地震・プレート・陸と海 ~地学入門~
深尾 良夫 著 岩波ジュニア新書
本当に久しぶりの読書日記である。本は読んでるんだけれどもなんとなく書く気が起こらず、書名を打つも後はそのままという状況が続いていた。お正月も長期休暇に備え、本を大量に買い込むもそのままになっているという感じで、ただ何の気なしに日時が立っているという感じである。無為に時を過ごしているなあと思ったりしている今日この頃ですが、珍しく一気に読了してしまった。
地球って意外とわかっているようでわかっていないみたいです。そうした中、地学という分野も大きく考え方が変貌しているみたいです。地球を考えるとき、地殻があって、その下にマントルがあって、その下にどろどろした外核があり、こっちんこっちんの内核がある。とにかく地殻なんてのはがっちがちで固定した存在と思ってましたが、そうではないようです。大地を考える際に大事なのは、実は近くは浮かんでいるんだということのようです。地殻を含めたカチカチの固体として上に浮かんでいる部分を、リソスフェアといい、その下の部分をアセノスフェアといい。ゆっくりと流れる固体の部分であるそうです。そして近くも含めた陸地の部分はこのアセノスフェアというものの上に浮かんでいるということになるわけです。そしてこのアセノスフェアがゆっくりと動いていることから、それの上に浮かんでいる私たちの大地もゆっくりと移動していくことが理解できると思います。動いているといっても年間数センチ程度です。ただそれが何千万年単位となるとすごい距離が動くことになるのです。この間、昔地学の先生をしていた方を話していたら、時間の単位がぜんぜん違うことに気がつきました。人間の歴史など地球上では一瞬の出来事なのだと実感した次第。考えてみれば1年に1センチ動いたとして、1万年だと100メートル動いて行くわけで、さらに1億年だと1000キロ、移動していくわけです。結構な距離になっちゃうことがわかります。ちなみのはじめひとつの大陸だった「バンアゲ」大陸が分裂して、移動し始めたのが2億年前だそうです。しかも驚くことにインド大陸は今でも、ちょっとずつユーラシア大陸の下にめり込んでいるそうで、そのためエベレスト山脈やチベット高原は少しずつ盛り上がっているそうです。
海底も当然動いているのですが、どうも大陸のほうが古いそうです。海底は古くても2億年前しかなく、大陸はもっと古いものもあるそうです。その理由としては、大陸は海底より軽く、ただ浮かんでいる状態なので、海溝などに沈んでいくことはないらしいです。昔、私が抱いていたイメージはプレートの移動とともに大陸も一緒に動いて、いずれはそのまま一緒に海溝に沈んでいくのかなと思ってました。ところが実際はそんなことはないそうで、ただし海底プレートが動くのをやめると沈んでいってしまうとの事。「日本沈没」も海底プレートの動きしだいで実際に起こるということらしいです。
そしてこのプレートの動きが地震をも引き起こすのだそうです。地震は海溝部分に集中しているらしく、結局この海底プレートが海溝に沈んでいくときに、日本列島をちょっとづづ引き込んでおり、その時のストレスがたまって爆発することで地震がおこるんだそうだ。何か人間みたい。昔のオバQに出てくるO次郎みたいなもんだな。うーボンって感じ。ただし本書が書かれたのが1985年。残念ながら阪神・淡路大震災はまだ起こっていない。同地震に対する著者のコメントも聞きたかった気がする。
そして最後に山はどうして高くなっているのか、まだまだわからないことは多いようです。これから学問を志そうという読者にちょっとした道しるべという感じでしょうか・・・。
本書が書かれたのは1985年、まだ私が高校生の時代です。そのころ地学でこんなこと習ったかな。(私の母校では、当時文系・理系の区別がなかったので、一応理系の科目も授業があった。)まだ大陸移動説も仮説だったような気がする。学問の最前線と学校の授業内容とは大いにかけ離れていたということでしょうか。しかし久しぶりに知的興奮を覚えさせてくれました。面白かったです。しかし40前になって急にこういう理系の本が面白いとおもいだし、岩波ジュニア新書を読み漁ってます。こんな本子どもにだけ読ませておくのは非常にもったいない。というか岩波新書も中公新書もなんか内容が軽くなって、むしろ岩波のジュニア新書のほうが骨太な本を出しているような気がしますがどうでしょう。ただ惜しむらくはすぐ絶版になるというところでしょうか。結構お勧めな本です。
深尾 良夫 著 岩波ジュニア新書
本当に久しぶりの読書日記である。本は読んでるんだけれどもなんとなく書く気が起こらず、書名を打つも後はそのままという状況が続いていた。お正月も長期休暇に備え、本を大量に買い込むもそのままになっているという感じで、ただ何の気なしに日時が立っているという感じである。無為に時を過ごしているなあと思ったりしている今日この頃ですが、珍しく一気に読了してしまった。
地球って意外とわかっているようでわかっていないみたいです。そうした中、地学という分野も大きく考え方が変貌しているみたいです。地球を考えるとき、地殻があって、その下にマントルがあって、その下にどろどろした外核があり、こっちんこっちんの内核がある。とにかく地殻なんてのはがっちがちで固定した存在と思ってましたが、そうではないようです。大地を考える際に大事なのは、実は近くは浮かんでいるんだということのようです。地殻を含めたカチカチの固体として上に浮かんでいる部分を、リソスフェアといい、その下の部分をアセノスフェアといい。ゆっくりと流れる固体の部分であるそうです。そして近くも含めた陸地の部分はこのアセノスフェアというものの上に浮かんでいるということになるわけです。そしてこのアセノスフェアがゆっくりと動いていることから、それの上に浮かんでいる私たちの大地もゆっくりと移動していくことが理解できると思います。動いているといっても年間数センチ程度です。ただそれが何千万年単位となるとすごい距離が動くことになるのです。この間、昔地学の先生をしていた方を話していたら、時間の単位がぜんぜん違うことに気がつきました。人間の歴史など地球上では一瞬の出来事なのだと実感した次第。考えてみれば1年に1センチ動いたとして、1万年だと100メートル動いて行くわけで、さらに1億年だと1000キロ、移動していくわけです。結構な距離になっちゃうことがわかります。ちなみのはじめひとつの大陸だった「バンアゲ」大陸が分裂して、移動し始めたのが2億年前だそうです。しかも驚くことにインド大陸は今でも、ちょっとずつユーラシア大陸の下にめり込んでいるそうで、そのためエベレスト山脈やチベット高原は少しずつ盛り上がっているそうです。
海底も当然動いているのですが、どうも大陸のほうが古いそうです。海底は古くても2億年前しかなく、大陸はもっと古いものもあるそうです。その理由としては、大陸は海底より軽く、ただ浮かんでいる状態なので、海溝などに沈んでいくことはないらしいです。昔、私が抱いていたイメージはプレートの移動とともに大陸も一緒に動いて、いずれはそのまま一緒に海溝に沈んでいくのかなと思ってました。ところが実際はそんなことはないそうで、ただし海底プレートが動くのをやめると沈んでいってしまうとの事。「日本沈没」も海底プレートの動きしだいで実際に起こるということらしいです。
そしてこのプレートの動きが地震をも引き起こすのだそうです。地震は海溝部分に集中しているらしく、結局この海底プレートが海溝に沈んでいくときに、日本列島をちょっとづづ引き込んでおり、その時のストレスがたまって爆発することで地震がおこるんだそうだ。何か人間みたい。昔のオバQに出てくるO次郎みたいなもんだな。うーボンって感じ。ただし本書が書かれたのが1985年。残念ながら阪神・淡路大震災はまだ起こっていない。同地震に対する著者のコメントも聞きたかった気がする。
そして最後に山はどうして高くなっているのか、まだまだわからないことは多いようです。これから学問を志そうという読者にちょっとした道しるべという感じでしょうか・・・。
本書が書かれたのは1985年、まだ私が高校生の時代です。そのころ地学でこんなこと習ったかな。(私の母校では、当時文系・理系の区別がなかったので、一応理系の科目も授業があった。)まだ大陸移動説も仮説だったような気がする。学問の最前線と学校の授業内容とは大いにかけ離れていたということでしょうか。しかし久しぶりに知的興奮を覚えさせてくれました。面白かったです。しかし40前になって急にこういう理系の本が面白いとおもいだし、岩波ジュニア新書を読み漁ってます。こんな本子どもにだけ読ませておくのは非常にもったいない。というか岩波新書も中公新書もなんか内容が軽くなって、むしろ岩波のジュニア新書のほうが骨太な本を出しているような気がしますがどうでしょう。ただ惜しむらくはすぐ絶版になるというところでしょうか。結構お勧めな本です。
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