HIBARIピアノ教室レッスン日記♪

ピアノのレッスン日記、その他ヒバリ先生が見聞きした音楽関係・芸術関係etcの日記。

「やさしい花」はやさしくない!

2010年11月30日 | ブルクミュラー
Mちゃん(小6)
ブルクミュラーの「狩」が先週終了し、今週からは新しい曲「やさしい花」に入りました。
とは言ったものの、弾き始めたMちゃんは 思いがけずこみ入った音使いに四苦八苦の様子です。
今までの曲は すぐにすんなりと弾けていたのに、この「やさしい花」はなかなか強固な門構えを持っていて、おいそれとは曲の中へ招じ入れてはくれないのでした。
相当長い時間をかけて ようやく前半を弾き終えたMちゃんは、大きく息をつきました。
「ふうー 難しいね~
「ほんとだねえ。なんで難しいんだろう?」と問いかけてみます。
「だって、伴奏にもいろんな音があって、どこにいくのかなかなかわかんないんだもん」
「そうだね。今までの曲は、コードがすぐわかって、パターンもあったけど、この曲は、左手もメロディーになってるよね?コードでまとめることができないね」
「そう!右手も左手も、両方わかってないと弾けないから、音を探してたらすごい時間がかかっちゃう」
そこで先生は言いました。
「そうなのよ。これは合唱と同じように、二つのパートと考えるの。右手がソプラノ。左手がアルト。合唱なら、ソプラノならソプラノ、アルトならアルトと 自分のパートだけ歌えばいいけど、この曲では一人で両方を弾くわけよ」
「なるほど!」
ずーっと合唱をやっているMちゃんは、「声部」ということが即座に理解できたようです。
「じゃ、右手と左手、両方よく覚えてから弾かなきゃね」
と、さっそく元気に取り組み始めるMちゃんでした。
多くの子どもたちが「難しいからイヤだ」と手こずる「やさしい花」ですが、少しもイヤだとは言わず自然体で取り組んでいるMちゃんには感心しました。

一緒に、右手・左手それぞれのメロディーを2小節ぐらいずつ弾き、流れを覚えてから、両手合わせて弾いてみます。
Mちゃんが弾くのを見ると、音を一つ一つ拾うことをせず、1フレーズの中に入っている音を全部 大きなポジションとして捉(とら)え、一息でスッ!と弾いていたので、「ホホゥ。こんな弾き方が身についていたか」と嬉しく思いました。
新曲であっても、フレーズを捉えるというのは上出来だし、フレーズ単位で弾いた音は、大変なめらかで美しい旋律となります。
こういう奏法が自然にできるようになってたなんて、長年やってただけのことはあるんだな

ただ、感覚がいいだけに もっと練習量があってくれればな、と思います。
「バーナム」などは、簡単だからって「弾けた」で満足せず、毎日毎日、さらに速く、さらに正確に、と くり返しくり返しトレーニングするものなんだよ、と、今日Mちゃんには話しました。
よいセンスを持っているので、それを表現できるだけの高いテクニックを身につけてくれればなー、と先生は思います。。。

クラシック名曲集

2010年11月30日 | レッスン日記(小中高生)
M3ちゃん(小6):
今日は、クラシック曲集から「ボレロ」を完成させました。
大変複雑なリズム割りだと思うけど、M3ちゃんの演奏は堂々とした響きになって 練習の成果が現れていました。
独特の 三連符連続のリズムも、先週よりずっと上手に正確に弾けるようになっています。
残念だったのは、終わり近くで右手がどんどん低い音に移っていき、ヘ音記号の音域に入って その記号で記譜されている部分を見逃し、ぜんぶト音記号読みで弾いてしまっていたこと
「ここ、ヘ音記号だよ。どんどん音が下がってるんだよ。ト音記号読みで読んじゃったね」
「あーっ、失敗・・・そういえば、先週も言われたんだった。すっかり忘れてた
「落ち着いて、ゆっくり読んでごらんよ」
こうして、ヘ音記号で記譜されている 1段分ほどの右手パートを、2回ほど弾いてメロディーを確認したあと、「わかった?」と聞くと、「うん、わかった」とM3ちゃんはうなずきました。
その前後を両手で弾いてみると、大変読みにくいヘ音記号の楽譜であるにもかかわらず、速やかに正しいフレーズを弾きこなしたのは立派でした
最後に、フィナーレの和音の爆発をかっこよく弾けるまで練習し、いよいよ通し演奏!
OK、堂々たる「ボレロ」が弾けました。

「次はどの曲弾く?」
「どれがいいかな・・・いいのがいっぱいあったんだ・・・」
M3ちゃんは、分厚い「クラシック名曲集」をパラパラとめくって、どれを弾こうかと迷っています。
もらった曲集を何度も見て、楽しんでいる証拠です。
「『眠れる森の美女』のワルツもよかったし、『アベ・マリア』もよかった・・・」
「『アベ・マリア』ってシューベルトの『ア~~~ベ、マリ~~~~ア~~~』ってやつ?」
「うん、多分」
「じゃ、それにする?クリスマスだから」
先生が「アベ・マリア」のページを見てみると、それはシューベルトではなく、グノーの「アベ・マリア」でした。
「M3ちゃん、これ、違う『アベ・マリア』だよ。こういう曲」
先生がグノーのアベ・マリアのメロディーを歌ってきかせると、M3ちゃんは
「それでいい。その曲も知ってる。YOUTUBEで、いつも聴いてるもん」と言うのです。
小学生なのに、自分の好きな音楽を自ら YOUTUBEで検索して聴いているとは。
M3ちゃんって、本当にかなり音楽人レベル高いんだ
「クラシック名曲集」をあげてから、ますます音楽を楽しんでいる様子のM3ちゃん。
この曲集をあげて、よかったな~ と思います。

目より耳を

2010年11月30日 | 音楽のツボ
Tくん(小5):
自分が好きで気に入っている「ひまわり」。
前回、A-A’-B-A’と ひととおり1コーラスを弾き、続く「C」に当たる部分にコードネームを書き込んであげて、「続きもやれたらやってきて」と言っておいたのでしたが。
今日、Cの部分には手をつけてありませんでした。
「先に進まなかったんだ?」ときくと、Tくんはがぜん多弁になり、
「あのねー、次の所もやろうかとは思ったんだけどね、この、前のところ(B)がちょっとね、あのー、まだね」
「スラスラじゃなかった?」
「そう。だからね、こっちの方に力を入れた方がいいと思って、そっちを中心にやってたからね、それだからね」
「続きには 至らなかった?」
「そう。Bの所で、右手と左手のリズムの合わせ方が、ちょっと難しかった」
なるほどね。
確かに、今日のTくんの演奏で、Aの部分に比べてBには いまいち感があった。
「Cに回る余裕がなかった」というのも本当でしょう。それが「Bに集中していたため」というのは いささか疑問ですが。
けれど、Bの部分のリズムがわかりにくい、というのは確かにそうなんだと思います。
また、彼には詳しい楽譜を渡しているわけではなく、コードネームと 先生の弾く「模範奏」しか示していないので、その材料だけで、細かく揺れる16ビートのキザミを正確に弾いていくのは けっこう難しいのかもしれない・・・
そう思ったので、今日はBの部分の中から、特にわかりにくいフレーズを取りだし、左手のリズムと合わせて うまく乗って弾けるように 部分練習をしました。
「これで、Bのところ大丈夫になった?」
「うん、今度は大丈夫だと思う」
Tくん、頼りになるのは耳とリズム感だけだと思うけど、君には こういう弾き方のセンスを身につけてもらいたいと思ってるから、悪いけどこれだけの材料で、なんとかがんばってほしいです。

生徒たちに「正確に譜面を読めるようになってほしい」と言ったり、正確な譜面を与えないで「感覚で弾いてほしい」と言ったり、発言の矛盾する先生ですが、そのどちらも大切であり、どちらにも非常な音楽性が潜んでいます。
Tくんの場合、今はポップスの曲を練習しているので、敢えて詳しい楽譜を与えずに 耳を中心に曲をとらえる練習をしています。
こういう曲は、目(楽譜)を頼らず 耳(音やノリ)の感覚を信じることが 絶対必要だから。

初見奏が上達したね

2010年11月30日 | レッスン日記(小中高生)
Tちゃん(小3):
「魔女の宅急便メドレー」第1曲の「木漏れ日の路地」は かなり流暢(りゅうちょう)に弾けるようになり、続く2曲目「風の丘」も歌の部分は大体弾けています。
今日は、歌の後に挿入されている クラシカルなバリエーションの部分にとりかかってみました。
楽譜を見ながら、右手のメロディーの音をとってみて、Tちゃんは「あ、順番に、音がさがってるんだ・・・」と気が付きました。
そうそう。バリエーションには、こういった「パターン」によってモザイクのように音の模様が構成されているスタイルのものがたくさんあります。
それを見つけられたら、弾くのも簡単。
「よくわかったね。右手の弾き方はもう大丈夫みたいだね。じゃ、今度は左手をやってみる?」と先生が言うと、Tちゃんは
「一緒にできると思う」と、すぐに両手で弾き始めました。
この頃、Tちゃんはこうやって、初見で両手を弾くことが普通になってきました。
大変実力がついてきていると嬉しく思います。