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アメフト観戦記や読書日記を綴っていましたが、最近は古墳(コフ)ニストとして覚醒中!横穴式石室をもつ古墳にハマっています。

六道の辻 ~珍皇寺と子育て幽霊飴~

2017-09-14 18:11:38 | 史跡を歩く
 身内に不幸ごとがあったのとほぼ同時にこれまで使っていたパソコンがダウンするというアクシデントもあり、しばらくブログを書くという時間も気力もなかったため、1か月ほど放置をしてたけども、ようよう何か書こうという気持ちの余裕と時間が出て来たというところで今回である。
 そういったこともあり、亡くなった方を偲んでお参りをしておこうと大谷さんへ行った帰りに、五条通から松原通を西へ入ってしばらく歩くと、六道の辻と呼ばれる場所がある。この辺りは五条通が観光客でごった返しているのと反対に人通りも少なく、古い町並みは比較的残っているので、昭和の風情が残ったたたずまいをしている。
 松原通と大和大路が交わる所が「六道の辻」と呼ばれ、あの世とこの世の境とされ、「冥途の通い路」と言われている。
 そういう目で見ると古い町並みから、何となく古い民俗信仰というものがそこはかとなく感じられるものがある。ちなみに六道というのは、地獄、餓鬼、畜生、修羅、人間、天上ということで、あの世のことであり、ここから先が古くからの葬送の地であった鳥辺野の入り口ということもあり、ここから先はあの世という信仰が生まれたのであろう。現在でも、この六道の辻から大谷さんへはかなり近く、あの世と近い場所にあることは変わりない。

 この六道の辻と接し、盂蘭盆会の時期は、「六道まいり」で賑わう珍皇寺が建っている。お寺の赤い門の前には大きな石碑には六道の辻という文字が刻まれている。

 

 境内は、本堂と閻魔堂、鐘楼、収蔵庫が建っており、そう大きな寺院ではない。ただ、数々の伝説から清浄な空間という感じが伝わってくるような感じである。

 

 入って右手に、閻魔道と鐘楼が並んでいる。

 

 閻魔道の中には、閻魔さんと小野篁の木造が並んで安置されている。小野篁は、参議篁として、百人一首にも採録されている平安時代の貴族であり、あの世では閻魔大王のそばで裁判の補佐官をしていたという伝説のある人物である。

 【閻魔像】

  


 【小野篁像】

 


 そして。小野篁があの世とこの世を行き来したと伝えられる冥途通いの井戸が本堂の奥に残っている。井戸については、本堂の横の板戸越しに見ることができる。

 ちなみに小野篁が閻魔大王の補佐をしていたという伝説は、早くも平安時代の末期には成立していたといわれている。調べてみると、地獄に落ちた紫式部を助けたという話もあるらしい。そのかかわりで、京都の堀川北大路には、紫式部の墓と小野篁の墓が並んでいるらしい。残念ながら、その地はまだいったことがない。近くまでは行くのだがなあ。

 それから、閻魔堂に並んで、柱が朱色に塗られた鐘楼が建っている。この建物の横から、鐘を鳴らすための縄が出ており、この鐘をついて、盂蘭盆会にはご先祖様の霊をお迎えするのだという。僕もお盆からは少し時期が外れていたのだが、亡き人を偲び鐘を撞かせていただいた。縄を引くとかすかにお堂の中から鐘の音が聞こえた。鐘の音は彼岸の世界まで聞こえただろうか?

 

 本堂には、薬師如来がまつられている。本堂にもあの世の境と書かれた提灯がつられていた。現在は、その本堂の入り口の横に「有頂天家族」と書かれたアニメの絵が建っている。テレビアニメの聖地になっているのだろうか?見ると若い女性が何人かが絵の横で写真を撮っていた。

 

 これから、また新しい伝承・伝説が生まれてくるのかもしれない。

 珍皇寺を出て、松原通を少し下ったところに「子育幽霊飴」と染め抜かれた幟が建っている。昔、妊娠した女性が、死んだあとお墓の中で子どもを産み、子どもをそだてるために夜ごとに飴を買いに来たのがこの飴屋さんなのだそうだ。(この話は、落語にもなっているような気がするなあ。)

 

 この飴屋さんは、江戸時代から続いているそうで、庶民的ではあるが、いかにも古くから続いているお店という風情を保っている。せっかくなので、一つ買って帰ることにした。

 

 飾りのない感じがいいなあ。ただ、中身は開けていないのでわからない。お供えしたまんまである。後日、水木しげるの「寝ぼけ人生」という自伝を読んでいるとこの子育て幽霊の話が出ており、鬼太郎の誕生秘話のモチーフにしたそうである。妙なところでちょっとしたことが繋がるものである。

 この六道の辻を南に少し行くと六波羅密寺である。中世にはこの辺りは、民衆の信仰の中心地だったのかも知れないと思い、六波羅蜜寺に向かうことにした。

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