HIBARIピアノ教室レッスン日記♪

ピアノのレッスン日記、その他ヒバリ先生が見聞きした音楽関係・芸術関係etcの日記。

演奏は 楽譜を置かずに♪

2009年09月30日 | 音楽のツボ
Nさん(大人):
十月末の発表会で弾く、ショパンの「ワルツホ短調」が、いよいよ大詰めの総仕上げにかかってきました。

もう、楽譜は全然見ずに弾けているんですが、譜面台に やっぱり楽譜は立てておきたい・・・というNさんです。
「見ないんですけど、ここにあると安心するんです。時々、危ないところはパッと見たり」
わかりますよー。 みなさんそうですからね。
でも、試しに・・・楽譜を置かないで弾いてみましょう。

目の前に楽譜があると、どうしてもピアノの音が「楽譜を読んでる音」になってしまうのは、本当に不思議です。

みなさんは、学芸会で、劇に出たことがありますか?
劇の練習のことを 思い出してみてください。
まだセリフが完全に覚えられていなくて、台本を見ながらやると、その声は「朗読声」になってしまいますよね。
また、読まなくても 台本を手に持って演じると、「台本に媚びている声」になってしまっています。ほんとだよ。
ところが、台本を持たずに演じると、セリフが、あたかも自分の心から本当に発せられたかのような自然な声になって出てきます。ねっ、そうじゃありませんか?

ピアノも同じ。
楽譜があると、どうしても「間違えないように!」と、楽譜様の顔色をうかがいながら弾いている、卑屈(ひくつ)な自分になってしまう。
いさぎよく、楽譜を置かずに弾くと、そのとたん 音に翼が生えたかのように伸び伸びとした音色に変わる。
それに、楽譜なしの方が、不思議に自分の耳に音もよく聞こえてくるし、指などに注意を払うこともできるし、ずっと弾きやすい。
うそだと思ったら、みんなもやってみてごらんなさい。

発表会などのとき、先生が「なるべく楽譜置かないで弾きましょう」というのは、そのためです。
なにも、かっこつけて「暗譜で弾きましょう」というわけじゃないのです。
楽譜なしの方が、ずーっと楽で、すてきに弾けるからなんですよ。

みんなも うそかほんとか、ぜひ ためしてみてね。

家路 ~ひとりで合唱?!~

2009年09月30日 | レッスン日記(小中高生)
Y子ちゃん(小4):
連休前に「トルコ行進曲(ベートーヴェン)」が ほとんど仕上がりになっていたので、
「これを完成させて、それから、お休みの間余裕があるだろうから、なにか簡単で短い曲・・・そうだ、『家路(ドヴォルザーク)』をやってきてごらん」というのが宿題でした。

リズミカルな「トルコ行進曲」は すぐに合格となり、さて、「家路」です。
「右手はやってみたけど・・・」
と言うY子ちゃんなのですが、簡単と思って宿題にした「家路」、思ったより弾きにくく、難しい宿題であったことがわかりました。

理由は、今までの曲は、たとえテンポが速くても、音符が細かくても、和音が複雑でも、とにかく右手は右手、旋律はひとつだけだったのに対し、この「家路」は、ごくシンプルなメロディーがゆるやかに流れるだけなのにもかかわらず、「二声部」でできているため どこがどうつながるのか、読み取りにくかったようなのです。
つまりは、右手だけでソプラノとアルトの 二つの声部を弾く、ということなのでした。
そこで、先生は、どのパートがどうつながっていくか、ということがよくわかるように 色鉛筆でルートをずっとつなぎました。
「ね? これがソプラノ。そしてこれがアルト。左右の手でひとつずつパートを弾けばわかりやすいけど、この曲は、右手だけで二つのパートを両方、ひかなきゃいけないんだよ」
「うぇ~(@o@)」Y子ちゃんはビックリしています。
「実をいうと、この右手で弾くのは、女の人の声の役わり。左手は、男の人の二つのパート・・・・テノールとバスを弾かなきゃいけないんだよ。」
「へぇ~」
「これは、昔の教会の音楽のスタイルなのよね。女の人が2パート、男の人が2パート、合計4パート。だから最低でも、4人の人が同時に歌うわけだね。ってことは、Y子ちゃん一人で、4人分の役をやるわけよ」
「\(@o@)/うわ~」
Y子ちゃん、たまげたかな (^_^;
でも、こうやって ごく簡単な曲から多声部の曲を体験していって・・・
いずれは、音楽の父バッハなど、クラシック音楽の大御所の「多声部・ポリフォニー音楽」などを弾くようになっていくんだよ・・・

白鳥の湖・完成近し

2009年09月30日 | レッスン日記(小中高生)
Hさん(大人):
先月から「白鳥の湖・情景」をレッスンしています。
泣く子も黙る 恐ろしい「二拍三連」を、いとも易々と弾きこなしてしまった「二拍三連名人」のHさん。
連休明けの今日、この オーケストラを元にした"濃い"曲を、なんと最後まで予習してありました。
左手は広い範囲のアルペジオ、右手はほとんど 最初から最後まで、オクターブか、もしくはそれにハーモニーの音を加えた 厚い和音の連続です。

「一箇所、どうしても右手のオクターブ和音が弾けないところがあります」とのこと。さもありなん。
これだけ厚い音なんですから、弾ききれない部分もきっとあったことでしょう。
「弾けないところは、音を減らすとか違う音に変えるとか、なにか手段を考えましょう」と言って、できないという部分を弾いてもらったら。
なんとその和音は、Hさんが、まん中の構成音をひとつ、間違えて弾いていたのでした。
正しい音に直したら、
「これだったら弾けます!弾けます!」とのことで、無事 全曲、楽譜通りに弾けることが判明したのでした。\(^O^)/

ピアノを始めたころは 指がまだ開かなくて、シンプルなオクターブでさえも届かなかったのに、今では こんな入り組んだ和音入りのオクターブも、しっかりつかむことができるようになったなんて。
Hさん、本当に手や指が柔軟になりましたね!

「白鳥の湖」、早くも完成にむかっています。