JRまほろば線の巻向駅を下車する。この巻向駅は、上下それぞれに1時間に2本ほどしか電車が来ない無人駅である。PiTaPaを使って駅舎から出ると、いっきに十年か二十年か、いやもっとかの昔にタイムスリップをしたような気持ちになった。
駅の近くには、纏向遺跡の施設があるのだが、今回は、そこを無視して、駅の西側に点在する箸墓古墳に先行するかもしれない古墳のいくつかを訪ねることにした。
まずは、駅舎の南側を東西に走る道を西に向いて歩いて、集落を抜けると一面の田園地帯になる。そして田んぼの中にポツンと古墳らしい高まりを発見。それが東田大塚古墳である。
ちなみに東田大塚古墳は、「ひがしだおおつかこふん」と読むのではなく、「ひがいだおおつかこふん」と読むのが良いようである。
古墳へは、田んぼの畦道を舗装したような小道を使って墳丘までは接近することができる。
そして、墳丘の上に登れそうな階段があるのだが、残念なことに私有地のため立入禁止となっていた。その横には桜井市の教育委員会による解説板があった。
東田大塚古墳は、現在、円墳のように見えるが、発掘調査の結果、前方後円形であることがわかっている。前方部については、後世に削平されたとのこと。全長は、およそ120m(後円部が70m、前方部が50m)となっている。この古墳を前方後円墳と呼ぶかどうかは、諸説あるようで、例えば石野博信氏は「長突円墳」と言う名称を用いている。
また、墳丘には、埴輪や葺石は認められていない。ただ、墳丘から安山岩で作られた板石が見つかっていることから、竪穴石室の存在が想定されている。
東田大塚古墳が築造されたのは、周濠部などから出土した土器などから、3世紀の後半から末にかけての時期に築造されたと考えられている。
そうすると、箸墓古墳との関係が非常に興味深いものとなりそうである。
次は、一旦道を引き返して、纒向矢塚古墳に向かうことにしよう。
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