Tくん(小2):
いつもレッスン室に入ると、出席シールを貼ったり教室の珍しいものを見つけて「これ何?」と探索したりと まったりしてしまうTくんですが、今日はけっこう敏速に楽譜ファイルを出し、譜面台に広げました。
「えっとね、このページこのページ。『猫の手』を借りないとね」
教室で「楽譜押さえ」に使っている、猫のクリップを自分で取って、1匹、2匹、3匹と、楽譜が閉じてしまわないよう重しを付け、
「このページはいいんだ。ここさえあれば」と、渡しておいた「紅蓮華」の楽譜の2ページ目を広げました。
「えっ、前のページは見なくていいの?!」
「そうだよ。ここから見ればいい」
ああ、ついに! Tくんが1ページ分マスターしてきたとは!
「じゃ弾こうね。せーの!」
先生は内心小躍りしながら、Tくんの右手に伴奏を合わせ始めました。もちろん歌も歌いながら。
♪ つよく~ なれる~ 理由を知った
ぼくを~ つれて~ すすめ~~~
「泥だらけの・・・アレ?弾かないの?」
「だって宿題は『ここまで』じゃん」
Tくんは落ち着いて言いました。
そうか。1ページ目が全部弾けてると思ったのは早計であった。
確かに1ページ目は見なくて弾けるけど、それは最初の2段だけだった・・・
「そうだったね・・・じゃ、ここは先生だけで弾くよ」
続きは先生一人でガンガン熱演し、パッとページをめくって2ページ目。
「ふるえる手は~ つかみたいものがある~・・・ほら、次だよ!」
Tくん登場。
「♪それーだけさ!」←(ここは弾ける)
その続きは、また先生一人で1ページ熱演。
そして3ページ目に来た!
♪変わっていけるのは~ 自分自身だけ~ はいっ、次!」
Tくん登場。
「♪それーだけさ!」
やったー。ここで最初にもどるよ。
♪つよく~ なれる~ 以下同様。
やったー。出番全部クリアできた。
今日は、もう少し弾けるところを増やそう、ってことで、サビの部分を少しレッスンしました。
「♪ど~したって!」と、それ以降のサビ、そして「♪ありがとう!」は欠かせない。
「よしっ、これだけ、弾くところ増えたからね。練習してきてね。」
「うん!」
こうして、ゆるやかに「紅蓮華」のレッスンは進んでいくのでした。
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