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楽しんでこそ人生!ー「たった一度の人生 ほんとうに生かさなかったら人間生まれてきた甲斐がないじゃないか」山本有三

     ・日ごろ考えること
     ・日光奥州街道ひとり歩る記
     ・おくのほそ道を歩く

ロブスターディナー(5)

2012年09月17日 10時05分58秒 | 海外旅行1
(ロブスター)
その夜は、ロブスターディナーと名づけた
旅行社御自慢のディナーが用意されていた。
料理で有名なフランスでは「オマールえび」と言い、
日本名では「ウミザリガニ」といい、
えびの仲間では最大級とされる。
ちなみに「イセエビ」はスパイ二ーロブスター
(「棘のあるロブスター」)と言うらしい。

ボク自身はエビ・カニの類はあまり好きでない。
ボクに言わせれば、味も素っ気もないからである。
しかし生きているエビとカニを刺身で食べるのは好きだ。
食感がよいからである。

レストランに着くと、一つのテーブルに六組12名が着席する。
ウエイターの方が大皿に生きた海老を一匹乗せて、
六組の皆さんに見せた。
大きなロブスターである。
日本では、海老の大きなものと言えば「イセエビ」であるが、
この海老は実に大きい。背の部分に手を乗せてみたが、
手のひらを一杯に広げても背中を持ち上げることが出来ない。

両のハサミが動いているがこれだけでもカミさんの
手のひらくらいはある。
ボクは大きさにビックリしたが、カミさんは早く食べたいらしく、
もうにこにこしている。

皿が下げられ、12の山に分けられた12人分の刺身と共に
まだ動いている頭の部分が出て来た。
尻尾の部分だけで12人分ある。
ボクたち夫婦を除けば、
あとの五組はそれぞれ新婚さんである。
新婚で胸が一杯なのか、
生ものはお腹に悪いからなのか、
今夜のことが気に掛かっているのか、
新婚さんたちは誰も箸をつけない。
ボクは何十年か前の新婚旅行を思い出したが、
その話はいずれお話したいと思います。


ボクたち夫婦だけが醤油をつけて、
今思い出すとわさびがあったかどうか忘れたが、
オーストラリアのフルーティなワインと一緒に
自分たちの分は瞬く間に平らげた。
美味しいことこの上もない。
こんな美味しいものが他にあるだろうか?と思うくらい。

しかしあとの五組はまだ誰も箸をつけない。
こんな時、年を経た人生経験豊かなボクたちにかかってはたまらない。
皆さんにお尋ねして、残っている刺身を頂戴したが、
さすがに12人分は食べ切れなかった。
 
ウエイターの方が残りを下げに来て、
「この頭と足と手をこれから茹でて持ってきますので、
しばらくお待ちください」と言った。

その後、同席の皆さんに新婚旅行か?
どちらから来たのか?
恋愛結婚か?
お見合い結婚か?などなど、
ねほりはほり聞いているうちに、
頭の部分が茹で上がってきた。

新婚さんの皆さんは殆ど手を出さない。
ボクとカミさんが両の剪部分を採って食べたが、
カミさんの握りこぶしほどの大きさの剪みはさすがに食べ出があった。

ボクの人差し指ほどの太さの海老の足を、
一本づづ取って、皮を剥いてやって、
新婚さんに手渡して、
「美味しいから食べてごらん」と無理やり食べさせた。

すこし食べて、元気を出して、二人だけの静かな夜を
迎えて欲しいからだ。
余計なことだが・・・

それにしても、大きければ大味だと言うのに、
あんなに大きかったのに、
ロブスターの美味しかったこと、
未だに忘れることが出来ない。
世界遺産なんて、くそ食らえ、
これだけのためにもう一度、
オーストラリアに行きたいものである。


(つづく)
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南十字星(4)

2012年09月13日 10時13分08秒 | 海外旅行1
(南十字星)
サザ―ンクロス=Southern Cross
英語はやはりこの方が分りやすい。
「南十字星」のことだ。
昔から日本では外国語に憧れがあるのか、
外国語の使いたがり屋が多い。

サザーンクロスが気になって、
同名のゴルフ場に行ったことがある。
今でもあるかどうか知らないが、伊豆にあった。
ごく普通のゴルフ場であったことを覚えている。

北半球にいる日本人にとって、
「南十字星」は憧れの星座である。
南半球に行ったら何が何でも見てこないと、
話にも何もならない。
しかし期待が大きすぎると、がっかりしてしまうことが多い。

代表的な例が東尋坊。
(その地方の方には、申し訳ありませんが)
写真やテレビ画面で見ると、
すごい断崖絶壁がえんえんと続くように見える。
しかし行ってみると、断崖絶壁はほんの一部しかない。
ツアーには、永平寺がつき物になっているから、
こちらの古刹で我慢することになる。
修行する坊さんの姿、立ち居振る舞い、
毎日の生活などなど興味尽きない。

観光地にはこうしたところが結構ある。
今まで旅して(沢山したわけではないが)案内パンフレットや
ガイドブックを読んで期待して、旅をして、
期待通りであったところは、
カナダとスイス、カンボジアのアンコールワット、
エジプトのピラミッドであった。

南十字星に戻る。
人家が少なく、電灯の光が少ないオーストラリアの星空は、
プラネタリュウムを見ているように、星が瞬いている。
当たり前のことだ。

ガイドさんに聞いたら、すぐに教えてくれた。
ホテルに帰るために乗るバスの横で。

何でバスが出てくるかと言うと、
ガイドさんが指差して教えてくれた。
「真上に見える星がそうです」という。
「どれですか」観光客が集まってきた。
「なんですか?」
「いえ、南十字星がどれだか教えてもらっているのです」
とボク。
「バスの屋根の端にある星を南十字星といいます」
「線を引くと台形に見えるあの四つの星?」とボク。
「そうです縦(たて)横(よこ)に線を引くと
クロスに見えるでしょう」
ボクの想像では、星座そのものは、もっと大きなもので、
輝きも素晴らしいものを予想していたのに、
バスの屋根の端に懸かる四つの貧弱な星。


(南十字星はどれでしょうか?)

バスがなかったら、探すのに時間にして十分以上
かかったに違いない。
手をかざしてみると、なんと手のひらに入るくらいの大きさ。
ボクに言わせれば「なーんだ、あんな小さなものか」
感動も何もありはしない。

カミさんにも教えたが、
どれだどれだと、なかなか分かってもらえない。
そんな星座。
教えてもらわないで、憧れのままにしておいて貰った方が、
よほどロマンティックであった気がする。

(つづく)
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ペンギンパレード(3)

2012年09月09日 10時39分12秒 | 海外旅行1

(ペンギン)

カミさんに急かされて、ペンギンパレードを見に行く。

海岸近くの潅木が密生している場所へ着く。
日本の湿原に在るような板でできた通路があり、
その木道を通って砂浜に出た。

沢山の観光客が波打ち際から
20メートルほど離れたところに蹲っている。
ここでペンギンのパレードが見られると言う。
ボクの好奇心が先ほどからうずうずしている。

どうしてこの海岸でペンギンがパレードするのだろうか?
疑問はこの一点にある。
アナウンスでペンギンが来てもフラッシュをたいて
写真を撮らないで下さい。と放送が繰り返されている。
周りを見ると観光客は殆どが日本人ばかり。
しかも若くて可愛いカップルばかり。
ボクたちのような年配者は殆ど見かけない。

フラッシュと一緒になぜ写真を撮ったらダメなのか、と考えているうちに、
続いてアナウンスがある。
「フラッシュでペンギンが失明する恐れがありますので、
絶対にフラッシュを焚いて写真を撮らないで下さい。」
なるほどとボクも納得する。

陽は殆ど落ちていて、今まで群れを成していたカモメも
姿を消した。

すると海の波に乗って、
白い魚なのか鳥なのか見分けのつかない物体が浮き上がってきて、
うねっている波に乗っている。
やがて波が砂浜に打ち寄せると同時に、
その生き物は砂浜に立ち上がった。

ペンギンである。

写真を撮ってはいけないといわれると、
この貴重な一瞬をカメラに収めたいと思うのは、
カメラを持つものの共通の思いなのだ。
今のカメラは、光が不足すると
自動的にフラッシュを焚くように出来ており、
暗くてもフラッシュを焚かない設定ができるようになっているが、
暗くてその設定がままならないので、
ボクはシャッターをきるのを諦めていた。

すると誰かがシャッターをきったのであろう、
フラッシュが光った。
すると係員が飛んできてカメラの所有者に文句を言っている。
英語だから何を言っているのかわからないが、
注意をしていることだけは、口調でわかる。
当然のことだ。ペンギンが失明でもしたら、このイベントは
永久に中止させられることは明らかだ。
それほど自然を大切にする国だからである。

その一例に、
飛行機から降りて入国する前に、
入国申請書に、今までに日本で農業に従事していたか?
と質問があるくらいだ。
どうしてこんな質問があるのかというと、
靴や衣服に日本の雑草の種などがついており、
それがオーストラリアに落ちて、
オーストラリアの自然を変えることを恐れているからだと言う。

入国審査の窓口についても、
食べ物の持込みについてチェックされる。
持ち込む人と持ち込まない人は、
審査窓口が違っていたように思う。

その昔、イギリス人が移住してきた時、
虫が異常に多かったので、
天敵としての蛙を、イギリスから持ち込んだ。
するとこの蛙が瞬く間に異常繁殖して、
オーストラリア全土に広がり、
生態系を替えたことが悔やまれての措置である。
いまだに蛙は繁殖が続いているらしい。

話がそれたが、ペンギンは次から次へとやってきて、
時には群れを成して、
波打ち際に立ち、列を組んで右側の方へ歩いていく。
右側とは、先ほど注意をした係員がいる
方向へである。

そのあと何処へ行くのか?

しばらくして、ペンギンが砂浜へ来なくなってしまった。
辺りは月明かりで思ったより明るい。
ガイドさんの帰宅の掛け声で、
みんな一斉に立ち上がりペンギンパレードは終わる。
木製の板道を歩きながら、脇を覗いてみると、
何か蠢くものがいる。
暗闇に目を凝らすと、先ほどのペンギンたちである。
思い思いに毛づくろいをしている。

木道の脇のブッシュは、ペンギンたちの棲家である。
彼らが海で餌を取り、巣に戻ってくるところを、
人間様が大勢で見に来ているのだ。
立って歩く珍しい鳥、ペンギンの行動だから見世物になる。
これがカラスの行動だとしたら、
何人の人が見に来るのだろうか?
頭の中で笑ってしまった。

旅はこれだから楽しい!

帰り道で、南十字星がどれなのか教えてもらった。

(つづく)
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鳥海山麓ー獅子が鼻湿原

2012年09月06日 10時10分03秒 | つれづれなるままに考えること
8・20朝、象潟の宿泊ホテルを出発する。

(車窓から鳥海山を見る)


今日、初めて歩く異次元への迷路、かってない癒しの世界。

森へ入る前、これから歩く道路地図を見る。

(獅子が鼻湿原の地図)


観光案内人は、リュックに大きな熊除けの鈴を付けている。

これだけ多くの人が歩くから、熊のほうも恐れをなして近づかない。

「でも、もし出会ったら、くまの目を見てゆっくり後ずさりして、

充分な距離を得てから逃げ出しましょう」とガイドは語る。

杖が沢山掛けてある、必要な人はお持ちください、と書いてある。

そんなにアップダウンがあるのだろうか、心配になってきた。

(山へ入る道)


(山へ入る道2)


いよいよ、山の中へ入っていく。

鳥海山の中を巡って、80~100年かけて湧き出してくる水が、

流れとなって川になり、赤川と名づけられ、

これに架けられた橋を渡る。

湧き出る水の温度は、7~8℃、

冷蔵庫に冷やした水と変わりない。

山道を登ってきた観光客には、喉を潤すにもってこいの水であるが、

手が届かない。

(赤川の流れ)


(赤川に架けられた橋)


(赤川に架けられた橋2)


赤川に掛かる橋を渡ると、いよいよ山中に入る雰囲気で、

木道も登り勾配になり、

この辺りから奇形のブナの木が現れる。

そのようにガイドさんから説明を受ける。

(ガイドさんから説明を受ける観光客)


(ブナの木)


(奇形のブナの木)


(奇形のブナの木2)


(奇形のブナの木3)


(奇形のブナの木4)


(奇形のブナの木5)


ブナの木は、幹の根元から2m足らずのところにこぶが重なり合い、

そこから枝が幾重にも伸びている。

かって炭焼きが行われたこの地では、

積った雪の上に出ている幹を伐って利用していた。

それを繰り返すうちに、切り株がコブ状になったという。

(炭焼きかまど跡)


その木のコブが根元から2mも上にあるということは、

雪がその高さまで降り積もっていたと言うことに驚いた。

そんなに雪深いところで木を伐り、

炭を焼いた先人の苦労が思いやられる。

そして現代があることに感謝したい。

そして一段と高い所に大きな奇形のブナの木がある。

本日観光の目玉、「あがりこ大王」である。

(あがりこ大王)


アガリコとは薪や炭の材料にするために切られた枝の跡が、

こぶ状になったり変形して生長することなのだそうだ。

雪の重みで折れたりして自然にアガリコになることも有るが、

この森のアガリコは人の手によるものだ。

そいして、大王ということは、

この木がこの森の中で一番大きなブナの木であることだ。

ブナの一本の木が何トンもの水を蓄える、

水瓶(みずがめ)の役目をしている事も習った。

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日本一長~い切符、山形鉄道ー蚕桑駅(こぐわえき)よりフラワー長井線に乗る

2012年09月03日 09時58分00秒 | つれづれなるままに考えること
(おかいこ姫物語の旗がひらめく蚕桑駅)


バスで山形鉄道フラワー長井線、蚕桑駅に到着するも無人駅。

よほど乗客も少ないのであろう、

自転車置き場においてある自転車は三台しか置いてない。

朝、通勤でここまできて電車に乗り換えたものと思われる。

(蚕桑駅)


JR東日本が独立した時、地方の赤字路線を廃線にする計画を立てた。

この長井線も例に漏れず廃線になる予定に入っていた。

ところが長井駅までの区間に高等学校が四校あり、

通学に支障を来たし、自治体が第三セクターとして運営する事になり、

廃線を免れた。

(蚕桑駅に入る列車)




(スイングガールズ)


しかし、経営は厳しく、乗客集めに右往左往した。

旅行社にお願いしてお客様を誘致する。

沿線に平行した葉山山麓の古木の桜見物に、

夏の稲が盛んな時には、「夢プロジェクト」と題して、

村を挙げての「田んぼアート」を作り、

集客に努めた。

(田んぼアート)


山の手前、広がる田んぼの向こうには、

芭蕉の句「五月雨を集めて早し最上川」で知られる、

最上川が流れる。

(2012年の田んぼアート)


土地の方に言わせると、いささか巨乳になってしまったと嘆く。

田植え前から図案を練り、図案どおり黒や黄色の稲穂の田植えをし、

育てる苦労を忘れて、観るものは「おー!」と感動の一声。

昨年は若い男女のデートの絵であったそうな。

(山形鉄道「長井駅」)


(駅前の水車)


終点の長井駅を降りるとき、

山形鉄道の社長発行の「応援証明書」と「世界一長い切符」をいただいた。

(長さ30・5cmの切符)


切符には、

「JTB100周年記念乗車券 日本一長~い30・5kmの切符を皆様でつなげよう!」

と書かれている。

この切符は長さ30.5cm、なんと10万枚つなげると(30・5km)になり、

フラワー長井線の総延長30・5kmになる、とある。

また、応援証明書によると、

(あなたは「日本一長~い切符」を購入し、

フラワー長井線全線30・5kmのうち、30・5cmをつないで、

応援した事を証明します。)とある。


旅行社の「やらせ」とは言いながら、

赤字路線を応援して黒字化にいくらか応援できたかなと、

いささか鼻高々な気分にさせてくれた。

(応援証明書)
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