女優のアンジェリーナ・ジョリーさんが姿を現したのはホワイトハウスの夕食会です。実はこの会、アメリカを訪れている韓国の尹錫悦(ユン・ソンニョル)大統領を歓迎するもので、この歓迎のされ方、実は日本が深く関わっているといいます。
■韓国の尹大統領 米で“超好待遇”
韓国の尹大統領と金建希(キム・ゴンヒ)夫人。韓国の首脳として12年ぶりの国賓としての訪米です。そして、今回の訪米は韓国メディアいわく、「ハイライトは断然、国賓晩餐(ばんさん)会だ」そうです。
アメリカ、バイデン大統領:「これからの170年も協力していきましょう」
26日、ホワイトハウスで行われた晩餐会は女優のアンジェリーナ・ジョリーさんが招かれるなど、豪華なものに。隣にいるのは息子のマドックスさん。韓国の大学に留学中です。
韓国メディア:「バイデン大統領夫人は17日、(日本の)岸田夫人とともに木を植えたという文を載せたが『友人』という表現は使わなかった」
■“異例の好待遇”ウラに日本の存在?
専門家は今回のアメリカ側の対応について、こう話します。
早稲田大学・中林美恵子教授:「日本との関係を修復してほしいと思っていたのはアメリカ。そのアメリカが喜ぶ修復もしてワシントンを訪れている。明確にアメリカと歩調を合わせることを唱えてくれる大統領が出てきたことは、それだけでかなりアメリカにとって歓迎すべきこと」
いわば、日韓関係の改善が良い“お土産”になったというのです。尹大統領は国内の世論を押し切る形で元徴用工問題の解決に取り組み、岸田総理との首脳会談で日韓のシャトル外交を復活させました。
そういえば尹大統領は今回、こんなことを言っていました。
韓国・尹錫悦大統領:「(日韓関係)正常化のための我が政府の措置を強力に支持し、両首脳は韓米日、三国協力強化のための努力を持続することにした」
一方、こうした韓国の動きについて中国メディアは元徴用工問題などを持ち出し、「韓国が日本に頭を下げた」と批判しました。
中国メディア:「アメリカを喜ばせるため尹大統領は歴史を無視し、日本にひざまずいた」
早稲田大学・中林美恵子教授:「韓国がやっぱりグラついてしまうとアジア太平洋、インド太平洋の地域にとって民主主義陣営がガクッと弱くなるということも考えられる」
■北朝鮮の核開発「拡大抑止」で一致
米韓は核やミサイル開発を進める北朝鮮に対する「拡大抑止」の強化を目的としたワシントン宣言を採択しました。宣言では、核兵器が搭載できるアメリカ軍の潜水艦を韓国に派遣し、北朝鮮にあえて「見せる」ことで抑止力を高めていくことなどを盛り込んでいます。