HIBARIピアノ教室レッスン日記♪

ピアノのレッスン日記、その他ヒバリ先生が見聞きした音楽関係・芸術関係etcの日記。

カノン-指使いは大事-

2009年09月01日 | 音符・楽譜・テクニック
Mちゃん(小5):
「パッヘルベルのカノン」、先週は右手と左手を合わせるのが難しくて、一度タイミングをとりそこなうと なかなかペースを取り戻すのが大変でした。
今日はどうでしょう。

左手は単純な、二分音符の通奏低音。簡単なはずなのに、複雑な右手と一緒に弾くと、つい右手に引きずられて 音を見失ってしまいます。
「左手だけ、先に覚えてごらんよ」先生は言いました。
「ドーソーラーミー、ファードーファーソー。これの繰り返しって、わかってるよね?」
「うん、わかってるんだけど、右手といっしょだとめちゃくちゃになっちゃう・・・」
「気をしっかり持って。負けないようにがんばるんだよ。あと、左手の指番号を、しっかり確実に。適当にやってると、迷子になっちゃうよ」
Mちゃんは、左手の音の流れと指番号とを連携させて、「よし、覚えた!」と しっかり頭に(手に)入れました。
そうして、両手で弾いてみると、不思議なことに 難しくて弾きにくいかなあ、と思っていた右手のバリエーションも、左手に合わせてスラスラと出てくるではありませんか。

もともと、Mちゃんは右手のバリエーションは 楽譜を見ないで口ずさむことができるほどに覚えていたのでした。
それなのに、ちょっとした左手の指使いがあいまいだったため、右手もすんなりと流れなくなっていたのでした。
でも、もうだいじょうぶだね。
来週は きれいに仕上げをして聞かせてもらう約束をしました。

指使いは、とても大事。
ちょっと考えると、とくに単純な音づかいだったりしたときに、「どの指でもいいや。どれでも弾けるし」などと思って 指使いをおろそかにしていると、大きくつまづいたり能率が悪くなったりします。
みんなも、うんとベテランになれば、必ずしも本に書いてある指使いじゃなくても 自分のための、自分に合った指使いを考えて弾くこともできるようになるでしょう。
だけど、学習中の今は、本に書かれている指使いが、たぶん、みなさんに一番使いやすい、ムダのない指使いであるはずです。
なので、よく楽譜の指使いを見て、きちんと守って弾けるように努力しましょう。

小さな世界

2009年09月01日 | レッスン日記(小中高生)
M3ちゃん(小5):
7月末にあった発表会のあと、おばあちゃんちに行ってたり、そのうちピアノ教室の方が夏休みになったりと、顔を見ないことが続きました。
学校の二学期が始まった今日、久しぶりに元気なM3ちゃんがやってきました。

いつも一緒に来る 仲良しのMちゃんに笑われながら「クリスマス曲集」を出し、宿題だった「小さな世界」に コードで伴奏をつけて弾きます。
夏休みは いろんなところへ出かけたりしていたらしいのに、ちゃんとよく練習できて、左手のコードでジャン、ジャン、と 自分で考えたリズムを刻んで伴奏しています。
「よくできてるね。これでもいいんだけど、せっかく上手にできてるから、ちょっとニュアンスつけてみよう」
先生は、途中のコードをもう少し複雑にして、F→Fmにちょっと寄り道するコードを挿入しました。
「それから、前半は 伴奏のリズムをもう少し軽快な感じで、ブンチャ、ブンチャ、って形で弾いてみよう。そうして、Bメロのところに来たら、伴奏をブンチャッチャッチャ、に変化させて。」
これで、ずいぶん明るく元気な曲になってきました。さらに、
「あと、ツナギだね。AメロからBメロに入るところが、なんか間が抜けて手持ちぶさたな感じがしない? ここのところは、ヒマな左手で『ぼん、ぼん、ぼん(ソ、ラ、シ、)』ってバスを入れようよ。そうして、いよいよ曲の最後のところは 両手ともジャーン・・・って押さえる。」
こうしてアレンジを整えた「小さな世界」を、はじめから弾いてみてもらうと・・・
「なんか、ほんとの本に書いてある曲みたいによくなった!♪」というのがM3ちゃん本人の感想です。
ほんとだ。この本に書いてある伴奏より、今M3ちゃんが弾いたのの方がずっとすてきだよ。

M3ちゃんは、その後「バーナム」も弾きましたが、発表会以前とは別人のように堂々としたピアニストになっていて驚きです。
譜読みも早く正確、タッチも力強く自信にあふれた弾き方です。
これこそが、M3ちゃん本来の姿だと 私は思います。
以前は、なにか彼女の持てる力と レッスンでの力が不釣り合いな、ぎこちないものを感じていました。
今ようやく、M3ちゃんの豊かな音楽性と実力が 殻を破って表に現れてきたような喜びを感じます。

波乗りジョニー

2009年09月01日 | レッスン日記(小中高生)
・・・って、別にサザンの「波乗りジョニー」という曲を弾いているわけではありません。
Tくん(小4)、夏休み明けに会ってみたら、バカにバージョンアップしてて・・・と、先週書きましたが、まるでその日記を読んだかのように(?)今日もますます絶好調なのでした。
波に乗ってるので「波乗りジョニー」と 仮に呼んでおこう。(^_-)~☆

つつっとレッスン室に入り、ピアノの前に座っていきなり「はじめてのブルース」を弾き始める。
「えっ、楽譜いらないの?!」とオーバーに驚く先生。
「いらない!」と さりげに答えるTくん。
その通り、もう完全に覚えてるので、先生はエレクトーンで、ブルージ~なリズムとバッキングをつけます。大人っぽく、粘っこくね♪
「ブルース」がソク○になり、次の課題は「ト長調の音階」と「Gのコード」へと進みます。
使ってるのが大人のテキストなので、「Gの曲につけるコードは、Gは基本形、Cは第2展開形、DとD7は第1展開形で弾きます」などと説明書きがあります。
理論派のTくんなので、敢えてこれを読ませ、自分でコードの形を見つけてもらいました。それから実際の曲に、Gキーのコードをいろいろ使って弾くところまで進み、来週は応用曲に伴奏をつけて弾いてくるところまでいきました。

ここで先生は、テキストのページをめくってみます。
「ねえ、見て。来週、Gの曲がおわったら、次はもうF、ヘ長調だよ。あら、Fの3曲がおわったら、この本終わりじゃない!・・・そういえば・・・お誕生日って、いつだっけ?」
「9月25日」
「そうだったね。ほら、このカレンダーに書いてある。ねえ、去年みたいに、『お誕生日までにこの本終わらせる』っていうのはどう?」
これをきいて、Tくんは「えっ」と言いながらも、顔はほころんできました。
先生は たたみかけるように言います。
「去年は挫折したけどさ、あの時は『8歳のうちに40曲ぐらいおわらせる』だったんだもんね。今年は、『9歳のうちにおわらせる』だけど、たった3曲だもん、できるんじゃない?」
「うん、できると思う」
よーし、このチャンスに、ジョニー君にがんばってもらいましょう。

そのあと、ピンクの「バーナム」を弾いてみたら、こちらの本もあと2曲で終われることが判明。
「これも終わらせようよ! お誕生日来たら10歳でしょ。年齢2けたになるんだもん、やれるって!」 
「うん、やれると思う」T君は頼もしく答えます。そして気がつきました。
「えっ、もしこの本終わったら、T抜かすってこと?」「そうだね」
そうです。ピアノは、妹のTちゃんに1年1ヶ月遅れて入門したので、今まではTちゃんが“先輩”だったのです。
ところが、今日“先輩”Tちゃんはお腹の調子が悪く欠席。
「やったー、Tの休んでる間に抜かしたぞ!\(^O^)/」
「じゃ、Tくん、来週まってるからね。がんばってきてね」
「はーい (^O^)/ 」

しめしめ。
波乗りジョニー君の、来週の出来映えが楽しみです。♪