楽しんでこそ人生!ー「たった一度の人生 ほんとうに生かさなかったら人間生まれてきた甲斐がないじゃないか」山本有三

     ・日ごろ考えること
     ・日光奥州街道ひとり歩る記
     ・おくのほそ道を歩く

武隈の松(芭蕉の道を歩く 47)

2014年12月06日 09時04分22秒 | 芭蕉の旅
(奥の細道【14】武隈の松)
芭蕉は、斎川の甲冑堂を見て、籐の中将 実方の墓は、横目で通り過ぎ、
岩沼の歌枕で名高い「二木の松(武隈の松)」を観に行っている。

岩沼教育委員会の説明によると、

(この松は、陸奥(みちのく)の歌枕中でも、
詠歌で多い事では屈指の銘木である。
千余年前、陸奥の国司として着任した藤原元義が植え、
以後能因・西行をはじめ多くの歌人に詠まれるようになった。
元禄二年五月四日(1689年新暦では6月20日)、
この松を訪れた芭蕉は、
武隈の松にこそめ覚める心地はすれ。根は土際より二木(ふたき)にわかれて、
昔の姿失はずとしらる。
(中略)
 めでたき松のけしきになんはべりし。
」と書き、

・桜より 松は二木(ふたき)を三月越ㇱ

と結び、曽良の随行日記には、
岩沼入口の左の方に、竹駒明神と云う有。
その別当の寺の後に武隈の松有。
 竹垣をして有。その辺侍屋敷也。
」とある。
この松は植え継がれて七代目と言われ、
文久二年(1862)に植えられたものと伝えられている。)とある。
説明のように大きな松は歩道わき、竹垣に囲まれて植えられている。
この松は、156年前に植えられたものらしいがちょっと信じがたい。
それにしても大きくて一枚の写真には入らないので、先の方だけご覧ください。

(武隈の松の碑)
(武隈の松)
(根元は今も柵で囲まれ根元から分かれているのが解る)
(歌枕として読まれた歌碑)

歌碑の解説説明板から、次のように書かれていることが解った。

                  藤原元良
「宇恵し登き ち起里やしけ舞 多計久満の
         松をふたたび あ飛見つ留嘉那」
 
(植しとき ちぎりやしけむ 武隈の 松を再び 相見つるかな)

                  橘  季通
「堂希九万の 松八二木越 美屋古人
          い可がと問八ば み起とこたへ舞」
(武隈の 松は二木を みやこびと いかがと問はば みきとこたへむ)

歌碑の後ろには、「二木の松史跡公園」があり、
お休み処の東屋と芭蕉句碑がある。
手入れの行き届いた静かな公園となっている。

(二木の松史跡公園入り口)
(芭蕉句碑までの公園の雰囲気)
(芭蕉句碑)

竹駒神社が近くにあるはずで、
ここは日本三大稲荷と言われる立派なお稲荷さんがあるはずである。
三大稲荷とは、伏見稲荷、笠間稲荷と当竹駒稲荷らしいが、
日本全国に三大稲荷と称しているお稲荷さんはほかに沢山あるようだ。
例えば、子供の頃に「こっくりさん」で占う時、豊川稲荷大明神が出てきたが、
考えると稲荷神社でなく寺院であった。

とんだところへ話が飛んでしまったが、話を戻すと、

二木の松の歩道を少し東へ歩くと、参道入り口があり、
右手を覗くとお稲荷さんの赤い大鳥居が見える。
これが竹駒神社だ。
(竹駒神社への道案内の赤い灯篭)
(右手に見えた赤い大鳥居)

武隈(たけくま)と竹駒(たけこま)と読んで似ているところから、
もともとは竹駒神社にあった松のことではなかろうか。
そう思って竹駒神社に入って行くと、
すぐそばに同じような二本の松があった。
どちらが先でどちらが後か判らないが、松はある。
でもこちらは根元から二つに分かれていない。

(神社入口)
(神社の中の松)

しかし、曽良の旅日記には、
岩沼入口の左のほうに竹駒神社と云う有り。
 その別当の寺の後ろに武隈の松有。」
とあるから
竹駒神社の二本の松は、武隈の松ではないことが分かった。

(山門)

二本の松の奥に山門があり、
その横に土井晩翠の歌碑がある。
土井晩翠は仙台の人で、有名な荒城の月の作詞家で知られるが、
戦後の荒れ果てた時代に、この竹駒神社で講演し、
近隣の青年達に深い感銘を与えたと言われる。
その時に詠んだ歌、晩翠の真蹟を石に刻んだもの、

・竹駒の 神のみやしろ もうで来て
        綻びそめし初桜見る  晩翠
(晩翠の歌碑)

その奥に本殿がみえるが、芭蕉の句碑が見えないので探す。
山門の手前、一の鳥居をくぐり直進し道路が直角に左折しているところの右角に、
二木塚として残されている。
石柱は並んで二本あり、その一つは

芭蕉翁 佐くらより松は 二木を三月越し」とあり、
左面に
當社よ里二木の松へ二丁程)とあり、
もう一つの石柱には、

芭蕉翁六世 東龍斉 謙阿 桜よ里 松は二夜の月丹(に)こ楚(そ
とあり、こちらは名月塚と呼ばれている。

(並んで建っている二木塚と名月塚)


・秋空の 二木の松に 心揺れ   hide-san

コメント (12)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

Potora!  NTTグループ運営!