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アメフト観戦記や読書日記を綴っていましたが、最近は古墳(コフ)ニストとして覚醒中!横穴式石室をもつ古墳にハマっています。

飛鳥の石造物② ~猿石~

2017-04-15 15:44:22 | 史跡を歩く
 平田梅山古墳(伝欽明天皇陵)の西にある丘を登ったところに吉備姫王墓と伝えられている塚の周りに猿石と呼ばれる異形の石造物がある。猿石と呼ばれる石造物は、鳥居を挟んで左右に2体ずつ置かれており、左から「女」「山王権現」「僧」「男」と呼ばれている。ただし、吉備姫王墓の敷地内にあるため、柵ごしに眺めることになる。

 【女と山王権現】

 

 【僧と男】

 

 石造の名称自体は、後になって名付けられたもので名称が、その像を表しているものではない。例えば「僧」と呼ばれる石像については、「僧」ではなく、「力士」を表しているのでがないかとも言われている。しかし、どの石像もユーモラスな表情をしており、どこか異国調な姿をしている。日本の風俗を表しているのではないような気もする。それぞれの石像をよく見ると、「女」と呼ばれる石像は、胸のところに明らかに乳房を表すようなふくらみがある。「山王権現」は、頭に頭巾をかぶり、膝をついて座っており、見事な太鼓腹をしている。その下には陽物が露出している。「僧」は、丸坊主頭で、「男」も写真では木の葉で見えないがこの像も陽物を見せている。なんか顔が翁を彷彿とさせる。また、「女」「山王権現」「男」の3体は二面石となっていて、裏側にも顔があるらしい。

 【女】

 

 【山王権現】

 

 猿石については、もともとこの場所にあったものではなく、江戸時代に平田梅山古墳の南側の畑地から掘り出され、一時平田梅山古墳の南側に並べられたが、明治になって、吉備姫王墓の敷地内に移されたらしい。

 【僧】

 

 【男】

 

 なお、猿石については、この4体だけではなく、その他にもいくつか掘り出されているらしい。例えば、高取城にも猿石と呼ばれる石があり、その石像も同じ場所から見つかったものである。

 【高取城の猿石(模造・飛鳥資料館)】 

 

 また、橘寺にある二面石も、もともと橘寺にあったものではなく、他所から持ってきたものとされており、猿石と同じ場所から持ち込まれたものかもしれない。この他高取町内のお寺にも人頭石と呼ばれる石像がある。

 この猿石が何を表しているのか、あるいは使途については、いまだ定まったものはない。猿石については、伎楽の演者を表しているという説もある。確かに「男」の顔などを見ているとそんな気になる。また、これらの猿石が出土した場所の近く、平田キタガワ遺跡と呼ばれる飛鳥時代のものと思われる庭園の遺構が検出されている。猿石もその遺跡と関連が見てよさそうではある。庭園の中に造られた池の周りに置かれていたのかもしれない。平田キタガワ遺跡については、現在は住宅地になっていて、案内板は、まったく置かれていない。
 猿石について、謎の石造物というよりはいろいろな遺跡の発見とともに姿が見えてきている。これからの発見に期待である。

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