老い生いの詩

老いを生きて往く。老いの行く先は哀しみであり、それは生きる物の運命である。蜉蝣の如く静に死を受け容れて行く。

1148;心の原風景

2019-06-08 16:57:46 | 阿呆者
いま自分が棲んでいる辺境の地 阿武隈川が心の原風景

心の原風景

老いて来ると
何故か生れ故郷の原風景が浮かぶ
何故故郷に帰らなかったのか

故郷を棄てた自分
故郷は自分を棄ててはいなかった
離農したことで
自分には帰る青いトタン屋根の家は
いまもう無い

ニセコ連峰と羊蹄山の風景は
いまもなお残像として映る

親父の50回忌ということで
6月14日 生まれ故郷に帰る
43才の短命で親父は逝った。
自分は18才であった

親父の老いた顔は知らない
親父と酒を酌み交わすこともなかった

今度故郷に帰ったときは
原風景を撮ろう、と思っている

故郷の風、匂い、音を心に感じ
故郷の原風景を
老い往く日々のなかで・・・・






1147;支援とは・・・・(1)

2019-06-08 04:29:24 | 老いびとの聲
車で、お出かけが大好きなbeagle元気;キャンバスの車内風景

支援とは・・・・(1)

さまざまな人間が生きており
人それぞれの人生模様がある。

地域包括支援センターから
「他の男性ケアマネジャーから拒否された厚井善雄(62才)さんの担当をお願いしたい」と依頼があった。
元暴力団、生活保護受給者、ひとり暮らし、両股関節変形症による第2号被保険者(要介護2)
断る理由も無いので、担当をさせて頂くことになった。

担当して3年近くになるが、
真面目に生きてきた老夫婦の年金暮らしの現実を思うと
支援とは何かを考えさせられる。

両股関節変形症を患い歩くのもやっとの状態になり
大都会から田舎に住む兄夫婦(実家)のところへ転がりこみ同居となる。
母親が認知症になり要介護認定を受けたことをきっかけに
兄は疎ましく思っていた克男を家から出し
県の最南端にある村に移り済み、生活保護受給者となった。

買い物、掃除、ゴミ出しの生活援助、手すり(福祉用具貸与)、リハビリ型のデイサービス(半日で食事、入浴のサービスなし)、通院等乗降介助のサービスを利用。

煙草、焼酎(大五郎30度)はいまも喫煙飲酒し夜型の生活。
毎日昼近くに起きだし、深夜2時頃まで起き、二日酔いもある。
18才のときに大麻使用で特別少年院入院を皮切りに、「刑務所は5回服役、前科10犯」と自慢げに語ってくれた彼。
「横浜刑務所のカレーが一番美味かった」

某系組に所属していた、とヘルパーやデイサービス職員等に得意げに話す彼に
私は「元暴力団に属していても、こうして自由に歩くこともままままならぬ躰になったら、兄貴分も弟分も寄って来やしない」
「だから大きな声で、他者に話すことは止めた方がいい。みんな怖がっているし、誤解され損するのは自分だよ」と話す。
「そういうふうに言われたのは初めて、声が大きいのは地声だから仕方がない」と言いながらも、癖で大きな声は治らない。

月1回の買い物と過剰な通院による外出以外はアパートで過ごしているので、時間をもてあまし気味。
これからの人生、どう生きてゆくのだろうか、と自分がふと思ってしまうが、まだ彼にそのことを尋ねたことはない。

獲物を狙うかのように他者のミスや失言をじっと伺っているふしがある。
彼の口癖、大きな声で怒鳴るセリフ
「俺の言うことが間違っているか」「筋を通せ」「上(上司、責任者、代表)を出せ」

外来受診や入院中のとき、大きな声で騒いだので、地元の大きな2つの病院から外来、入院の診察拒否の宣告を受けた

昨日、二日酔いの状態で腹痛を訴え、救急車を呼ぶ
2時間もかかりようやく隣県の20キロさきの病院に搬送され入院となった。

続く