老い生いの詩

老いを生きて往く。老いの行く先は哀しみであり、それは生きる物の運命である。蜉蝣の如く静に死を受け容れて行く。

339;濡れ落葉 

2017-08-26 10:48:06 | 老いの光影
濡れ落葉

亭主(夫)は定年を迎え
自宅に居るようになり
妻が出かけるたびごとに
夫は「どこへ行く」「どこへでかける」「お昼はどうする?」と声をかけてくる
妻は素っ気なく「テーブルの上にカップラーメン置いてあるから、それ食べて~」と答えながら出かけていく。

評論家の樋口恵子は
定年になった男が家に居ると
このような夫は「濡れ落葉」と言われてしまう。
何故「濡れ落葉」と酷評されるのか
その理由(わけ)は
落葉も舗装道路も雨で濡れると
落葉は道路にべったりと張り付き
風が吹いても剥がれないほどである
家に居る夫は妻から離れず
濡れ落葉のようである。


定年になったとはいえ
夫のことを「濡れ落葉」とは表現されたくない
雨に濡れた落葉は素敵だが・・・・

338;終わりのない始まり

2017-08-26 10:37:50 | 老いびとの聲
朝の陽光に輝く阿武隈川の水面

遥かなる小宇宙への旅
時空間は自分の意識や力がおよばないところに在り、無限の拡がりを感じさせる。
宇宙は、銀河系だけでも無限なる世界であり憧憬(あこがれ、どうけい)を抱く。
銀河系の遥か彼方に未知の星雲が渦巻き存在している。
宇宙は無限なる可能性と冒険、浪漫に満ち溢れている。
銀河鉄道に乗り遥かなる宇宙を旅してみたい。
夢の中でもよいから・・・・。
                                         

人間の内面においても無限の可能性を秘め、
遥かなる小宇宙への旅でもある。

人間の内なる世界は、誰人も抑制することや蹂躙(じゅうりん)することのできない聖地の空間に在る。

人間の内なる精神(心)は、ときには揺れ動き、暗闇のなかに閉ざされ、
孤独、嫉妬、羨望、不安、苦悩、挫折、諦念などの感情は、
心の襞(ひだ)に澱(よど)み織りなす。
葛藤、ストレスの感情は、ときには精神に変調をもたらし、
躁鬱(そううつ)やパニックなどの症状に罹(かか)ってしまうこともある。
深海、深淵の世界は暗い闇となり心は沈み、
水平線から太陽は昇り始め、
暁光(ぎょうこう)のとき、心は満ち溢れ躍動的になる。

337;一枚の名刺から

2017-08-26 04:13:50 | 老いの光影
一枚の名刺から 

予期もせぬところから黒のガラ携帯にかかってきた
千葉県のS総合病院の医療相談室からであった
「星さんですか、突然の電話で恐縮ですが、芦野清一さん(66歳)をご存知ですか」
「2年前まで私が担当していた芦野ふみえさん(認知症を抱え独り暮らしをされていた)の長男さんです」
「実は救急車で当病院に搬送され、入院となりました
身内の方と連絡がつかず困っています。本人さんの持ち物から星さんの名刺が出てきたので、お電話をかけた次第です」
「本人は携帯電話も所持されていなく、自宅の電話も止まっている状態です。いま意識はないが、回復し会話ができるようになるのでは・・・・」
「三男の浩二さんの携帯電話を知っています。私からもご本人に病院から電話があったことを伝えておきます」

当時清一さんは千葉県習志野市のマンションで独り住まいであった。
2年前までは、月1回、泊りがけで栃木県の県北まで軽自動車で
独り暮らしの母の様子を見に訪れていた。
2年前に飲酒運転で自爆事故を起こし
購入したばかりの軽自動車は破損し、免許も停止処分を受けた
罰金と車の修理で思いがけない出費に頭を抱え
それが引き金となり母親の家に来ることもなく
音信が途絶えていた。

今回の入院騒ぎで再び兄弟と連絡がとれることになった。
5年ほど前に彼に渡したケアマネジャーの名刺が
思いがけないところで役に立つとは・・・・。
彼の回復を祈るばかりである


336;上手な介護サービスの活用処方 第6話「認定調査の項目」 ④

2017-08-26 03:21:41 | 上手な介護サービスの活用処方
上手な介護サービスの活用処方 第6話「認定調査の項目」 ④ 

1-10 洗身(介助の方法)
1.介助されていない 
2.一部介助
3.全介助
4.行っていない

認定調査でいう「洗身」とは、浴室内(洗い場や浴槽内)で、スポンジや手ぬぐい等に石鹸やボディシャンプー等をつけて全身を洗うことをいう

1.「洗身」の介助が行われていない(自分で「洗身」ができる)
浴室内の住宅改修や福祉用具(洗身ブラシなど)の利用により、自力で介助なしで「洗身」を行っている

2.介護者が石鹸等をつけて、体の一部を洗うなどの場合をいう(背中を洗うなどの介助が多い)。見守り等が行われている場合も含む
3.「洗身」の全ての介助が行われている場合をいう
本人に手の届くところを「洗身」してもらった後、きれいに洗えていないので、介護者がすべてを「洗身」しなおしている場合は、「3.全介助」を選択する

4.日常的に「洗身」を行っていない、つまりお風呂に入っていない場合をいう
清拭(体を拭く)のみ行われている場合は、本人また介護者が行っていても「全介助」を選択る
重度の認知症があり、、少し腕をタオルでなでる程度で、洗う意欲がなく介護者が全身を洗い直しているときは「全介助」を選択する



1-11 つめ切り(介助の方法)
1.介助されていない 
2.一部介助
3.全介助
つめ切りを準備する、切ったつめを捨てるなどの行為も含む

1.自分でつめ切ができる
2.つめ切りの準備から、切ったつめを捨てるまでの行為までにおいて、部分的に介助が行われている場合をいう
つめ切に見守りや確認が行われている場合を含む
左右どちら片方の手のつめのみ切れる,手のつめは切れるが足のつめはできない

3.つめ切りの準備から、切ったつめを捨てるまでの行為までにおいてすべて介助が行われている
介護者が、本人が行ったつめ切りをすべてやり直す場合も含む



1-12 視力(能力)
1.普通(日常生活に支障がない)
2.約1m離れた視力確認表の図が見える
3.目の前に置いた視力確認表の図が見える
4.ほとんど見えない
5.見えているのが判断不能

視力確認表
(実物大)


1.新聞、雑誌などの字が見え、日常生活に支障がない程度の視力
2.新聞、雑誌などの字は見えないが、約1m離れた視力確認表の図が見える
3.約1m離れた視力確認表の図は見えないが、目の前に置けば見える
4.目の前に置いた視力確認表の図が見えない
5.認知症等で意思疎通ができず、見えているかどうか判断できない


1-13 聴力(能力)
1.普通
2.普通の声がやっと聴きとれる
3.かなり大きな声ならば何とか聞き取れる
4.ほとんど聞こえない
5.聞こえているのか判断不能

聞こえるかどうかの能力である
補聴器を使用している場合は、補聴器を使用した状態で調査を行う


1.日常生活における会話において支障がなく、普通に聞き取れる
2.普通の声で話すと聞き取りにくく、聞き間違えたりする
3.耳元で大きな声で話したり大きな物音を立てる、あるいは、かなり大きな声や音でないと聞こえない場合をいう
4.ほとんど聞こえない
5.認知症等で意思疎通ができず、聞こえているのか判断できない場合をいう

第1群 身体機能・居起動作 の調査項目は終わり(13項目)
次回からは生活機能(12項目)を3回(予定)に分けて 紹介します


その後の掲載予定
第3群 認知機能(9項目)を2回(予定)に分けて紹介
第4群 精神・行動障害(15項目)を5回(予定)に分けて紹介
第5群 社会生活への適応(6項目)を1回に分けて紹介
その他 過去14日間に受けた特別な医療について