HIBARIピアノ教室レッスン日記♪

ピアノのレッスン日記、その他ヒバリ先生が見聞きした音楽関係・芸術関係etcの日記。

T&Tきょうだい(ウォーリー1号・2号)

2010年11月16日 | レッスン日記(小中高生)
Tちゃん(小3)とTくん(小5)の T&Tきょうだい。

時間ぴったりに「こんにちは~」と声をそろえて入ってきましたが、そのとき、おにいちゃんのTくんが思い出したように言いました。
「そういえばさー、オレ、こいつ(妹)を連れてくるために早く来てんだよな!」
そうそう。そうだったね。
前はTちゃん・Tくんと時間を区切って順番に来ていたんだけど、どうもマイペースTちゃんがレッスン時間に間に合わないことが多く、夏前ごろから お母さんがTくんを付き添いとして、一緒に来るように考えてくれたのでした。
「そうだったよね。Tくん、自分の時間より早く来てくれてるんだよね」
「そうだよ~、こいつのせいでさ!オレ、ほんとはもっと遅くていいのにさ」
「いいじゃん。早く来れば、その時間 読書に没頭できるんだからさ」と先生がいいました。
ヒバリ先生のレッスン室には、大きな本棚があって、日本や海外の絵本・児童書などのコレクション、マンガのコレクションなどが 図書館ほどぎっしり並んでいるのだ。
「そうだよー 本がいっぱい読めるじゃん。サザエさんとか」サザエさんの好きなTちゃんも言いました。
「それとも!」先生が言いました。
「どうせ早く来ちゃってるんだから、Tくん、先にレッスンして帰るっていうのは?それでもいいよ。一緒に来た時点で役目は果たしてるんだから、先に帰って、自分の時間を好きに使えばいいじゃない?そのあと、Tちゃんがレッスンして一人で帰れば?」
「あっ、やだやだ!一人で帰るのやだ~」
Tちゃんの却下に合って、このアイデアは不採用となりました。
「ちぇっ、いいよ別に、先帰んなくても」
Tくんが言ってくれたので、Tちゃんのレッスンを始めることにしました。
「バーナム」を弾いていると、横でちょっかいを出していたTくんが、「これ、輪唱でやったらおもしろいかも」と言ったので、ふと思いついた先生が、「そうだ、いいことやろ!『かえるのうた』を輪唱で弾こう!」と言いました。
先生、Tちゃん、Tくんと、ちょうど三人ピアノに向かって並んでいたので、三人で輪唱遊びをやることに。
まずは普通に、Tくんから「かえるのうたが~」と弾いたらTちゃんが「かえるのうたが~」と弾き始め、その次に先生が、という風に三人順番に弾きます。
次は、出るタイミングを少し早め「かえるの」まで聴いたら2番目のTちゃんが始めていきます。つまり「かえるの」「かえるの」「かえるの」というタイミングで三人がスタートする。
その次は、もっと早いタイミングで・・・「かえるの」の半分の「かえ」で入ります。「かえ」「かえ」「かえ」と入っていくので、これは忙しい!
調子に乗ったので、お次は「ミ」と「ラ」の音を♭にして輪唱すると・・・悲しい「かえるのうた」だ!
「あ~、おもしろかったね~・・さて、Tちゃん、どこまでやったんだっけ?」
「『バーナム』があと1個残ってるよ。先生が『かえるのうた』始めちゃったから、こんなになっちゃったんだよ」とTくん。
そうだったか・・・
Tくんは 大人っぽくかっこつけて「しょうがないなあ」みたいに本棚にむかい、ふと手に触れた「もりのへなそうる」という本を抜き取りました。
これは、渡辺茂男さん作の、すっごくかわいくておもしろい恐竜を主人公にした児童書です。山脇百合子さんのさし絵がいっぱいついている、楽しい低学年むきの本。
「なんだこりゃ?」などと言いながら本を開いたTくんは、30分後、Tちゃんのレッスンが終わって
「おにいちゃん!」と声をかけられても、シーンとして「へなそうる」に没頭していました・・・(^○^)(^○^)(^○^)

ところで、本日のレッスンの感想ですが。
妹のTちゃん、「魔女の宅急便メドレー」を とても美しくきちんと弾いていて、難しい楽譜も自力で読んですばやく弾きこなす「初見力」もあって、先生は思わず感動して「Tちゃん!ほんとは、こんなに上手なんだね」と叫んでしまいました。
とても大人っぽい、ベテランの弾き方に、いつの間にかTちゃんは育っていたのです。

おにいちゃんのTくんは、指のタッチがとてもいいです。
男の子なので 指のつくりがしっかりしてるのか、手や指のフォームや打鍵の音色など 非常にピアニスティックです。
女の子は、どうしても骨が細いのか しっかりしたピアノらしいタッチができるまでに何年も訓練したり、体の成長を待たなければならなかったりするのですが、Tくんは最小の努力で 最大のピアノタッチが既にできている!
今やっている「ひまわり」のようなビート感のある曲など弾くのには最適なタッチなので、これを磨いていきたいと思います。

「そういえば、先週、黒いTシャツ脱ぎ捨てていったの、Tちゃん?」先生はきいてみました。
「うん、あたし。脱いで、忘れていっちゃった」
「やっぱり! で、届けてくれたでしょ。誰がもってきてくれた?」
「誰ももってこないよ」
え~? 先週、確かM3ちゃんが「渡しとくよ」と言って持ってったのに・・・
さてはM3、忘れたな・・・? アイツは「ウォーリー4号」だけど、現在のウオーリー隊長だからな・・・

小さな世界 ばんそうも

2010年11月15日 | レッスン日記(小中高生)
Sちゃん(小1):
今日は夕方から雨が降り出しました。
日が短くなってきて、5時過ぎるともうまっ暗です。
こんな暗くて冷たい雨が降っている中を、1年生のSちゃんが傘をさしてレッスンに来るのかと思うと、思わずママにメールしてしまいました。
「暗くて雨ですけど、大丈夫ですか。ほかの日でもいいですよ」
するとすぐにお返事がきました。
「もう行く気になっているので、大丈夫です。送っていきますので」
そうか・・・心配しなくても大丈夫だったんだ。 考えてみれば、それくらいできて当たり前だけど、ついね。

Sちゃんは、いつも通りはりきってやってきました。
先週の約束通り、「小さな世界」の後半に左手の伴奏をつけて弾いてあります。
「よくできたね。じゃ、最初から通して弾いてみよう」
 
世界じゅう どこだって、ほほえめばなかよしさ~

前半、Sちゃんは右手のメロディーだけなので、先生が伴奏をつけてスタート。
後半の世界はせまい~ からは、Sちゃん自身で伴奏をつけながら! そこで先生は、先週やったみたいに世界じゅう どこだって~ と メロディーを追っかけます。
先週より、もっと盛り上がってにぎやかな演奏になりました!

そこでいよいよ、前半の伴奏もつけることに。
左手は ドーソード ソーレーソ など、3パターンだけなので 覚えやすいですが、オクターブの間隔での動きなので 1年生のSちゃんにはちょっとしんどいかも。
でも、Sちゃんは指がけっこう長いし、まあ大丈夫そうです。
左手を練習したあと、両手をゆっくり合わせてみて・・・
うん、できそうだね!

来週はいよいよ、全体通して両手です

発表会の本番では

2010年11月13日 | レッスン日記(小中高生)
キノパパさん:
先月の「チャティーハロウィーンコンサート」の後、今日が初めてのレッスンです。
「本番では手が震えてしまって・・・すみませんでした」と恐縮するキノパパですが、お客さまたちからは「5年で、ショパンのワルツが弾けるなんてすごい」と好評でした。
本番のとき、確かに初めのうちは手が震えているのが、後ろから見ていてもわかって焦りましたが、だんだんと弾き進めるうちに落ち着きを取り戻し、練習の成果を出せたと思ったのでよかったです。
本番では、頭が真っ白になってしまって、無我夢中で弾き終わってしまう人も多いと思います。
特に、大人の人は、どうしても上がって、「気をつけよう」と思っていたことなどもすっかり頭からぶっ飛び、なにがなんだかわからなかった、ということになりがちです。
けれど、そうした中にこそ、日頃 心を込めて積み重ねてきた、無意識の部分が現れてくるものです。
「この指使いを間違えないように気をつけよう」
「ここはフォルテだから強く弾かなければ」などという「頭での演奏」はどこかに飛んでしまって、くり返しくり返し、良い音色が出るまで弾き込んできたタッチや、その曲を美しいと思い 好きだと思って弾いてきた 真摯な気持ちなどが、知らず知らずのうちに あなたの演奏に現れているのです。
それをこそ、私は美しいと思いますし、お客さんにも 必ずその気持ちは伝わるものです。
そういった意味で、私は、ヒバリ教室の大人の生徒さんの演奏は みな自慢できるものでしたよ。

今年のコンサートでショパンを弾いたキノパパさんは、次の練習曲に ベートーヴェンの「ト長調のメヌエット」を選びました。
古典の格調高いメヌエットです。
また1年間、さらに深いピアノ音楽を目指してがんばりましょう

ブルクミュラーとアレンジ

2010年11月13日 | ブルクミュラー
Y子ちゃん(小5):
ブルクミュラー「なぐさめ」が終わりました。
課題的には、右手・左手それぞれに ひとつの音をキープしたまま 8分音符や三連符の連続を弾いていく、というテクニックです。
「バーナム」で、こういう指使いは練習した経験があるので、テクニック的には一応クリアできました。
曲想的には・・・なんか静かで、心象的な起伏が微妙についている感じの「なぐさめ」は、5年生のY子ちゃんにはいまいちピンとこないんじゃないかな・・・という気がしました。
私自身も、小学校低学年で「ブルクミュラー」を習っていたとき、この「なぐさめ」とか ちょっと前の「さようなら」とかは どうも魅力を感じない曲だったナー。
今になってみれば、大変魅力的な曲だと思うんだけどね。
そういうわけで、Y子ちゃんは、次の「シチリア風」に進むことに。
こちらの曲は、躍動感あふれる 急速な3拍子の舞曲! きっとお気に召すと思います

「アレンジ」の方は、「翼をください」を弾いてきました。
伴奏形は、コードの和音をジャン!ジャン!ジャン!ジャン!と弾く形がいいんじゃない、とアドバイスしたのですが、右手は単音でメロディーを弾くのに対し、左手は3つの音で1拍ごとにリズムをとるので、よっぽど気をつけないと 左手がうるさくなってしまいます。
右手のメロディーmf、左手の和音mp、ぐらいのバランスで弾いていくと、ちょうどよくなりますよ!

Y子ちゃんは、もうずいぶんコードで伴奏をつけるのに慣れてきました。
コードをつかんだり、それを「第1転回形で!」とか「G/B(GのコードでベースはBの音)で!」とか先生から言われても、すぐにパッとコードを弾くことができます。
なかなかのミュージシャンです。 この調子で、ピアノを自由に使いこなせるようになっていってほしいです

小堺一機とサーカス・映画音楽コンサート「コサーカス」

2010年11月12日 | TV・映画・ステージなど
銀座で友人と解散した後、ヒバリには本日、もうひとつ「お楽しみ」がありました。

初台の国立劇場中劇場で、小堺一機さんとサーカス(コーラスのユニット)のコラボコンサート。
「サーカス」は、男女4人のコーラスグループで、いちばん古いメンバー(正子さん)が1977年デビュー、そののちメンバー交代があったりで、現在のメンバーになったのが1988年というのですから、相当息の長い歴史(?)をもっています。

初期の頃はJ-POPを歌って ヒットチャートを賑わし、活躍したりしていましたが、彼らの本領はジャズコーラスですね。
ソフトなハーモニーとリズムのノリは、日本のシンガーの中でも秀逸です。
本日のコンサートは 映画音楽特集ということで、追憶・雨にぬれても・スタンド・バイ・ミー・オーバー・ザ・レインボウ・タイタニックのテーマ「マイ・ハート・ウィル・ゴー・オン」などのスタンダード名曲の数々を聴かせてくれました。
また、崖の上のポニョ・ゴジラのテーマなど日本映画のテーマのサービスも。
すてきなのは、「ポニョ」や「ゴジラ」にしても、必ずサーカスのスタイルによるアレンジが施してあって、たいへんおしゃれな演奏になっているということ。
そう、サーカスのアレンジは、いつもおしゃれてソフィストケートされていて、大人なのです。
今の日本の中で、大人の歌が歌える数少ないミュージシャンといえるでしょう。

また、本日は 映画の番組に出演している小堺一機さんとの 初のコラボコンサートというのも注目でした。
小堺さんといえば、「欽ちゃんファミリー」や「ライオンのごきげんよう」などに登場しているコメディアン、という程度の認識でしたが、本日彼のトークを聴いて、その知識の質・量と深さ、また音楽や間合いのセンスも抜群ということを再認識しました。

歌もうまいです。
トークにも風刺と即妙性が効いていて、頭の良さもびんびん伝わってきました。
彼の実力は、現在のところまだまだ、一般には相応の評価を得ていないというのが、今日の印象です。
ただのお笑い芸人と思われているだけではもったいない。
彼は、もっともっとみんなから認められて、高い評価を得るべきだと思います。

ただ、本日のコンサートでは、ちょっとネタが古いなあ、と思うところがあったり、ギャグも力みすぎなところがあったり、という感想も持ちました。
しかし「コサーカス=こさかいとサーカス」のコラボは初の試みだったわけなので、これからもぜひ、この組み合わせで回を重ねてほしいと思いました。
続けるうちに、余分な力みやくどさなどが取れて、もっと洗練されてくると思います。
小堺さんは、いい声だし歌もうまいし、リズム感いいしタップダンスだってできる。
次回は、狂言回しばっかりじゃなく、もっとそういう「マジなエンターテイメント」の要素をたっぷり発揮して見せてほしいです。

ベロタクシーと隅田川クルーズ

2010年11月12日 | その他日記
友人と二人で、「ヒバリ的東京半日おもしろめぐり」をしました。
夕方4時頃までの持ち時間、ということでヒバリが考えたコースは

銀座四丁目集合おしゃれなレストランでランチ木村屋であんパン購入隅田川クルーズの乗り場・日の出桟橋隅田川を下って浅草へ仲店通り往復地下鉄に乗る

というものです。
で、利用した乗り物は ベロタクシー と 隅田川のクルーザーです\(^O^)/ っていうか、これに乗るためにこのコースを設定したんだよ~



 自転車のタクシー「ベロタクシー」。都内では、港区・渋谷区・千代田区・中央区で利用できます。
 予約するのが確実に乗る方法です。
 クリスマスシーズンは、銀座のイルミネーションを眺めながら乗るのがステキだそうですよ!
 (もちろん前でドライバーさんがこいでくれるんだよ。この写真に写ってないのは、写真写してくれたのがドライバーさんだから) 

  この赤い舟にのって 隅田川を下ります。対岸に「スカイツリー」が絶景のショットで眺められます。

 川岸の手すりに止まっている水鳥。赤いあんよをちょこんと曲げてるのがカワイイ

 舟のデッキから見た川面とウォーターフロントの光景。

 スカイツリー川沿いの遊歩道から見たところ。お花見の頃より大分高くなってる

浅草に着いて、雷門から仲店通りを往復し、銀座線に乗って 電車の中で友人とヒバリは解散、本日の「おもしろめぐり」は修了しました。
ベロタクシーと隅田川クルーズ、みんなも乗ってみてね。おもしろいよ!

ひみつの「すごい曲」

2010年11月10日 | レッスン日記(小中高生)
Nちゃん(年長):
先週あげた「おおきなたいこ」の曲を、楽しそうに弾いています。
「おおきなたいこは、大きな音で。ちいさなたいこは、小さな音でね」と言うと、Nちゃんは ちいさなたいこのフレーズを1オクターブ高い音で弾きました。
その方が、ちいさなたいこの感じが出るよね!

「おおきなたいこ」が上手に弾けたので、今日は新しく「いとまきまき」の楽譜をあげました。
二人の小人が、くつを作っている絵もかいてあります。
「あっ、しってる。いーと~、まきまき、いーと~、まきまき・・・」Nちゃんは歌っています。
音符は かなり早くスラスラ読めているので、リズム譜が理解できているかを確認してみます。
カスタネットを持って、リズムの通りに「たん、たん、たた、たた、たん、たん、たた、たた・・・」と言いながら叩いてみます。
大丈夫。リズムも、ちゃんとできています。
あとは、何度も弾いてスラスラできるようになれば完成だ!

「あのね、きょうは、すごい曲きかせてあげる」不意に、Nちゃんはピアノの前にスタンバイして、嬉しそうに「ふふっ」と笑っています。
「えっ。すごい曲って何?」
「ね!」ママも「すごい曲」の秘密を共有してるらしい。
どれどれ。
Nちゃんが両手をピアノに置いて・・・次の瞬間、いきなり、めちゃくちゃ大人で しみじみとしたメロディーが流ちょうに流れ出しました。
タラララ ラーララ~ タラララ ラーララ~
うわ。これって・・・
先生は、反射的に伴奏をつけてしまいました。普通の3つの音の和音じゃなく、4つずつ音を積み重ねた メジャーセブンとかマイナーメジャーセブンとかの、おしゃれなコードがぴったり似合うこの曲、なんだっけ・・・
「パパが、たけしさんの映画が大好きなので・・・」というママの言葉で、思い出しました。
そうだ。これは北野武監督の映画「菊次郎の夏」のテーマ曲、「Summer(サマー)」だ。作曲は久石譲・・・ おしゃれなはずだ!
「もう、ここまでしかわかんないの」少し弾いて、Nちゃんは手をとめました。
Nちゃん、すごいよ~ 来週、また続きを考えて弾いてみてね。伴奏もつけてあげるから。
ママも「私も弾いてみたい」と顔に・・・
今度、易しく弾けるような楽譜を用意しますね、とお約束しました。
Nちゃんちを「菊次郎の夏」が満たす日が楽しみ

♪まねしてみよう

2010年11月10日 | レッスン日記(小中高生)
M4ちゃん(年長):
テキストが大分進んで、「かっこう」や「もりのこみち」と、三拍子の曲が出てきています。
右手のメロディーを弾くのは得意なのですが、ブンチャッチャ、ブンチャッチャ、と左手で伴奏をつけながら、となると とても難しいです。
「かっこう」に入るまでは、左手の伴奏が 「ソ」の音だけ、とか、たまに「ミ」が出る、といった程度だったのが、「かっこう」で一気にレベルアップしているので、小さい人にとってはかなりの負担だろうと思われます。
M4ちゃんはがんばって、ちゃんとこなしているのですが、やっとできたと思ったら「じゃ次の課題ね!」と、次々テキストが進んでいくことのくり返し。←ハイペースに能率が上がって一見よさそうですが、特に小さい人の場合は、一概にそうともいえないものです。
常に同じペースで、着々とテキストの番号を進めていくと、「番号を進める」そのこと自体が目的になってしまい、むずかしい課題をがんばってクリアできた、とか、楽しい歌をたっぷり弾いた、という満足や達成感が鈍感になってしまうことさえあります。
小さい人の場合なら、なおのことレッスンにメリハリをつけ、「今日は何があるんだろう?」という期待や、上手になった歌をたっぷり楽しむ気持ちなどを大切にしていきたいと思っています。
テキストのこの辺りでは、ちょっと時間をかけ、ゆとりを持ちながらレッスンを進めていく「中腹」みたいな気持ちで接してみました。

先週は、メロディーをあちこちのポジションで弾いたり、バリエーションをつけたりして、「旋律」をたっぷり楽しみました。
今日は、ちょっと目先を変えて、違うゲーム的なことを取り入れてみました。
「M4ちゃん、先生が弾くのを聞いて、まねしておんなじに弾いてみて-だけど、先生の弾いてる鍵盤を見ないでね」
と、先生は 楽譜を取ってM4ちゃんと先生の間に「ついたて」を作り、先生の弾く手や鍵盤が見えないようにします。
「うん!」
M4ちゃんは、たちまち引き込まれてきました。
先生:ドレミファソー  M4ちゃん:ドレミファソー
先生:ソファミレドー  M4ちゃん:ソファミレドー
先生:ドレミファソファミレドー  M4ちゃん:ドレミファソファミレドー
先生:ドーミーソー  M4ちゃん:「ドー・・・あれ?もう一回ひいて!」

こんな具合に、生徒は間髪を入れず、リズム・音ともに先生の模倣をしていきます。
言ってみれば「聴音」のベリー初歩、みたいなものです。
こんなゲーム感覚で、少しずつ、「聞き取り」の力もつけていってもらいたいと思っています。

久しぶりのレッスン

2010年11月10日 | レッスン日記(小中高生)
Hさん:
10月は まるまる1ヶ月間お休みしていました。
今日は 11月第1回のレッスン日です。
1ヶ月ぶりに来たHさんは、9月の最後に会ったときより若々しくなったみたいで、とても元気そうでした(^○^)

「10月は、一度もピアノ練習しなかったので、11月になってから慌ててやってきました」とのことですが、バロック小曲集・チマローザの「ソナタ」も、ソナチネアルバム・クーラウの「ロンドハ長調」も、ちゃんとツボを押さえて自習してあり、とても偉いなー、と思いました。
Hさんのバロックは、とても落ち着いたいい音色で定評があります(ヒバリの中で)
また、「ロンド」は かつてHさんの苦手だった8分の6拍子、そのうえ次々と伴奏リズムが変わって、リズムが苦手の人にはとても難しい曲ですが。
8分音符、三連符、二拍三連、と 次々変化するリズムを、Hさんはちゃんとテンポをキープしながら弾いてありました。
「1週目が、文化の日でお休みでしたでしょ。それで」
「1週間、生き延びたと」
「そうですそうです!」
なるほど、本来なら11月にはいって3日も練習できずにレッスンに来なければならないはずが、今年は第1週が祝日でレッスンがお休みとなったため、1週間余分に準備期間があったわけですね。
あわてて練習した割には、とてもよくできていたHさんでした

ブルクミュラー「狩」は軽快に

2010年11月09日 | ブルクミュラー
Mちゃん(小6):
ブルクミュラーの「狩」が、最後まで弾けて あとは仕上げる段階です。
「狩」は 描写音楽。
いちばんはじめは、馬に乗った人たち(王侯貴族?)が パカッ、パカッ、と早足で馬を進めていくようす。
次いで、山々にこだまする角笛の響き。いよいよ狩の始まりです。
森の中を駆けめぐり、あちこちで獲物を追うようす。
仕留めた獲物を誇らしく示しながら、角笛を高らかに吹き鳴らすようす。
最後は、いちばん始めと同じく、パカッ、パカッ・・・と 馬の足音が遠ざかっていきます。

Mちゃんは、音楽を吸収するのがとても早くて、フレーズや指使い、細かな音の変化など、一度言えば即座に覚えてくれるので、暗譜で苦労することは まずありません。
言わなくても暗譜してしまいます。
「狩」も、たちまち覚えて、最後まで間違いなく弾くことができました。
「できたね!」と先生に言われて、
「やったー。マル?」
「ううん。これは『描写音楽』なの。狩の様子を、音楽で表してる。最初のところは、パカッ、パカッ、という、馬の走る音だって言ったよね」
「うんうん」
「それじゃ、これくらいの速さで弾かないと、それらしくならないじゃない?」
こういって、先生は弾いてみました。♪タタッ、タタッ、タタッ、・・・
「うわぁ~、早~ それ早すぎない?無理だよ~」
「でも、馬が走るなら、これくらいでしょ。これよりノロかったら・・・ダダン、ダダン~ とかだったらさ、ロバみたいじゃん」
「あははー、確かに」
「ねー? そんなノロじゃ、獲物みーんな逃げちゃうじゃん。一匹もつかまらないよ。だからもっと早く! そう、ここまで早くなくてもいいけど、できる範囲で、もうちょっと早く弾けるようにしてきて」
「アイアイサー」
これで、コマンド受理です。
来週は、軽快な「狩」を楽しみに!

四季より「春」・ボレロ

2010年11月09日 | レッスン日記(小中高生)
M3ちゃん(小6):
いつも、普通の人より1枚は多く、元気なMちゃんよりは2~3枚多く 服を着ているM3ちゃんなのに、その甲斐もむなしく 風邪を引いてしまいました。
マスクをかけて、「昨日は学校休んだ」とはお気の毒に・・・

しかしピアノは、依然好調をキープしています

今日の課題は、ビバルディの四季より「春」。
一人で練習してきて、初めて聴かせてもらいましたが、なかなかの完成度です。
メリハリのある強弱だとか、スタッカート&レガートのアーティキュレーションだとかをアドバイスして、いっしょに弾いてみました。
初めは 考えながらでも弾けるように、ゆっくりのテンポで弾きましたが、だんだんテンポを上げて、オリジナルに近い軽快なテンポに導きます。
M3ちゃんはずいぶん健闘して、ほぼ完成のレベルまで到達できました。
あとは仕上げるだけ!

「『ボレロ』も弾ける・・・」
「えっ。どれどれ、ボレロってどこに出てるんだ・・・? ひょー、いっちばん最後の曲じゃん。スゴイねー」
「右手だけだよ・・・それに、ボロボロだけど」
「いいよいいよ!初めてなんだもん。弾いてみて!」
I-phoneに入ってたのを聴いた、というM3ちゃんですが、弾き始めた「ボレロ」のメロディーは、どうしてどうして、聞きかじりだけでは弾けない なかなかの演奏となっていました。
見開き2ページの、1ページ目を弾き終わって、Mちゃんは
「ここまで。あとは知らない」と言いました。
「そう?こういうメロディーだけど・・・」
先生が弾いてみると、「あっ、知ってる。聴いたことあった」M3ちゃんの顔が明るくなりました。
「でしょ?一緒に弾いてみようか」
先生が低音で伴奏をつけて、M3ちゃんがメロディーを弾きます。
単音で弾いている時より、伴奏の和音やリズムがつくと、もっと上手に 伸びやかに弾けるM3ちゃんです。
「この次は『ボレロ』もやってこよう」ということになりました。
伴奏つけて、一人で弾けるようになったら かっこいいぞ~

リズム譜練習

2010年11月09日 | レッスン日記(小中高生)
Tくん(小5):
遊助(上地雄輔)さんの「ひまわり」が とても気に入っていて、これを練習しています。
Tくんのタイプは、男の子にありがちな「若干『譜読み』に弱さアリ」といった分類に入るでしょうか。
読めないわけじゃないけど、細かい音符をいちいち読むのが面倒。
曲を知ってるんだから、そのノリで弾けばいいじゃん! という意見(だと思う)
ところで、「ひまわり」は ゆったりめの16ビートで、譜面にすると細かい16分音符がいっぱいになっています。
難しすぎ~
ま、実は こういう曲は、Tくんの考え通り(きいたわけじゃないけど)、 そもそも楽譜から取り込む音楽じゃないのを、無理に楽譜にしてるから、こんなゴチャゴチャした譜面になっちゃってるんだけどね。

だけど、こういう音楽が好きなのだったら、こういうリズムの楽譜を パッと読みとれるようにしておけば便利だよ。
いくら譜面むきじゃない曲だといっても、読めるに越したことはない。

そこで、先生が用意したのは、8小節ぐらいの「リズム譜」をたくさん、五線紙に書いたもの。
エレクトーンの音を「パーカッション」にして、オートリズムをかけながら、五線紙のリズムを叩いていきますp

♪タカタカ、タカタカ、タタタン、タン、タカタカ タタタン、・・・

3つぐらい、立て続けに課題をやってみましたが、Tくんは
「これ、けっこうおもしろい!」と 気に入ってくれたようです。
そう、譜読みなんて「慣れ」なので、若いキミには、どんどん複雑なリズムも恐れず演奏できるようになってもらいたいです。
特に、クラッシックオンリーの人は、生徒も そして先生も、リズムに弱い人が とても多いので、Tくんには かっこいい複雑なリズムを、あっさり読みとって表現できるようなプレイヤーになってもらいたいです。

ところで、先週、大人の「ハロウィーンコンサート」のDVDを ウォーリーズのメンバーに貸し出していました。
「ウォーリーズ」というのは、「行く先々で何か落としていく」忘れん坊の火曜日メンバーに、先生がつけたニックネームです。
Mちゃん→M3ちゃん→T&Tと回して、レッスンの時 T&Tがもってきてください、とメールしておいたのですが、T&Tのお母さんからは「ちゃんと返却までこぎ着けるかどうか・・・何しろウォーリーズですから」と懸念の声があがっていました。
本日 ちゃんと ウォーリー1号&2号のT&TきょうだいがDVDを持参し、ホマレを飾ったのですが・・・・
T&Tが帰った後、ソファーの上に なにやら黒い物体が。
広げてみると、Tシャツの脱ぎ捨てたものでした。
これは、暑がりのTちゃん(ウォーリー1号)が、さっき脱ぎ捨てた、そのヌケガラに違いない。
やっぱり、何かしらは置いていくウォーリーでした・・・

「風の丘」に入った

2010年11月09日 | レッスン日記(小中高生)
Tちゃん(小3):
「魔女の宅急便メドレー」第1曲目の「木漏れ日の路地」が 大分すらすら弾けるようになってきました。
ところどころ リズムがあいまいになっている部分があったので、リズム譜を確認し 長さを正確に数えて、きちんと入れるように練習しました。
Tちゃんは、どちらかというと慎重派で、新しいフレーズや音を弾くのがこわごわ、みたいなところがあります。
こうして、耳になじんでいる曲などのときは、大胆に弾くチャンス。
思い切って、捨て身で取り組んでね!と心の中で応援しながら、Tちゃんの演奏を聴きました。

第2曲目は「風の丘」。
右手だけで、メロディーを弾いていってごらん、というと、Tちゃんは真剣に楽譜を見つめながら、丁寧に弾き始めました。
イントロ部分に続けて、Aメロを弾きます。ここは一番おなじみのメロディーだから、思ったより簡単に弾けました。
先生は ここまででいいと思ったのですが、Tちゃんは「もっと弾けるかも」といった表情で、さらに次のBメロまで弾き進めました。おおー、すごいじゃん。
Bメロの後は、またAメロです。そして、これで「風の丘」の1コーラスができた、ということになります。
一気にぐぐっと進んだTちゃん、次回は、「木漏れ日の路地」の完成、そしてそれに並行して「風の丘」のメロディーもやってくる、ということになりました。

このところ ずいぶんレベルアップしてきたと感じるTちゃんなので、この勢いが本物の実力アップの証明になってくれたらいいなあ、と期待しています。


ウフィツィ美術館自画像コレクション

2010年11月09日 | その他日記
新宿西口の 損保JAPAN東郷青児美術館で開かれている「ウフィツィ美術館自画像コレクション-巨匠たちの秘めた素顔」に、友人を誘って行って来ました。
一人で行ったときはさっさと通り過ぎてしまう、高層ロビーからの眺めですが、今日は友人と二人、絵画鑑賞の前に まずはのんびりと展望を満喫しました。
窓から見ると、窓のすぐ右手には モード学園の巨大なコクーンビルが迫っています。
眼下のほぼ正面辺りから向こうへと新宿通りが伸び、中央右手寄りに新宿御苑、そのさらに向こうの方に明治神宮の杜が見えます。
右手寄りの彼方には 東京のシンボル、東京タワー。
そして、見よ、それと ちょうど対称をなす左寄りの彼方には、次世代のシンボルとなるべき 未完成の東京スカイツリーが!
前回 この美術館に来たときにはなかった 新しい景観にびっくりでした。

さて、美術展です。
ウフィツィ美術館は、イタリアのフィフェンツェにある美術館で、イタリアルネサンス絵画で有名です。
あの「ヴィーナス誕生」とか レオナルド・ダ・ビンチの「受胎告知」なども所蔵しているのですよ。
また、自画像のコレクションは世界随一で、このたびは その「自画像コレクション」のお披露目なのです。
なんでも、ウフィツィ美術館の「自画像展示室」には 壁一面に、まるで卒業アルバムの顔写真ページみたいに、ズラ~ッと自画像が並んでいるらしい。
「それって、ちょっと怖いよね?
「周りじゅうからにらまれるんだよ
というのが、私と友人の感想です。

自画像・・・画家にそれを描かせた王侯貴族やパトロンたちは、その絵に何を求めたのだろう。
また、自画像を描く画家は、そこに何を表現したかったのだろう。

一点一点、そう考えながら見ていくと、大変興味深いものでした。
若く美しい女性画家が、美しい衣装に身を包んでにっこりほほえんでいる絵。
年取って、シワだらけシミだらけの老人画家が、くたびれた服装で薄目を開いている絵。
ルネサンス時代の画家が、背景の室内に、高級な品物や 教養を匂わせる楽器などを それとなく配置して描きこんでいる、思わせぶりな絵。
作者の自意識、主張、さまざまな感情の交錯などが描きこまれた「自画像」。
おびただしい数の、その「自意識の表現」である自画像をコレクションする、というのは、ある意味 すごいシュールでブラックな行為といえないでしょうか。
そう、描かれている「絵」を見るというよりも、そこに投影されている「念」を見るための、コレクション。

「自画像なんてさ、なんで描くの?」
「しかも、"画家が持ち込んだ"って書いてあるよ。自分から持ちこんだんだよ?」
「こんなのさ~、もらってもうれしくないよね。きれいな女性の絵ならまだしも、超リアルなきったないじいさんの絵なんて」
「自分の家族でも恋人でもないのにね~」
「よっぽどナルちゃんなんだね」
「私なら描きたくないよ、自画像なんて」
「ネエ~」
心配せんでも、誰もあんたらに自画像など頼まんよ。

さんざん言いたい放題に 巨匠たちの自画像を評論したうちら二人が、揃って気に入った「自画像」、それはコレでした!
マリー・ルイーズ・ド・ギール・ベルエンストラーレ《自画像》


ディズニーとビゼー

2010年11月08日 | レッスン日記(小中高生)
Sちゃん(小1)。
このごろでは、いつもママの付き添いなしに、一人でお家から教室まで来ています。
日が短くなったこのごろでは、Sちゃんが到着した時点で すでに暗くなっています。
それでも「平気!」と言って一人でやって来るSちゃん・・・去年の入門時から比べて、ずいぶんおねえさんになったもんですね。

今日は、曲集の中から「小さな世界」の右手をやってきました。
ディズニーランドのアトラクションでもおなじみの「小さな世界」は、みんなもよく知っている曲ですね。
よく知っている曲というのは、曲のイメージがつかみやすく弾きやすい、といったメリットがありますが、また同時に、なんとなくヤマカンで弾いてしまって、指番号を守らず 指が足りなくなったり、リズムがちょっとヘンだったり、といったデメリットも併せ持っているものです。
Sちゃんも、いい加減に弾いてしまっているところがあったので、指番号を直し、リズムを確認して「これを守って弾いてね」と言いました。
くり返し、何度も気をつけて弾けば、新しい指使いやリズムもしっかり定着します。そこで・・・

「あのね、Sちゃんが先に『♪せかいじゅう、どこだって~』から弾き始めて。そして『♪せーかいーは せまい、せーかいーは おなじ~』になるところから、先生が後から追っかけて『♪せかいじゅう、どこだって~』って弾き始めるよ。つられないようにね」と、カノンの演奏を提案してみました。
「え~っ、ドキドキする~」と言いながら、Sちゃんは嬉しそうに弾き始めました。
最初のうちは要領に慣れず、自分のメロディーがわからなくなったり、つられてしまったりしましたが、何度か繰り返すうちに、思い切って元気よく弾けるようになりました。
「じゃ、今度は反対!先生が先に弾き始めるから、『♪せーかいーは せまい~』のところが来たら Sちゃんが弾き始めて!」
「うん、わかった!」
後からのスタートは、さっきよりもっとむずかしくなりましたが、それでも何とか、がんばって弾くことができ
「おもしろい\(^O^)/」とSちゃんは生き生きしています。
よしよし、これで右手はバッチリ練習できたぞ。

「次の曲も、決めておいていい?」というSちゃんの要望に応え、あれこれ見たあとで
「これがいい。これが好き。幼稚園で、歌ったことあるもん」とSちゃんが見つけたのが「小さな木の実」でした。
これは、「カルメン」などでも有名な作曲家ビゼーの歌曲をアレンジして、日本語詞をつけたもので、リズムや伴奏がかなり難しい。
それに、曲調もマイナーで、歌詞もちょっと悲しい歌。
一年生のSちゃんには、どうかな・・・と思ったのですが・・・
「こんな感じよ」と 楽譜を弾いてあげると、Sちゃんは感じ入ったように、
「先生、もう一度弾いて。わたし、歌いたい」と言って、小さく添えられている歌詞をみながら、何度も何度も歌うのでした。
じゃ、この曲は、左手は難しいのでやらず、右手のメロディーだけやることにしようね、と、次の課題に決めました。
お迎えに来たママに このことをお話しすると、私と同じくちょっと驚かれ、
「悲しい感じの曲なんですよね・・・歌詞も悲しいし・・・」と言って、その後
「でも、私も、子どもの頃好きでした」とおっしゃいました。
小さな子どもでも、ビゼーの透明な曲は、ちゃんとキャッチするもんなのだ。と、ちょっと感動しました。