酔い日は佳い日

日々の食卓、晩酌事情。by こたりん

あたりめをカリカリに。

2011-12-11 | こしらえた話。
居酒屋の隠れメニューなどでたまに見かけるおつまみ。

アタリメの天ぷらを拵えてみた。



本来なら、固く乾燥したものを酒・砂糖・しょう油などで柔らかくしてから、細く切るのだが、自分はもともと味のついた「さきいか」を使う。
細く裂いた身を一本ずつ衣をつけ揚げるという、けっこう地味な作業だが、その分のご褒美は大きい。
衣がからっとなったら出来上がり。サクサクとして、とても美味しい。なんとも素敵なオトナのおやつである。

あたりめとは、言わずと知れたスルメのこと。
陰陽説の根付いた日本では、陰、すなわちマイナスを意味する言葉を嫌う習慣があり、スルメの「する」は賭け事で負けを意味する言葉なので、「する目」を転じて「当たり目」としたものだ。
スルメって結納の席では寿留女と書くお目出度い食品でもあるのに、それを否定したギャンブラー的思考のパワーはスゴイ。

ほか、マイナスな言葉に変化を加えたものとしては、腐るという文字を嫌って、豆腐を豆富を書いたり、店を「焼く」ことを恐れて、壁に貼る札の「焼き鳥」を「やきとり」にしたり。ちょっと意味はずれるが、暖簾を裏返しにするのは、客が返るようにというメッセージだったり、中国料理の店が「福」の文字を逆さにして縁起を担いだのにあやかったという説もある。
いずれにしても、長年にわたって伝えられてきた飲食店文化?のちょっとした所作は、健気で面白い。

ということで、自分も逆に考えることにする。

太るから食べるのを控えるのではなく、太った体がダイエットで痩せる達成感を味わうために食べる。

ただの屁理屈。

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