を挙げておきたい。
○難聴者協会の会員は岩手、宮城、福島、青森、茨城
など会員で亡くなった方はいない。

○難聴者の死亡者は複数いることは分かっている。
警察発表の死亡者の身につけていたものに補聴器が散見される。

○しかし、大多数の難聴者の安否確認は行われていない。身体障害者手帳を有する難聴者だけで1万人を越えない難聴者の安否確認、所在を行政すらしていない。

○協会の会員だけに限っても、沿岸部などは避難所生活を余儀なくされる会員も親戚、知人が亡くなったり、住居の浸水、流失などの被害を受けた人がほとんどだ。

○被災した難聴者はいつも集会所が流出し、要約筆記のOHPやスクリーンも磁気ループもなく、集うことすら出来ない。
家族の中でも地域の中でも会話が不十分な難聴者は、被災した経験や家族や仲間の安否についても話すことが出来ずに、胸の内にいろいろなものがたまったままだ。

○難聴者施策の貧困が復興を遅らせている。

○大震災後頻繁に起きた
地震発生時の臨時ニュースに字幕放送は付かなかった。


ラビット 記
※ちょっと早めに退社して駅まで来ると普段は閉まっている門が開いて道が出来ていた。

地震情報:23日13時34分ころ地震、宮城県沖(震源地)

2011年07月23日 13時56分12秒 | 東北地方太平洋沖地震
きょう23日13時34分ころ地震がありました。震源地は、宮城県沖(北緯38.9度、東経142.2度)で、震源の深さは約40km、地震の規模(マグニチュード)は6.5と推定されます。
[震度3以上が観測された地域]
震度5強 岩手県内陸南部
震度5弱 岩手県内陸北部
震度4 青森県三八上北 岩手県沿岸北部 岩手県沿岸南部
宮城県北部 宮城県中部
震度3 渡島地方東部 十勝地方中部 青森県津軽北部
青森県津軽南部 青森県下北 宮城県南部 秋田県沿岸北部
秋田県沿岸南部 秋田県内陸南部 山形県村山 福島県中通り
福島県浜通り

[震度3以上が観測された市町村]
震度5強 遠野市
震度5弱 滝沢村 花巻市
震度4 階上町 山田町 普代村 大船渡市 陸前高田市 釜石市
大槌町 盛岡市 一戸町 八幡平市 矢巾町 北上市 一関市
金ケ崎町 平泉町 藤沢町 奥州市 気仙沼市 涌谷町
栗原市 登米市 南三陸町 宮城美里町 大崎市 石巻市
塩竈市 松島町

この地震による津波の心配はありません。この地震について、緊急地震速報を発表しています。

最新情報はWEBで:
http://iss1.myrescue.net/shizuoka-fukushi/u/db/view/?num=1361706&key=3c9ab62a
情報提供はメールで:
ric-3-4@iss1.myrescue.net


震災発生時における字幕放送

2011年07月23日 09時39分38秒 | 東北地方太平洋沖地震
地震発生からCMもなしで地震と被災地のニュースが放送されていたが、連続25時間字幕放送をしていたのは日本テレビ、その翌日はフジテレビが引き継いだ形で24時間実施していた。
NHKは字幕が付いたり付かなかったりなので見なくなってしまった。
このことを総務省が評価しないのはおかしい。逆にNHKを最大限の努力をされたと誉めるのは何か関係があるのかと勘ぐりたくなる。

ラビット 記
2011年07月23日08時37分52秒
"Google アラート"が送信したメールを転送します。
----Forwarded Message
>=== ニュース - 「[字幕放送]」に関する 1 件の新しい検索結果 ===
Web制作者も知っておきたい地デジデータ放送の基本
ASCII.jp
デジタル放送では、放送電波を利用して映像・音声以外に電子番組ガイド(EPG)やデータ放送を同時に送れます。データ放送で配信できる情報には、字幕サービスや番組に ...
http://ascii.jp/elem/000/000/602/602509/

=== ウェブ - 「[字幕放送]」に関する 5 件の新しい検索結果 ===
震災後に字幕放送継続、ろうあ連盟が感謝状 | 日テレNEWS24
日本テレビが、東日本大震災直後から25時間連続で字幕放送をしたことに対し、全日本ろうあ連盟から感謝状が贈られた。同連盟・石野理事長は「テレビが唯一の情報を得る手段だった時に字幕放送が継続されたことで情報を得ることができた」と感謝の意を ...
http://www.news24.jp/articles/2011/07/22/07187096.html

震災後に字幕放送継続、ろうあ連盟が感謝状(日本テレビ系(NNN ...
日本テレビが、3月11日の東日本大震災の発生直後から25時間連続で字幕放送をし.
http://headlines.yahoo.co.jp/videonews/nnn?a=20110722-00000058-nnn-soci

8震災後に字幕放送継続、ろうあ連盟が感謝状 (日テレNEWS24)|ウーマン ...
日本テレビが、3月11日の東日本大震災の発生直後から258時間連続で字幕放送をしたことに対し、「全日本ろうあ連盟」から感謝状が贈られた。全日本ろうあ連盟・石野理事長は「テレビが唯一の情報を得る手段だった...
http://woman.excite.co.jp/News/society/20110722/Ntv_20110722058.html

字幕放送継続 - 日テレNEWS24 - 日本テレビのニュース専門チャンネル
震災後に字幕放送継続、ろうあ連盟が感謝状.
<Fri Jul 22 20:25:00 JST 2011 >.
日本テレビが、3月11日の東日本大震災の発生直後から25時間連続で字幕放送を ... 注目ワード:
全日本ろうあ連盟 字幕放送継続 石野理事長 ...
http://search.ntv.co.jp/news24/search/?category=news&page=1&sort=&keyword=%E5%AD%97%E5%B9%95%E6%94%BE%E9%80%81%E7%B6%99%E7%B6%9A

震災後に字幕放送継続、ろうあ連盟が感謝状 | 日テレ
震災後に字幕放送継続、ろうあ連盟が感謝状
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http://www.news24.jp/pictures/2011/07/22/20110722_0072_188x106.jpg



推進会議でコミュニケーション、言語、手話を議論

2011年07月21日 09時32分22秒 | 東北地方太平洋沖地震
昨年の推進会議で、障害者基本法の改正法の内容について議論してきた。
コミュニケーション、言語、手話など活発に議論されていた。

ラビット 記
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第21回推進会議議事録より。平成22年10月12日
http://www8.cao.go.jp/shougai/suishin/kaikaku/s_kaigi/k_21/gijiroku.html

斎藤企画官
「すべて障害者は、手話等の言語その他の障害の種類に応じた意思疎通の手段の確保の重要性にかんがみ、日常生活及び社会生活において、可能な限り容易にそれを使用することができるよう配慮されなければならないこと」の新設でございます。この部分に関しましては、手話等の言語、その他のコミュニケーション手段の規定を新設するという議論をずっとしていただいておりまして、そこに関しては、皆様異論がないところだと思っておりますけれども、特に手話というものを、明示的に言語として、ポジティブに規定をしていく必要性については、どのように説明をしていくのかというところで悩んでおるところでございます。

竹下委員。
3点目です。手話というものについて、これを明記することに反対はしません。ただ、手話ということを明記するのであれば、少なくとも現時点で、各障害者にとって典型的なコミュニケーション手段として、認識が共通になるものは列記すべきではないか。
例えば、点字やリライトの権利であったり、現時点で少なくとも、障害者にとってのコミュニケーション手段として、明確にされているものについて列記することでないと、この部分は若干不完全になると認識します。

新谷委員
言語とコミュニケーションについて、簡単に言いますと、権利条約は決して、手話は言語であるという書き方はしていません。言語には音声言語、手話その他の非音声言語を含むという書き方をしているわけです。こういう文章を書いたという意味を、もう一度ここできっちり踏まえてほしい。最も私たちに密接な言語というものは、音声言語です。音声を起点とする言語です。特に日本語です。これが私たちのメジャーな言語であって、それ以外のいろいろな言語の問題が出てきて、そこで大きな問題としては、手話という視覚言語の問題が出てきて、それが書き込まれている。これは権利条約の画期的なことなので、言語はこういうものだという文章に直してい
ただきたいと思います。

久松委員
今、権利条約の言語の定義の中に、音声言語、手話、非音声言語という言葉の整理がされているということですので、できるだけ権利条約の定義に沿った内容で表記するべきではないかと思います。
それと、誤解があるようですので申し上げたいんですが「双方向のコミュニケーション(意思疎通)」という言葉の使い方のときに、配慮しなければならないという言葉の使い方はなじまないと思います。なぜならば、配慮をするというのは、例えば福祉サービスを受ける客体としての立場になりますけれども「双方向のコミュニケーション」という場合、主体として位置づけられるという立場なわけですから、例えば聞こえる人も聞こえない人も、手話通訳を介してコミュニケーションをする。そのコミュニケーションを受けるというのは、聞こえない人だけではなく、聞こえる人も、手話のわからない聞こえる人もコミュニケーションの主体なわけですから、そ
の辺のところを間違わないように整理していく必要があると思います。

長瀬委員
最終的には非常に合意された点ですけれども、やはり言語としての手話というものと、点字という日本語の表記の1つの形、この2つのものは、根本的に違う役割があります。それぞれ非常に重要な役割があるけれども、根本的によって立つところが違うということがあると思いますので、この3の基本的理念のところで、言語というものとコミュニケーションというのを並べる形で扱うことは、誤解を招く心配があるのではないかと思います。
勿論、手話については、例えば私のように音声言語を使う者が主体となって、手話を話す人たち、そして手話を徹底的に抑圧してきたという過去を忘れることはできません。その意味で、この条約の中、そして、それに従う形での基本法の中で、手話が言語であるということを明記することは、絶対に必要だと思います。

これから自立支援センター祭り

2011年07月18日 10時50分01秒 | 東北地方太平洋沖地震

今日は。東京聴覚障害者自立支援センター祭り。
朝早くから会場に集まった要員の打ち合わせ。

○ワンコイン企画「東京大震災に備える」
山村武彦:防災システム研究所
人類が初めて経験する広域複合大災害
地震、津波、原子力、電力・ガソリン不足、風評被害

阪神淡路大震災の応答スペクトルが1秒以上だった。東日本大震災は1秒以下だったので家屋は壊れなかった。
亡くなった人の9割が水死。

聴覚障害者の困難
・自分の意志が伝えられない
・見て聴覚障害だと分からないので、知らせるものを非常袋に入れておく。

避難場所は環境が厳しいので、自宅が残った人は自宅で暮らした方が楽。そのための準備が必要。

福祉避難所の確保。
ペットの避難訓練も。犬は訓練できる。猫は訓練できないが自分で助かる。
・・・・・


ラビット 記

東日本大震災発生以降、日本社会全体に見られた「解離」 香山リカ

2011年07月14日 12時57分39秒 | 東北地方太平洋沖地震

昨夜協会のコミュニケーション対策部で「コミかるカフェ」で今の被災難聴者がどういう状況か、何を求めているのかについて報告した。

ラビット 記
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前回、東日本大震災発生以降、日本社会全体に見られた「解離」という心理現象について書いた。具体的な表出例としては、「原発事故報道を見たくない」という心理だ。

「それはそれ、これはこれ」と自分の精神の中にパーテーションを設けて、現実を見ないようにしたり、その場その場で態度を変えたりするのもその現れだ。
これはもともと、大きなダメージを受けたときに、心がそれ以上、崩壊するのを防ぐための救急措置である。いわゆる「尻尾を切って逃げるトカゲ」を思い浮かべてみるとわかりやすい。

先日も、「この人も解離か」と思わせる言動で話題になった政治家がいた。松本龍・前復興対策担当大臣である。
http://www.nikkeibp.co.jp/article/column/20110711/277241/

香山リカ:「原発事故報道を見たくない」人が激増! ――心の防衛機構「解離」が指導者層にまで浸透している現状は「きわめて危険」
2011/06/23
香山リカ(かやまりか) [BPnet]
政治の不全にも、指導者層の「解離」が影響しているのか
もしかすると、脱・原発の動きが加速するヨーロッパを横目で見ながらその動きがなかなか社会化していかない日本は、国全体で「解離」を起こしているのかもしれない。

そういえば、毎日、東電の「ふくいちライブカメラ」で福島第一原発のリアルタイム映像を一日中ウォッチしながら、「どうしてもこれが地続きの場所で起きているとは思えない。廃墟SFか何かのワンシーンにしか見えない」と診察室で語った、ひきこもり気味の青年がいた。

わずか4か月前には、菅総理も枝野官房長官も自分たちが原発事故について議論したり会見するとは、想像もしていなかっただろう。もしかするといまだに、ふとした瞬間に「え、これって現実? 夢か何かじゃないの?」とリアリティーを見失うことがあるのではないだろうか。
これらも、「解離」のひとつである。
もう少し敷衍すると、こんな時期に政局に明け暮れる国会自体、いちばん強い「解離」を起こしていると考えることも可能だ。

日本社会全体で起きている「解離」がどのように表出しているか、次回も考えてみたい。
http://www.nikkeibp.co.jp/article/column/20110621/275006/?P=5&ST=rebuild