休日はデジカメ持ってぶらぶらと📷

アメフト観戦記や読書日記を綴っていましたが、最近は古墳(コフ)ニストとして覚醒中!横穴式石室をもつ古墳にハマっています。

奈良国立博物館「重源展」

2006-05-14 20:50:34 | 博物館へ行こう
 GW、家族で奈良国立博物館へ「重源展」を鑑賞に行きました。重源ってお坊さんを知ってます。平安末期から鎌倉時代を生きた、治承、寿永の戦いで焼失した東大寺を再建した人です。今どきは教科書に出てくるのかな。展示自体は比較的文書類が多いのと鎌倉時代の彫刻が展示されていました。鎌倉時代の彫刻は、戦乱の時代であったことを反映してか非常に厳しい表情をした彫刻が多いのが特徴的だといわれていますが、本当にそのとおりだと思いました。重源像も何体か出品されていました。ちょっとずつ年齢も違うそうですが、やはり東大寺に伝えられている国宝の重源像は、特に人間というものの味わいを感じさせてくれる。深いしわ一つずつに深い年輪を感じさせ、長い齢を重ねた人間だけが持つ深みを思う。考えれば今の世の中ほど年を重ねることを軽視している時代もないだろう。悲しいことではある。
 しかし鎌倉時代の写実的な彫刻は、それまでの女性的な中、後期の彫刻であったり、神秘的な貞観時代の彫刻とは違う、人間を深く描いているような気がする。おそらく日本の美術史のなかで、鎌倉時代は一つのピークだったように思う。この時代の彫刻を見ていると人間とは柄にもなく考えてしまう。おそらくいろいろな新仏教が現れ、仏教思想史としても一つのピークだったこの時代、民衆に人間とはと内省を促す契機となったのではないだろうか。中にはなかなか面白い彫刻も何体かありました。髪の毛がアフロみたいになっている如来像や、生首をたくさん自分の首につっている神像もありました。
 また文書類で重源の活動範囲を見ていると山口から鎌倉までかなり広いことがわかる。当時の交通を考えると大変なことではある。鎌倉では将軍頼朝に会い、東大寺再建のため多額の寄進を受けたようだ。
 重源という人は、紀氏の一族だそうです。そういえば文書を見ていると和歌山の方の地名が目につきました。関係があるんでしょうか。
 それから重源が東大寺の再建に取り掛かったのは60歳を超えてからとのこと。すごいことです。
 
 なかなか見ごたえのある展示でした。また当日は館の中庭にある庭園にも出られるようになっていて、赤い花をつけた木が美しかったです。八重桜も残っていて、花びらが風に吹かれて舞ってました。

 奈良国立博物館「重源展」HP
 http://www.narahaku.go.jp/exhib/2006toku/chogen/chogen-1.htm

 重源についての解説
 http://ja.wikipedia.org/wiki/%E4%BF%8A%E4%B9%97%E5%9D%8A%E9%87%8D%E6%BA%90

 
 
 
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