●今日の一枚 152●
Wes Montgomery
A Day In The Life
ジャズ・ギターの革新者、ウェス・モンゴメリーーの1967年録音作品『ア・ディ・イン・ザ・ライフ』。私にとっては、聴きこめば聴きこむほど、新しい発見や驚きがあるスルメイカのような作品である。
イージー・リスニングの傑作といわれるが、そういういいかたにはやはり抵抗がある。一段低い見られ方のような気がするからである。ジャンルなど関係ない、いいものはいいのだ、という言い方もあるのだろうが、わたしは基本的にそういう相対主義的な見方に与しないことにしている。ある種のジャンルとは、「分野」でなく、レベルであると考えているからだ。もちろん、趣味の音楽鑑賞ともなれば、自分が気持ちよければいいのだ、という考え方も成立するわけだが、一方でやはり音楽のレベルというものは厳然として存在しているのだと思う。そういう意味ではやはり、この作品をイージー・リスニングというレベルに押し込めることには抵抗があるのだ。ポップなナンバーを中心とした選曲とバックのオーケストラの型にはまった演奏がなければ、もっと違う評価があったかもしれない。演奏自体はレベルとしても分野としてもJazzそのものだと思う。
タイトル曲「ア・ディ・イン・ザ・ライフ」の解釈に脱帽だ。