令和2年11月7日(土)
コロナ感染症対策として、毎回のように調査員による全体説明がなく、質問があれば個別対応という形になっていた。僕としては、とりあえずいろんな所で質問攻めにあっている調査員の話を耳をそばだてて聞き入ることにした。
とにかく、こういった生の遺跡を直接見る機会が持てたという事がありがたい。(古い人間なのか、動画での説明ってなかなか味気なくって全く頭に残らない。)
そして第205次調査である。今回は、前回の調査で検出した東面回廊について、調査区をさらに北に伸ばした形で実施している。
今回の調査により、回廊の柱位置や藤原宮に先行する四条条間路が検出され、これらの結果から、大極殿院東面回廊及び内庭東北部の様相がほほ解明された。
東面回廊は、礎石建ち、瓦葺の複廊であると考えられ、橙褐色粘質土を版築して造成されている。
回廊部分の礎石の据え付け穴。ニョキと出ている杭は、1934年時の調査時のものらしい。
東面回廊の今回の調査区では、桁行7間分16基の据え付け穴が検出されている。
内庭については、一面に礫が敷かれていたようだ。建物等の痕跡はない様子である。
南北溝1、2については、造営時のもの。回廊に沿って掘られているので、その施設の位置を示すために彫られたものなのだろう。
これが礎石の移動痕跡と説明されていた。基壇が削平された後、残っていた礎石を移動させた痕跡が残っているのだそうだ。素人目には、よくわからない。
最後に藤原宮に先行する道路が見つかっている。
これは、先行四条条間道の南側の側溝とみられるもの。写真にはないが北側溝も検出されている。
東面回廊に沿って多くの瓦が堆積している箇所があり、おそらく藤原宮が廃絶後に堆積したものであろう。
今回は、溝が中心の発掘調査の結果である。ただ、連続して見てみると200次調査と合わせて見てみると徐々に姿が明確になってきている気がする。
次回の調査に期待しつつ、折角なので周辺の万葉歌碑などを見て回ることしよう。
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