老い生いの詩

老いを生きて往く。老いの行く先は哀しみであり、それは生きる物の運命である。蜉蝣の如く静に死を受け容れて行く。

1145;我が暮らし楽にならず

2019-06-06 20:28:36 | 阿呆者
さくらさくらデイサービスセンターの庭

我が暮らし楽にならず 

石川啄木
働けど働けど猶わが生活(暮らし)楽にならざりぢっと手を見る

石川啄木に怒られてしまうかもしれないが、チョッと言葉を入れ換えてみた
働けど働けど我が暮らし楽にならずぢっと鏡で我が顔を見る

介護すれど介護すれど我が生活楽にならずぢっと腰を伸ばす


老人は呟く
昔と違い
いまは新幹線や飛行機、そして自動車
誰もが乗れる時代になり
遠いところへでも ひょいと行けるようになった

便利になった世の中だが
何だか棲み難い世の中になった

金が無くても健康保険証があれば
金は自由に借りられ欲しい物は買える
昔は財布に金が無ければ買わなかった
米味噌醤油が先で 無ければ両隣りから借りたものだ

昔は貧しくても心にゆとりがあった
今は物に囲まれ豊に見えるけども 
金に追われ心にゆとりが無くなってきた

だから働けど働けど暮らし楽にならずじっと請求書を見て溜息をつく







1144;家に帰りたい

2019-06-06 05:20:26 | 老いの光影 第5章
家に帰りたい

 昨日の夕方は
東で39.3℃の高熱のため救急搬送します
西からは、急に「今日退院しました」と
電話が入り東奔西走の病院訪問と在宅訪問。

南野爺さんは私より5才年上で71才
市営住宅3階に住む
糖尿病がありバルーンカテーテルにより排尿
水分不足がちで尿路感染の心配もあった

救急隊は3階から降ろし
南陸奥総合病院救急外来受診
自分も駆けつけた(何もできないのだが)
医師からは尿管に石が詰まり 尿が流れなくなり細菌が溜まり熱がでた
その他に肺炎もある、と説明を受け入院となった

同居している妻と長女に
明日14時病室に伺いますと、話をし


 同病院に入院している2人の婆さんの病室を訪れた。
今年で90才になる中田ミドリさん
脱水症で入院
4人病室、廊下側のベッドで療養されていた

息子との二人暮らし
息子が持ってきてくれた犬のぬいぐるみを抱え寝ていた
「家に帰りたい」とぽつりと話す
「家に帰ったら訪問するからね」と約束する

床頭台の上にはデジタル時計が置いてあった。
病人にとり時計の存在はもの凄く大きい。
時計がない、と今何時だかわからず
不安な時空間に放置された心境になってしまう。


救急口から病院を出て
西に向かった。


 西は外れに棲む 末期癌の白坂婆さん(85才)は
上の虫歯から顔全体に菌が回り腫れあがり2週間ほど入院していた。
訪問看護師とデイサービスの管理者にも電話を入れ
一緒に在宅訪問した。

認知症バリバリの婆さんで
どうして認知症が進んだのかは後日記すとして
残りの命は後3ヵ月と宣告されている。

明後日からの介護サービスの利用を調整。


家に着いたのは19時過ぎ
beagle元気君は一人留守番
夕方雷が鳴り トレーに大失禁
雷が恐い