HIBARIピアノ教室レッスン日記♪

ピアノのレッスン日記、その他ヒバリ先生が見聞きした音楽関係・芸術関係etcの日記。

クラリネットをこわしちゃった-バスの動き-

2009年09月15日 | レッスン日記(小中高生)
Mちゃん(小5):
「パッヘルベルのカノン」を美しく完成した、その次の課題は「クラリネットをこわしちゃった」です。
なんで? 大人の本なのに。
なんで? 優雅なクラシック曲の次がこの曲?

なーんて言いっこナシ。この順で曲が並んでるんだからしょうがない。
っていうか、「右手16分音符連続」課題の次は「バスの動き」学習、という順になってるらしい。

課題はA・B2種類の伴奏で編曲されています。
まずAは、右手のメロディーに対して左手は ド、ソ、ド、ソ・・・と バスのみの伴奏になっています。
そしてBは、そのバスにリズムパートが加わった ド・ソ、ソ・ソ、ド・ソ、ソ・ソ・・・という伴奏形になっているのです。
この順で練習すると、左手の伴奏は決して ドソソソドソソソ、という音型ではなく バスとリズム、2つのパートで成り立ってるのだ、ということがよく理解できる仕組みになっています。

Mちゃんはカンがいいし、こういった曲のスタイルも得意なので 直ちに左手のパターンを飲み込んで 軽快に演奏できました。よしっ。
来週は祝日でお休みなので、その次の「四季より・秋」も宿題ということにしました。

お誕生日までに

2009年09月15日 | レッスン日記(小中高生)
Tくん(小4):
来週末に訪れる、10歳のお誕生日までに、今やっている「大人のピアノ教本1」とピンクのバーナムを終わらせる、というミッションを与えられていました。

そもそもこのミッションは「波乗りジョニー」と呼ばれて 波に乗りまくっていた先々週に発令されたものだったのですが。
なんと 大きな期待をされていた先週、ジョニー君は撃沈であったのでした。
レッスン日に自宅のカギを忘れて家に入れず、友達の家へいってそのついでに、レッスンのこともすっかり忘れて遊びほうけてしまい、夕方になってからレッスンに来たものの、ミッションは少しも実行されていなかったことが明るみになりました。
そして今日。再度発令されたミッションを引っ提げて登場したジョニー君でしたが、練習が足りません。
課題は持ち越しになりました。
しかしお誕生日まであと10日とはいえ、来週のレッスン日は5連休にかかっているため 休講です。
お誕生日前にミッション遂行できないじゃないか?!

しょうがない。
「お誕生日前」というのは 少しゆるめて、「9月いっぱい」ということに期限を延長しよう。
来週のレッスンがないんだもん、その分伸ばしてあげるよ。

さあ、再来週、ジョニーは再び水面に浮上できるでしょうか?!

8分の6拍子

2009年09月15日 | レッスン日記(小中高生)
Tちゃん(小2):
先週から、8分の6拍子の「ゆかいなゆめ」という曲に入っています。
これまではずっと、4分音符を基準の拍・・・「1拍」として拍子をとってきたのですが、8分の6拍子では、その主役であった4分音符が降板、代わって 今まで「半拍」として脇役であった8分音符が「1拍」となり、主役の座に着くことになります。
しかも、1小節中の拍が ただ6個並ぶだけでなく、1・2・3、4・5・6、と、3拍ずつ前半と後半で数える「2拍子系」のリズムなので、8分の6を習うというのは、これまで「常識」であったことを全部覆すほどの大事件(?)なのです。

まずは8分音符が半、じゃなく1、だということをわかってもらわなければなりません。
「あのね、今までは4分音符を1と数えていたけど、この曲は8分音符が1なの」
と、先生は丸いリンゴと 半分に切ったリンゴを描きます。
「たとえば4分の4拍子は、一つずつリンゴが乗ったお皿が、1小節の中に4皿あるってことだったよね」
「うん、そうだね」
「だけど、今度はお皿が小さいの。(と、半分の大きさのお皿に 半分に切ったリンゴが乗った絵を描く)。
「123、456、ね。6個。で、4分音符は、今までは大きいお皿だから、1皿だったけど、今はお皿が小さいから・・・リンゴ1個分食べようと思ったら、何皿いる?」
「うーん、2皿だね」(子どもはみんな、『にさら』と発音するのが面白い)
「そうなの。だから、8分の6拍子では、4分音符は『2』って数えるんだよ」
Tちゃんはうなずきます。
「8分の6ってことは、この小さいお皿が、1小節の中に6個あるってこと。」
先生は、小さいお皿に乗った 半切りのリンゴを6個描きます。
「どの小節にも、6皿分のリンゴがあるよ。数えてみよう」
先生とTちゃんは、一緒に数えてみます。
「タン、タ、タン、タ、だったら、ほら、6個分あったね。」
「ほんとだ!6個だ」
「次はどうかな。タタタ、タアン、だったら、やっぱり6個だ」
「ほんとだ。ここも6個だ」
「じゃ次は?タアン、タン、ウン(休符)。リンゴ5個しかない!」
「そうだね・・・5個しかない・・・」
「これはね、最後の『ウン』が休符だから、ここは リンゴが乗ってなくて、お皿だけがあるってことだ。だから、お皿はやっぱり、ここも6個」
「ああ、そうか~。でも、空っぽじゃないほうが、ほんとはいいけどね」

Tちゃん、「8分の6」の数字面は、なんとか納得してくれた模様。
空っぽのお皿に関しては、いまいちびみょーな反応でしたが・・・

補助ペダル

2009年09月08日 | 音符・楽譜・テクニック
ピアノは 手で鍵盤を弾くのはもちろんですが、足のペダルを使うことも とても大切な「演奏」のうちの一つです。
音をつなげたり、ソフトなふんわりとした効果を出したり、またオーケストラのトゥッティ(全員で音を一斉に出す)のような大迫力を出したりするのに、ペダルはかかせません。
生徒のみなさんにも できるだけ早いうちからペダルになじんでもらいたいと思いますが、椅子に座ると足がブラブラしてペダルに届かなかったり、逆にペダルに届かせようとして椅子をどんどん下げると、肝心の鍵盤がはるか上の方になっちゃったり・・・ という 小さい人のために、「補助ペダル」があります。

市販の「補助ペダル」として売られているのは、30センチ立方ぐらいの「箱」の上面にペダルがついていて、本来のピアノのペダルにかぶせて使うものです。
けっこう踏むのに力がいるし、幼稚園生や小学校低学年の子どもたちには、使いづらいものです。
おまけに高い!
高さが高すぎる。そんな高い「踏み台」に足を乗せたら、演奏の姿勢が狂ってしまいます。もひとつおまけに、値段も高い!(数万円もする)
ほんの10センチかそこら、高さがあれば事足りるのにさ・・・
そこでヒバリ教室では、補助ペダルがわりにこの厚底サンダルを使っています。(2年くらい前、近所のスーパーOZEKIの店頭ワゴンでみつけてきた)

底の厚みが6~7センチあるので、これを履いて足を「上げ底」にしてペダルを踏もう、という作戦です。
「バーナム」やテキストなどで、ペダルはよく使うので、みんなレッスンに来たら、まずこのサンダルを履いてからピアノの前に座るのです。

さて、今日Mちゃん(小5)は「パッヘルベルのカノン」の仕上げです。
ペダルも全曲通して使います。
いつも通りにサンダルを履こうとするMちゃんに、先生は言いました。
「Mちゃん・・・もうサンダル履かなくていいよ」
もうスクスクと背が伸びたMちゃんは、こんな「上げ底」使わなくたって、じゅうぶん、やっていける。
みんながペダルに足がとどくようにと先生が探して、見つけてきたこのサンダルを、2年間 毎週毎週、あたりまえのように みんなが履いてた。
ほんとは、Mちゃんにはいつの間にか必要なくなってたのにね。
先生からの"Mちゃんサンダルお別れ宣言"でした。

「そうか。確かに」Mちゃんは納得しました。
「あたし、背伸びたもんね~」と嬉しそうに言っています。ほんとにずいぶん伸びました。
「150センチになるのが夢なんだ!」
その"夢"はすぐ叶うよ・・・っていうか、もう叶ってるんじゃないの?と 秘かに思った先生であった・・・



たなばたさま-星の曲と星の王子さま-

2009年09月08日 | ジャズ曲・洋楽・ポピュラー曲
Tちゃん(小2):
先週は腹痛でお休みでした。
今日は元気にやってきて、ホッと一安心。
連弾「たなばたさま」の1stパートが、先週仕上がるかと思っていたのに1週延びてしまいましたが、今日はちゃんと自分で譜めくりもしながら、最後まで弾いてありました。
ただ、ト長調なのにファの音にシャープをつけるのを忘れて、ヘンな音になってるところがいくつかありました。

「この曲は、ほら、シャープが1個ついてるよ。何の音についてるのかな?」
「え~と・・・ファだ」
「そうだね。じゃ、うっかりしないように、ファの音に全部、赤で印をつけてよ」
Tちゃんは赤エンピツを握って、楽譜をずーっと見ていきます。
左手は、ほとんど同じ音型の繰り返しなので、ファは当分出てきません。
「ここもだいじょぶ。ここもだいじょぶ。」
先生と二人で声を揃え、「♪だいじょぶだいじょぶ~、だいじょぶだいじょぶ~」と小島よしお風に歌いながらチェックを終えました (^○^)
一旦チェックしたら、Tちゃんはもう二度と♯を落とすことはなく、指番号もきっちり守って、小気味よいほどの正確さで1stパートを弾くことができました。
「これならだいじょぶだ!じゃ、先生が2ndパートを弾くから、二人で連弾ね」
連弾するとき、1stパートの人は両手とも1オクターブ高く弾くこと、と本に指示があるので、Tちゃんは少し右にずれました。
「ペダル踏んだ方がきれいだよね。Tちゃん、左足でペダル踏んでくれる?もしイヤなら先生が踏むけど。だってホントは、ペダルは右足なんだからさ」
「うーん、がんばって踏んでみる」
Tちゃんが二人の代表でペダルを踏み、メロディーに続いて高い音でキラキラしたアルペジオを弾き、先生は 前半は和音での伴奏、後半はメロディーという構成です。
二人で弾くと、本当に美しい銀河の光が目に浮かぶような演奏になりました。
「きれいにできたねえ~♪」先生はうっとり。
「うん。でもさ、短冊が、赤とオレンジだけじゃさびしいね」
なんだ、もう挿絵に気持ちが飛んでたのか。
Tちゃんは、テキストに描かれた七夕飾りの笹の絵に、短冊が2枚しか描かれてないよ、というのです (^□^)
「ほんとだねえ・・・」
なるほど、大人には「すっきりシンプル」と見える絵であっても、子どものTちゃんには「もっとにぎやかならいいのに」と感じられるのでしょう。
そうなんだね。だって七夕なんだから、みんなの願い事をいっぱい吊さなきゃいけないよね。
「じゃ、あとでTちゃんが、ここにもっとたくさん短冊描けばいいじゃない?いろんな色の」
「水色とか黄色とか?」
「そう。水色とか黄色とか。願い事も書いて」
それで、Tちゃんは満足したようにニッコリしました。
まるで、もう 色とりどりの、何百枚という短冊が目の前に見えているかのように。
どの短冊にも、一枚一枚、みんなの夢や願い事が書かれているのです。
なんという素晴らしい眺めでしょうね。

今、ここまで書いて、私は「なんか、こういうシーンをどこかで見たような・・・」と思いました。そして思い出しました。
それは、サン・テグジュペリの童話「星の王子さま」の中の1シーン。
飛行機の操縦士と王子さまが、砂漠で初めて出会ったときに、王子さまは「ヒツジの絵をかいて」と頼むのです。
どんな絵を描いても満足しなかった王子さまが、最後に操縦士がヤケクソで「この中にヒツジがいるよ」と描いた ただの箱の絵を見て、「うん、こんなヒツジがほしかったんだ。あれ、もう寝ちゃったよ、このヒツジ」と満足する、あのシーンです。
実際に見えないものを見る力や、目にみえないものを信じる力。
それは、子どもならごく自然に持っている力です。
大人のあなたも、そんな幼い日の"心の目"を、もう一度思い出してみてごらんなさい。
世の中は、美しく楽しいもので満ちていることが実感できるはず。

月の光-イメージを音に-

2009年09月06日 | クラシック曲
Cさん(大人):
今年の年明けとともに始めたピアノ、そして「月の光」。

美しくロマンチックなこの曲ですが、聴くと弾くとでは大違い・・・
譜読み、リズムに始まり 声部のことも音色のことも、久々の「ピアノアゲイン」のCさんにとって 本当に苦労の連続だったことと思います。

「こんな音がほしいんだけどな~♪」という「先生」の説明も、毎回 あちらこちらへ飛んで(翔んで?)しまうんですが、それもこれも、なんとかドビュッシーの感じを伝えたいと思っての全力での「通訳」なので、許していただきましょう。

「雲間から一筋、月の光がスッと見えてくるみたいな」と言ってみたり
「サナギから、まだ濡れたように縮んだ羽根の蝶が徐々に羽化していく感じ」と言ってみたり、蝶なのかと思えば
「海の波がザブーンとよせて、ちっちゃくザブーン と返す」とか
「海の底では、小さい魚たちの群れがキラキラしながら泳いでる」とか、いつの間にか海になって。
そして今日などは、
「空中に足を上げて、星を登っていくの。ひとつひとつ、星から星に足をかけて、とうとう天空の月までのぼりつめて」となってしまったです。。。
そんな世界があるのか?と言われそうだけど、これは「音楽が描いてる風景」を演出しているのではなく、あくまでも「音」そのもののイメージだから。
音の色彩感とか、輝き感とか、空気の動き感とか(そんな『感』があるのか?)純粋に「音」そのものへのイメージと思ってくださいね。

音楽も映像も、みな「美の魂」が昇華したものでしょう。
あるジャンルのもの・・・たとえば光、などを 他のジャンルのもの・・・この場合は音楽ですね。そういったもので表現しようとするとき、そしてそれを、レッスンとして人に伝えようとするとき、そこにもう一段階の「通訳」みたいな仲介が必要になってくる。
それが「レッスンするための言葉」なんだけど。
抽象を他の抽象で表すために、そしてその心を伝えるために、いろんな言葉を使ってみるわけなんですよね・・・たぶんね・・・

音楽、絵画、文学、舞台、など あらゆる芸術と呼ばれるものの「魂」は、みな一つだと 私は思っています。
ある感動や美しさを、それぞれの方法で表現したものが、音楽となったり絵画となったりするわけです。
違っているのは表現方法だけ。心はみな同じ、美しい魂です。
その証拠に、私は 美しい音楽を聴いたとき 心に映像が浮かぶし、美しい映像を見たり文学を読んだりしたとき 心に音楽が流れます。
そして、すべての表現スタイルを全部使って、この美しいものを表現したい、と思います。

テクニックが追いつかず 思うように表現できなかったりすると悲しいですが(私もそうです)、自分の求めるものを大切に、いつか思った音が出せる日を楽しみに 精進を続けようではありませんか。

ソナチネヘ長調-弾けない所には原因が-

2009年09月05日 | 音符・楽譜・テクニック
キノパパ(大人):
「ソナチネアルバム」から、10番ヘ長調の第一楽章を練習しています。
「今週は忙しくて、あんまり練習できてませんm(__)m」と言うのですが、どうしてなかなか、音の粒が揃って、8分音符の連続などとてもきれいになっているのがわかります。
お仕事が忙しいでしょうに、コツコツと練習を重ねている様子が見てとれ、感心&尊敬してしまいます。

ソナチネ第一楽章、ずいぶんきれいに弾けるようになってきました。
ただ2~3箇所、きまってつっかえたり指がもつれたりする部分があります。
そういう、いつもつっかえてしまうような所には、必ず そうなってしまう原因があります。
その「原因」を見つけ出し、それを解決に導けるような処方をして、ミスする部分を一つ一つ修復していく作業が大事です。

今回のキノパパの苦手部分は、ほんの小さな1小節なのですが、右手も左手も、なかなか音が命中せずミスタッチしてしまう、という所です。
間違えるので弾き直す。またミスタッチで、また弾き直し。
こうやって、その部分が来るたびに 何度も弾き直してしまいます。
この部分のミスの原因は 何だったのでしょうか?

キノパパの弾くのをよーく観察してみました。
問題の部分、左手があけ指(指の拡張とポジションの移動)としているのに対し、右手は元指のままで弾けるようになっています。
それなのに、キノパパは 右手のメロディの方を間違えないようにと気をとられ、左手の移動がおろそかになっているのがわかりました。
そこで「右手は元指で、絶対間違えないから、ためしに顔を左に向けて、一切右手を気にせず弾いてみてください」と言いました。
「本当だ。右手は、気にしないでも弾けますねえ」
「でしょ?でも、左手はオクターブ下の音まで広げなくてはいけないし、こちらの方を見なきゃ。右手はほっといても弾けますから、ジャンプのときは まず左手位置を確認してから、右手を合わせてみて!」 
何度か、左手のジャンプを単独で練習してみてから、両手一緒に弾いてみました。
右手は気にせず・・・左手を確実に捉えられるよう、一瞬早く準備して・・・そして一緒に合わせる!
ね、これで、ウソみたいになめらかに弾けるようになりました。

ミスをする、という場合、必ず何か原因があります。
指番号を間違えている、とか、数え方を間違えている、とか、あるいは今のキノパパのように、準備のフォームができていない、とか。
それを如何にして見つけ、なおかつ適切な処置をするか。
それが、レッスンをしていく上でとても大事だし、おもしろさでもあります。

間違えると「練習が足りない」と思いがちですが、がむしゃらに練習回数によって間違いを克服しようとするのは、能率が悪いばかりでなく 音楽からのメッセージを逃してしまう、たいへんもったいないことになりがちです。
みなさんも、曲の中に苦手な部分があったら、「どうしてそこが弾きにくいのか」「どうしたら弾けるようになるか」と、いっしょうけんめい考えてみてね。
それだけで、解決への道の90パーセントはクリアしたようなもんですから。

上を向いて歩こう・曲のラインナップ

2009年09月05日 | 音楽のツボ
S子ちゃん(小5):
「バーナム」やソナタの練習のときに 先生が折に触れ説明する「コード」について、もっと知りたいということで、コードについての本を少しずつ勉強しています。

今日の課題は「上を向いて歩こう」。
1960年代の歌ですが、日本のスタンダード曲、といえるかもしれないこの歌、S子ちゃんも「聞いたことがある」といって、わりとすんなり入ることができました。

C6→Am7→Dm7→G7・・・などと、付加音のついたコードを使っての練習です。
英語の音名と 音-音間のインターバル、付加されている音、などを考え合わせて、指示されたコードをつかみ、リズムに乗った伴奏をつけながら曲を弾いていきます。
もう半年以上、このコード奏を勉強していますが、ここまで来た段階で S子ちゃんはメジャー、マイナー、セブンス、メジャーセブンス、オーギュメント、ディミニッシュなど ずいぶんいろんな種類のコードを使いこなせるようになりました。
これだけ使えたら、学校の歌その他、日常で耳にする大方の曲に伴奏をつけて弾くことができますよ。

それにしても・・・
わかりやすくコードの勉強ができるようなテキストを探して、ようやく見つけてきた本を使ってるんですが、曲のラインナップをもう少しなんとかしてほしい・・・
「キラキラ星」や「トトロ」が出てきて、「これじゃちょっと幼稚っぽいよな」と思っていたら、いきなり「雨にぬれても」って'70年ポップス。
宿題にしたら「おかあさんしか知らなかった」と言ってたS子ちゃんですが、そのあとには「君といつまでも」って・・・
これじゃ おかあさんも知らないよ。おばあちゃんしかわかんないって。。。

あのう、テキストを作る人にお願いですが、流行性のある曲とか やめていただきたいです。
どんなに古くてもいいので、「ナツメロ」じゃなく「スタンダード」「古典」を載せてください。お願いしますよ~

なかよし-付点リズム-

2009年09月03日 | レッスン日記(小中高生)
M2ちゃん(小4):
「ピアノで歌を3」の後半に入って、付点のリズムが出てきました。
付点四分音符+八分音符がセットになったリズムです。
「メリーさんのひつじ」の「♪メーリさんの♪」の所、と言えばわかるでしょ。
M2ちゃんのやっているテキストでも、まずは「メリーさんのひつじ」の歌が出てきて、このリズムを体得してから、ほかの歌で応用する段取りになっています。

とは言っても、「♪メ~リさんの、ひつじ~」と歌に合わせて右手を弾きながら、左手で「ドソドソ」なり「ドソミソ」なり、四分音符の連続で伴奏をしていくのは、初めての子にはちょっと難しく、なっかなか右手と左手のタイミングが合わない子もいます。
しかしM2ちゃんは、すぐに両手で「メリーさんのひつじ」が弾けて、次の「なかよし」に進みました。
「えーと・・・」と、譜読みにとまどっている様子なので、
「ほら、このリズム見て。『メリーさんのひつじ』と同じじゃない?」と助け船を出すと、
「ほんとだ。『メーリさんの、ひつじ~』」と唱えながら、新しい曲の音符にのせて弾いてみます。
「なーんだ、『ロンドン橋』じゃん!」
そうでした。新しい曲は「ロンドン橋」のメロディーだったのでした。
そんなことも、楽譜さえ読めればすぐわかりますね。
この「付点四分音符+八分音符」リズムは、これからもしょっちゅう、いろんな曲の中に出てくるよ。
その時は、「メ~リさんの、ひつじ~♪」と歌ってみてね。すぐにリズムがわかりますよ

アンナ・マグダレーナの練習帳

2009年09月02日 | クラシック曲
Nさん(大人):
高校生までピアノを習っていたという、バッチリキャリアのあるNさん。
大人になってから、「もう一度ピアノを・・・」ということで始めたレッスンです。
「バッハはやったことがなかった」ということなので、まず易しい基礎からと、「アンナ・マグダレーナのためのクラヴィーア練習帳」という すてきな練習曲集を勉強しています。

とても易しく書かれていますが、奥が深く、書かれている内容をすべて正確に再現しようとすると けっこう手ごわいです。
今は、終わりの方の「アリア」という曲を練習しているのですが、いっぱいついてくるトリル、装飾音、ターンなどの記号を守って両手ポリフォニーの楽譜を弾くのはかなり難しく、リズムが撮りにくく、苦労しています。

それもそのはず、この曲は、かの超大曲「ゴールドベルク変奏曲」の主題の部分なのです。
この「マグダレーナ」レベルの学習者には 正直手に負えない課題なので、今まではいつも飛ばしてきていました。
けれどNさんは、バッハ始めてとはいえ 基礎もキャリアもあり 本当の初心者ではないので、敢えてこの曲に挑戦してみました。

やっぱり、最初のページで譜読みに四苦八苦してしまったので、私はつい「やっぱり・・・とばす?」ときいてしまいました。
するとNさんは、「難しいですけど、とってもきれいだし。『ゴールドベルク』ですから!CDも聞いたし、がんばってみます」と言ってくれたのでした。
そうですよね。
すてきなバッハ、がんばって完成させましょう!

アメリカン・パトロール-音楽は止まっちゃダメ-

2009年09月02日 | レッスン日記(小中高生)
Y子ちゃん(小4):
先週「仕上げてくるように」と宿題の出ていた「アメリカン・パトロール」。
出来上がったかな?
「うーん、ちょっと速く弾けるようにはなった」
どれどれ。
なかなかいいです。音のキレもよくなってるし、先週まちがえていた音も、ちゃんと直してあります。
この間よりテンポも少しアップして、まずまず「アメリカン・パトロール」になってきています。
ただ、ときどきミスをして、弾き直すのがもったいない。
特に 一番苦手な部分は、何度も弾き直してしまうので、そこにくると音楽が途絶えてしまいます。

「よしっ、大体できてるから、伴奏つけるよ」先生は言いました。エレクトーンで、リズムとバッキングをつけるよ、という意味なので、ピアノがつっかえつっかえだと追いつきません。
「エレクトーンの用意ができるまで、危ない所練習してて」先生はこう言って、エレクトーンのスイッチを入れ、マーチのリズムやテンポ、音色などのセッティングを始めました。
「えーっ
Y子ちゃんは焦って、不得意な部分をいっしょうけんめいパート練習しています。
よしよし。こうやって、パッと自分の弱いところを見極め、ピンポイントで集中練習するというのは、大変能率のいい練習なわけですが、多分ふだんの自宅練習では、あまり真剣にやってはいないでしょう。
ふふふ、こうやって、ちょっとしたことで緊張の場をつくってあげると、そういう練習もできるのだよ。

さあ、エレクトーンの設定ができた。
「いくよ!」
ドラムマーチが流れ始めます。
「わぁぁ~
Y子ちゃんは焦りながらも、なんとか伴奏に合わせて弾き始めます。
テンポが安定してくると、なかなか楽しいパレードです
あっ、ミスった。 でも大丈夫。なんとか追いついた。
あー、ここはダメだ~ 追いつけない・・・
そういうところでも、Y子ちゃんは止まりません。メロディーだけでも何とかつないだり、どうしようもなくなった時は 入れるところまで待って、またサッ!と音楽に加わります。
「あ~、ダメだ~」
弾き終わって、Y子ちゃんは残念そうです。
「そうでもないじゃない? ちゃんと、止まらずに弾いたんだし。」
先生は言いました。
「ほら、バレエだって、音楽の人が『あっ、まちがえました』とか言って止まっちゃったら、どうかな?踊る人は 踊れなくなっちゃうよね。まちがったりしても、そのまま弾いてくれた方が ずっといいでしょ。音楽は、弾き始めたら止まらない!これが大事なんだからね」
「うん」
ヒバリ教室で4年間、レッスンしたりコンサートを経験したりしているY子ちゃんは、そのことがもうよくわかっていて、ちゃんと音楽を大事に弾いていく、ということが身についているので、私は嬉しく思います。
音楽は時間芸術。 弾き始めたら、その流れを決して止めないこと。
これが とても大事。

Y子ちゃんは、新しい曲をもらい、アメリカン・パトロールも、来週もう一度アンサンブルしようね、という約束をして帰りました。

白鳥の湖-二拍三連-

2009年09月02日 | 音符・楽譜・テクニック
Hさん(大人):
「わたくしリズムがダメで」というのが、Hさんの口ぐせのようになっています。
これはHさんに限らないことなのですが、大人になってからピアノを初めてやった人には、「リズムが苦手」という人が多いようです。

今の子どもたちは、生まれた時からたくさんの音楽を聞いて育っていますから、すぐにいろんなリズムに乗って楽しく弾いたり、パッと反応したりすることが 自然にできます。
けれども「昔の子ども」は そうじゃなかったんでしょう。
リズミカルな曲を歌ったり、ダンスを踊ったりという体験が、今の子どもに比べて少なかったであろう「昔の子どもだった」人たちは、ピアノを弾く際にも、「リズム面が一番不得意」という人が多数派のようです。

さて、いつもリズムで苦労しているHさん。
特に「三拍子系」が 大の苦手です。
もともと、日本にはワルツみたいな曲はなかったですから、民族的に「三拍子」は、身についてない系の音楽、ということもありますね。

「ホフマンの舟歌」が終わって、次は「白鳥の湖-情景」をやることになりました。あの「ちゃ~ ららららら~♪」という、ドラマチックな曲です。
ところがこの「情景」、8分の12拍子という、Hさん最も苦手な「三拍子が4つつながってる」リズムです。おまけに、あろうことかその「三拍子」の伴奏に 右手は二拍ずつ合わせていく、という「二拍三連」リズムが連続して連なっていて、めちゃめちゃややこしいのです。
考えてみてください。左手で「1、2、3、1、2、3、」とリズムをとりながら、右手で「1、2、1、2、」と合わせる。
難しいと思いませんか?
曲の中に たった一箇所出てきただけでも恐怖なのに、「白鳥の湖」は 曲全体が二拍三連でできてる、と言っても過言ではないという恐ろしさ。
Hさん、大丈夫かな。8分の6拍子でもすごく苦労してるのに、8分の12じゃその倍だもんな・・・

今日、初めてHさんの「白鳥の湖」を聞かせてもらってびっくり!(@o@)
なんと、あの難しい二拍三連が、すべて完璧なバランスで ピシッ と決まってるではないか
「す、すごい、Hさん!完璧です。どうしてできたんですか?!」
私は思わず聞いてしまいました。
「先週、先生が『この音は こことここの間に入れる↓』って 印つけてくださいましたでしょ。だからそこに入れてみたんです」Hさんは涼しい顔。
ま、まさか、あんなに 自他共にみとめる「リズム音痴」だった(失礼)Hさんに、「二拍三連名人」という こんな隠しワザがあったとは(@o@)(@o@)(@o@)
Hさん、これは『特技』と言ってもいいぐらいのすごワザです!
ぜひともこのワザを極めて、「名人」の段位を獲得しましょう。

カノン-指使いは大事-

2009年09月01日 | 音符・楽譜・テクニック
Mちゃん(小5):
「パッヘルベルのカノン」、先週は右手と左手を合わせるのが難しくて、一度タイミングをとりそこなうと なかなかペースを取り戻すのが大変でした。
今日はどうでしょう。

左手は単純な、二分音符の通奏低音。簡単なはずなのに、複雑な右手と一緒に弾くと、つい右手に引きずられて 音を見失ってしまいます。
「左手だけ、先に覚えてごらんよ」先生は言いました。
「ドーソーラーミー、ファードーファーソー。これの繰り返しって、わかってるよね?」
「うん、わかってるんだけど、右手といっしょだとめちゃくちゃになっちゃう・・・」
「気をしっかり持って。負けないようにがんばるんだよ。あと、左手の指番号を、しっかり確実に。適当にやってると、迷子になっちゃうよ」
Mちゃんは、左手の音の流れと指番号とを連携させて、「よし、覚えた!」と しっかり頭に(手に)入れました。
そうして、両手で弾いてみると、不思議なことに 難しくて弾きにくいかなあ、と思っていた右手のバリエーションも、左手に合わせてスラスラと出てくるではありませんか。

もともと、Mちゃんは右手のバリエーションは 楽譜を見ないで口ずさむことができるほどに覚えていたのでした。
それなのに、ちょっとした左手の指使いがあいまいだったため、右手もすんなりと流れなくなっていたのでした。
でも、もうだいじょうぶだね。
来週は きれいに仕上げをして聞かせてもらう約束をしました。

指使いは、とても大事。
ちょっと考えると、とくに単純な音づかいだったりしたときに、「どの指でもいいや。どれでも弾けるし」などと思って 指使いをおろそかにしていると、大きくつまづいたり能率が悪くなったりします。
みんなも、うんとベテランになれば、必ずしも本に書いてある指使いじゃなくても 自分のための、自分に合った指使いを考えて弾くこともできるようになるでしょう。
だけど、学習中の今は、本に書かれている指使いが、たぶん、みなさんに一番使いやすい、ムダのない指使いであるはずです。
なので、よく楽譜の指使いを見て、きちんと守って弾けるように努力しましょう。

小さな世界

2009年09月01日 | レッスン日記(小中高生)
M3ちゃん(小5):
7月末にあった発表会のあと、おばあちゃんちに行ってたり、そのうちピアノ教室の方が夏休みになったりと、顔を見ないことが続きました。
学校の二学期が始まった今日、久しぶりに元気なM3ちゃんがやってきました。

いつも一緒に来る 仲良しのMちゃんに笑われながら「クリスマス曲集」を出し、宿題だった「小さな世界」に コードで伴奏をつけて弾きます。
夏休みは いろんなところへ出かけたりしていたらしいのに、ちゃんとよく練習できて、左手のコードでジャン、ジャン、と 自分で考えたリズムを刻んで伴奏しています。
「よくできてるね。これでもいいんだけど、せっかく上手にできてるから、ちょっとニュアンスつけてみよう」
先生は、途中のコードをもう少し複雑にして、F→Fmにちょっと寄り道するコードを挿入しました。
「それから、前半は 伴奏のリズムをもう少し軽快な感じで、ブンチャ、ブンチャ、って形で弾いてみよう。そうして、Bメロのところに来たら、伴奏をブンチャッチャッチャ、に変化させて。」
これで、ずいぶん明るく元気な曲になってきました。さらに、
「あと、ツナギだね。AメロからBメロに入るところが、なんか間が抜けて手持ちぶさたな感じがしない? ここのところは、ヒマな左手で『ぼん、ぼん、ぼん(ソ、ラ、シ、)』ってバスを入れようよ。そうして、いよいよ曲の最後のところは 両手ともジャーン・・・って押さえる。」
こうしてアレンジを整えた「小さな世界」を、はじめから弾いてみてもらうと・・・
「なんか、ほんとの本に書いてある曲みたいによくなった!♪」というのがM3ちゃん本人の感想です。
ほんとだ。この本に書いてある伴奏より、今M3ちゃんが弾いたのの方がずっとすてきだよ。

M3ちゃんは、その後「バーナム」も弾きましたが、発表会以前とは別人のように堂々としたピアニストになっていて驚きです。
譜読みも早く正確、タッチも力強く自信にあふれた弾き方です。
これこそが、M3ちゃん本来の姿だと 私は思います。
以前は、なにか彼女の持てる力と レッスンでの力が不釣り合いな、ぎこちないものを感じていました。
今ようやく、M3ちゃんの豊かな音楽性と実力が 殻を破って表に現れてきたような喜びを感じます。

波乗りジョニー

2009年09月01日 | レッスン日記(小中高生)
・・・って、別にサザンの「波乗りジョニー」という曲を弾いているわけではありません。
Tくん(小4)、夏休み明けに会ってみたら、バカにバージョンアップしてて・・・と、先週書きましたが、まるでその日記を読んだかのように(?)今日もますます絶好調なのでした。
波に乗ってるので「波乗りジョニー」と 仮に呼んでおこう。(^_-)~☆

つつっとレッスン室に入り、ピアノの前に座っていきなり「はじめてのブルース」を弾き始める。
「えっ、楽譜いらないの?!」とオーバーに驚く先生。
「いらない!」と さりげに答えるTくん。
その通り、もう完全に覚えてるので、先生はエレクトーンで、ブルージ~なリズムとバッキングをつけます。大人っぽく、粘っこくね♪
「ブルース」がソク○になり、次の課題は「ト長調の音階」と「Gのコード」へと進みます。
使ってるのが大人のテキストなので、「Gの曲につけるコードは、Gは基本形、Cは第2展開形、DとD7は第1展開形で弾きます」などと説明書きがあります。
理論派のTくんなので、敢えてこれを読ませ、自分でコードの形を見つけてもらいました。それから実際の曲に、Gキーのコードをいろいろ使って弾くところまで進み、来週は応用曲に伴奏をつけて弾いてくるところまでいきました。

ここで先生は、テキストのページをめくってみます。
「ねえ、見て。来週、Gの曲がおわったら、次はもうF、ヘ長調だよ。あら、Fの3曲がおわったら、この本終わりじゃない!・・・そういえば・・・お誕生日って、いつだっけ?」
「9月25日」
「そうだったね。ほら、このカレンダーに書いてある。ねえ、去年みたいに、『お誕生日までにこの本終わらせる』っていうのはどう?」
これをきいて、Tくんは「えっ」と言いながらも、顔はほころんできました。
先生は たたみかけるように言います。
「去年は挫折したけどさ、あの時は『8歳のうちに40曲ぐらいおわらせる』だったんだもんね。今年は、『9歳のうちにおわらせる』だけど、たった3曲だもん、できるんじゃない?」
「うん、できると思う」
よーし、このチャンスに、ジョニー君にがんばってもらいましょう。

そのあと、ピンクの「バーナム」を弾いてみたら、こちらの本もあと2曲で終われることが判明。
「これも終わらせようよ! お誕生日来たら10歳でしょ。年齢2けたになるんだもん、やれるって!」 
「うん、やれると思う」T君は頼もしく答えます。そして気がつきました。
「えっ、もしこの本終わったら、T抜かすってこと?」「そうだね」
そうです。ピアノは、妹のTちゃんに1年1ヶ月遅れて入門したので、今まではTちゃんが“先輩”だったのです。
ところが、今日“先輩”Tちゃんはお腹の調子が悪く欠席。
「やったー、Tの休んでる間に抜かしたぞ!\(^O^)/」
「じゃ、Tくん、来週まってるからね。がんばってきてね」
「はーい (^O^)/ 」

しめしめ。
波乗りジョニー君の、来週の出来映えが楽しみです。♪