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3日3晩降り続いた雪は初積雪としては記録的な大雪となった。
まだスキー場から声の掛からない奥方にも手伝ってもらって、隣の家も含めて4つの屋根を2日がかりで何とか掘り終えた。
雪下ろしにも手順があって、まず雪庇の部分を落として足元の安全ラインを確かめる。
2番目に上層の軟らかい部分80センチほどを落とし、最後に下層の硬いところを落とす。
一度に落とそうとしても崩れて散らかってしまうのだ。
最初の雪庇を落とすときには大きな塊となって堕ちる。
そのときにスノーダンプごと引っ張られることがある。
落とすまいとして踏ん張って人間ごと一緒に落ちる事故が毎年ある。
すでに今年は2人の方が亡くなっている。
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落下事故が起きるのは雪国の大問題ではあるが、今年亡くなられた方は80歳と79歳の老人だ。
この歳の人が屋根に上がらなくてはならないことは、社会の問題だ。
隣の家は老夫婦だけの家だ。
畑を借りている恩も有って、最初はボランティアで掘っていたのだが、そのうちに独居老人世帯除雪援助事業と言う制度が始まって、社会福祉協議会から賃金をいただけることになった。
もう十数年も前のことである。
当時の賃金設定はボランティアに毛の生えたようなもので、役場の外注作業(公園の草取りなど)の賃金と同じだった。
つまり雪掘りは危険な高所作業と言う位置づけではなかった。
貧乏な町が県にお願いして無理やり予算付けしてもらった制度と言うことで、もともとボランティアだったものだからもらえるだけうれしかったのだが、それにしても雪下ろしの危険を理解していないとみんなが怒ったものだった。
徐々に賃金は上がったがここ数年は暖冬小雪だった。
去年は1回しか掘っていなし、たいした量ではなかったが、しっかりと源泉で税金を引いてあるのだ。
お役所の仕事ってのは相変わらず、硬い。
今は要介護世帯除雪援助事業と名を変えているが、市内に子供が住んでいると適応にならない。
娘が隣の市に嫁いでいるが、この制度の適応を受けてからは、冬にはほとんど来なくなった。
制度があればあったでまた、新たな社会問題もおきるような気もする。
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初掘りにしてはきつい量だったが、実はこの仕事、けして嫌いではない。
誰しもそうだと思うが、高いところから見下ろすのは気分がいい。
広い雪原を見渡す。時々青空が顔を出すと雪原も木々もいっせいに輝きだす。
雪原から湧き上がる大量のオゾン。
風に乗ってくるマイナスイオンがどろどろの腹の中を浄化するのである。
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何よりも汗をかいた後の晩酌のビールがうまいのだ。
雪堀の達成感がなによりのつまみになる。
この達成感とビールのうまさが冬を乗り切るモチベーションになるんすよねぇ~。
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