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アメフト観戦記や読書日記を綴っていましたが、最近は古墳(コフ)ニストとして覚醒中!横穴式石室をもつ古墳にハマっています。

小路遺跡 現地説明会

2015-11-15 16:27:16 | 現地説明会
 四条畷市にある忍岡古墳から、10分ほど北西に向かって歩くと第2京阪道路が見えてくる。寝屋川市に入った辺りが、小路遺跡がある場所で、この日昨年度末から行われている発掘調査の現地説明会が模様されていた。新聞報道のにあったが、弥生時代から古墳時代にかけて、ちょうど邪馬台国があったと言われている時代の集落が見つかったものである。この辺りは、奈良時代からの条里制遺構が残っているところでもあり、小路遺跡も、この遺構の一角に位置している。
 また、今回の発掘調査に先立ち、発掘調査された他の調査区においては、古墳時代の初め頃のと考えられる方形周溝墓が見つかっており、また、隣接する讃良郡条里遺跡でも弥生時代の終わりごろから古墳時代の初めごろの集落跡が見つかっている。(ただし、発掘調査を担当された方のお話では、この小路遺跡とは、少し時代がずれているのではないかということでした。)
 
 現地は、訪れてみると、一面の田園地帯、田んぼの畝には、ちょうど彼岸花が咲いており、のどかな風景でした。この辺りは、ずっと田園地帯だったようで、田んぼであったからこそ、これらの遺跡が残ってきたとも言えそうである。
 
 

 写真は、今回の調査区のほぼ全景。発掘調査担当の方の説明の跡、実際に調査現場に足を踏み入れることができた。

 今回の発掘調査では、住居跡と見られる柱穴、溝、井戸あるいはゴミ捨て場と考えられる大穴、河川跡などが見つかっている。

 

 井戸、もしくはゴミ捨て場を考えられる大穴。まだ、調査の途中であるため掘り返していないとのこと。表面に土器らしきものが見える。この後、穴を掘り返して遺物を取り上げるのだとのことであった。しかし、こうして古代の人たちが生活していた跡に立ってみると少なからず遠い過去を思い起こし感動しちゃいますね。こういうちょっとした感動が、こういったものの興味に繋がっていくということはあると思う。かくいう私も、小学校の時、小学校で遺跡が出てきて、その説明会での感動が今に続いているところがある。

 

 遺跡の中を歩いてみると、足元に、まだ掘り出されていない土器があちこちにある。これを一つ一つ掘り出して整理していく作業というのは、大変な作業だと思う。気の遠くなるような気がする。こういった地道な作業の積み重ねの上に考古学という学問が成り立っているのだと思う。

 また、遺跡の西から南にかけて河川跡がある。そこには、捨てられて川岸に流れ着いた土器が多数埋まっていた。

 

 ちょっと見ると、黒っぽいのやら赤いのやらいろいろな形のものがあり、いろんな時代のものがまざっているみたい。

 

 でもこれだけの土器が集まっているのは、圧巻ではある。

 この小路遺跡と称される集落跡は、古墳時代の初期の段階のものであったとされる。その根拠となったのが、今回の発掘調査でみつかった庄内式土器である。庄内式土器については、豊中市の庄内地方で見つかった土器であり、弥生時代の土器から古墳時代の土器(土師器)に移り変わる中間期にあたる土器であり、双方の特徴を兼ね備えたものであると言われており、この土器が纏向遺跡でも大量に見つかっていることから邪馬台国の時代を表す土器であると考えられている。

 

 写真は、この遺跡で見つかった庄内式土器である。おそらく煮炊き用に使われたのだろう。また、この遺跡では、庄内式土器のすぐ後に出現する布留式土器も出土している。こうした遺跡から、邪馬台国があった時代に、この地方にも集落があったと考えられるようになった。一見考えると、山際の不便な土地のように思えるのだが、忍岡古墳の所でも述べたように、河内湖があった時代であり、当時はかなり近くまで海が迫ってきていたのではないだろうか。もっと便のいい土地であったのであろう。

 この土地から、南には、古墳時代の前半に造られたと言われる忍岡古墳を望むことができる。両者の関係も気になるところである。

 

 この小路遺跡の発掘調査は、今年度内で終了するとのこと。この地域の区画整理事業に伴う発掘調査であり、今後は、雨水調整池や道路が建設される予定だとのこと。考えれば田んぼを破壊するから雨水調整池がいるわけで、なんか変な感じではある。

 この遺跡を、見れるのもこれが最後かもしれない。

 


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