老い生いの詩

老いを生きて往く。老いの行く先は哀しみであり、それは生きる物の運命である。蜉蝣の如く静に死を受け容れて行く。

274;空が青いから・・・・

2017-08-08 17:09:37 | 読む 聞く 見る
『空が青いから白をえらんだのです』 
奈良少年刑務所詩集 寮美千子編 新潮文庫

この文庫本のタイトルにもなっている1行の詩
空が青いから白をえらんだのです

ある少年が
亡き母の7回忌のとき
奈良少年刑務所で書いた

入院していたとき
おかあさんは少年に最期の言葉を贈った
「つらいことがあったら、空を見て、そこにわたしがいるから」

他の少年は「空を見たら、ぼくもおかあさんに会えるような気がしました」
と言った子は、そのままおいおいおと泣きだしました

『空が青いから白をえらんだのです』(14頁~15頁)

詩の言葉は 大きな力を持つ
心のうちを言葉に綴る
詩の言葉に心を傾け
あなたに寄りそう

しみじみと考えさせられた奈良少年刑務所詩集



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273;気怠さからの解放

2017-08-08 11:40:59 | 老いびとの聲
気怠さからの解放 

夏の蒸し暑さで
気怠さを感じるのか
それとも
怠惰のトンネルから
脱出できずにいるから
心が
気怠いのであろうか


逃がした魚は大きく
もう手にすることはなかった

老いの途に踏み込むいま
老い樂の詩でも綴るとしようか
体力は落ちても
気力まで落ちてはならない
無心な気持ちになり
犬と戯れ
心癒し
気怠さから解放される
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272;人間の息づかい

2017-08-08 08:24:54 | 老いの光影
阿武隈川上流

人間の息づかい 

夏は晴れなくとも
蒸し暑く気怠さを感じる
喉が渇くと
気が滅入ってしまう
喉が渇いても
水を飲むこともわからずにいる
認知症を抱えた老人
だれも冷たい麦茶を淹れてくれる人はなく
居間にじっとしている一人暮らし老人

家族から気にされなくなると
食べることにも事欠く
食の飢えは
愛情の飢えでもあるのか
夏の空腹は
気怠さを覚え生きる気力させ失せてしまう

民家を借りた
小さなデイサービスは
愛情に飢えた老人にとり
オアシスのような居場所
乾いた喉を潤し
飢えた腹を満たす
忘れかけた言葉を取り戻し
人間の息づかいを感じる





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271;時 間

2017-08-08 05:48:34 | 老いびとの聲
時 間

時間は無限
自分にとっての時間
砂時計のように有限である
人間は死に向かって時間を刻む
時間は止まってはくれない
時間は待ってはくれない
時間は非情であり
死とは関係なく
時間だけが存在する
  
           
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