老い生いの詩

老いを生きて往く。老いの行く先は哀しみであり、それは生きる物の運命である。蜉蝣の如く静に死を受け容れて行く。

342;あなたにとり老後の不安は・・・・

2017-08-27 16:17:42 | 老いびとの聲
あなたにとり老後の不安は・・・・

ある83歳になった一人暮らしの老人(男性)の呟き

いま一番の不安は、お金がないことだ。
お金を借りても入るお金がないので借りることもできない

彼は週3回の人工透析をしていて
過去に左右大腿骨骨折があり
転倒のリスクを抱えトイレまで歩き用足しをしている
台所に立つこともままならず
毎日朝夕ヘルパーが食事作りに入っている
透析を終えて14時頃帰宅することから
昼食と夕食の間が短く
余り食べれない
痩せ肋骨が露わになり数えることができる


これからの日本
高齢者が増え
90歳を超えることも
めずらしくなく
定年後30年の時代となる
そうなると
年金受給年齢開始70歳から、と囁きかれる

(高齢者が増えることにより、マイナスのイメージで主張されても困るー政治家や厚生労働省)

私も今年から年金受給者となるが
いままでの消費生活を維持できる額にはほど遠く
切り詰め(清貧)の生活となる
慢性腎不全、骨粗鬆症、腎性高血圧症、高脂血症の病い
プラス自己診断による物忘れ症があり
医療費は欠かせない


いつもの如く
話がまとまっていないけれど
ここで唐突に憲法第25条が思い浮かんだ
すべて国民は、健康で文化的な最低限度の生活を営む権利を有する
生存権を規定しているけれど
「健康」は心身まで含まれた健康を意味し
「文化的な生活」とは、いったいどんな生活を指すのか
そして一番重要な「最低限度の生活」とは、生活保護受給者よりもいくらか上の生活状態を指すのか
「最低限度の生活」という文言だけに捉われてしまうと、本来の憲法第25条の精神がずれてしまう
大事なのは「健康で文化的な」という言葉が入った「最低限度の生活」になっているかどうか。
そう考えると、どのくらい高齢者が、
「健康で文化的な最低限度の生活」を過ごされているか気になるところである
これは
人それぞれ幸福観や価値観があり
健康で文化的な最低限度の生活とは、こうだ、と決めつけることは難しい
しかし、それでも
大切なのはひとり一人の生存権が守られているのかどうか
自分や自分の身の回りの人を通し、見つめ直していかねば
気がつかないうちに税金は
思いがけないことに無駄使いされている

お金のある人は(お金のある政治家も含めて)
お金のない人をどう思っているのだろうか
お金のない人は
お金のある人をどう思っているのだろうか


私の場合、「健康で文化的な最低限度の生活」で暮らしているとは言い難い。

老後の不安は
個人の力だけでは
不安を小さくすることはできない
冒頭の一人暮らしの老人(83歳、男性)の不安は
金の心配もあるが
他者との心の繋がりを求めていることも確かなのかもしれない

341;昭和2年生まれの女性

2017-08-27 12:00:57 | 老いの光影
昭和2年生まれの女性 

昭和2年生まれの女性は、誕生日を迎えると
ちょうど90歳の大台に乗り
私のなかでは「生き仏」の存在になる
「生き仏」に向かい合掌し
長寿を祈らせて頂く

いまは亡き母も生きていれば90歳
昭和2年生れの女性の介護相談に出会うと
いつも母を思い出す
老人保健施設入所中
早期発見早期対応が遅れ
急性肺炎であの世に逝ってしまった
82歳だった
早すぎた死であった
死に際の看取りはできたのが
せめてものの救いであった
リウマチと認知症を患い
生きている間
優しく接してやれなかったのか、と
悔やんでも
母親はもういない
他の要介護老人とは違い
(自分の)母親は
下手な介護に終わってしまった
太宰治ではないが「人間失格」の自分であると
いまも・・・・・。

いま昭和2年生まれの彼女 小鷹智恵さんに出会った
今年の夏 食欲不振から脱水症となり
8月14日救急車で搬送され入院
4日後には退院となり自宅に帰った
起き上がり、坐位、立ち上がり、立位の動作は全介助となった
要支援2の状態ではなく
8月21日要介護認定の区分変更を申請
(いまの状態では要介護4~5の認定かなと予想している)
60歳後半の長男夫婦が介護者
声掛けにより智恵さんはベッド上
自力で臀部を上げることができることから
歩けると期待している


340;絡(から)みつき纏(まと)わりつく嫌な奴

2017-08-27 00:54:11 | 老いの光影
絡(から)みつき纏(まと)わりつく嫌な奴

5時には自宅の玄関を
一人息子と朝の散歩
晩夏とはいえ初秋の気配
爽やかな風が体を通り抜け
いい気分でいたところへ
蜘蛛が張りめぐらした銀の糸に
うっかりかかってしまった
ほっぺ 眼尻から耳まで
銀の糸が絡みつきべたつき
すぐにはとれず悪戦苦闘

そうこうしているうち
今度は耳元にブ~ンと
蚊の鳴く声が聞こえ
顔や首の周りに纏わりつく
私の傍を離れず40分ほどつき纏(まと)う
snoopyが描かれた帽子で蚊を追い払うが
蚊もめげずについて来る

蚊は纏わりつかなくてもよいから
貧血金欠バケツの私には
絡み纏わりついて欲しいのは福沢諭吉さんです

昨日人工透析をされている一人暮らしの爺さんを訪問した
何が不安か、と尋ねたら
彼は「お金がないことが不安」
「一人暮らしであり、何かあったとき頼りになるのがお金」
「お金が解決すれば、不安の半分は解消される」と