菅首相の支持率と横浜市長選候補の小此木八郎氏の関係は先月29日に「地元のミニコミ紙-タウンニュース」の意見広告に菅首相がIR招致反対派の小此木八郎氏を「全力で応援する」としたことに端を発し物議を醸しています。
小此木八郎氏(ネットより)
そもそも菅首相は「選挙区の横浜でIR誘致をする事に力をいれています」し,ここをクリック⇒「小此木氏も同じ地元で菅氏の盟友/同志であったがIR誘致反対で国家公安委員長を辞任し市長選に立候補した」のですからある種の裏切りですよね! 地元では自民党IR誘致派が前市長林芙美子氏を推していますから保守分裂の上に、立民からのIR反対の山中氏が出て保守対野党の戦いでもあります。
報道によれば盟友が敗れれば、更に支持率低下に拍車が掛かる? ので小此木氏を応援するのだとか? 横浜のIR誘致が落ちても東京で誘致できれば国策としては進むのでそれで良しと考えたのかも知れません。
新型コロナウイルス対策と同様で、鋭い切れ味と思えない判断ですが、横浜市民は同考えるのでしょう? 市民である浜爺も考え中です。
写真:菅首相
読売新聞オンライン:
候補者8人が乱立する横浜市長選(22日投開票)は、地元選出の菅首相が全面介入に踏み切ったことで、政権の命運を左右する大一番の様相を呈している。内閣支持率が低迷する中、反転攻勢を図りたい首相にとっては、負ければ致命傷になりかねない「もろ刃の剣」でもある。(政治部 佐藤竜一、北村友啓、横浜支局 田ノ上達也)
「横浜のカジノを含む統合型リゾート(IR)は、完全に取りやめます」
13日午後、小雨が降る横浜市緑区のJR鴨居駅前。連日の街頭演説で真っ黒に日焼けした小此木八郎氏が力を込めたのは、IRの横浜への誘致取りやめだ。演説もそこそこに通行人に声をかけ、グータッチを交わす。自民党衆院議員として8回の当選を重ねてきたベテランが、1票の積み上げに懸命になっている。
自民党はこれまでIR誘致を推進してきたが、小此木氏は「市民の理解が十分得られていない」として反対にかじを切った。自民横浜市連は誘致の賛否を巡って分裂し、自主投票になった。8日の告示日を除き、党幹部の来援はほとんどない。自民市連の対応を踏まえ、公明党も自主投票を決め、県議や市議は小此木氏を「自主的支援」する。
そんな陣営を全面的に支えるのは、皮肉にも、IRの旗振り役だった党総裁の菅首相だ。首相は、小此木氏の父で衆院議員だった彦三郎氏の秘書として政界入りした。盟友の小此木氏がお膝元で苦杯をなめれば、支持率低迷にあえぐ首相の求心力がさらに低下するのは容易に想像できた。
地元で「チーム菅」と呼ばれる秘書出身の市議や県議がフル稼働し、陣営を切り盛りする。11日の街頭演説会には、新田章文・首相秘書官(政務担当)まで姿を見せた。新田氏は、陣営スタッフと同じ水色のポロシャツを着て、ビラ配りにも加わった。
首相自身も連日、新型コロナウイルス対応の合間を縫って電話をかける。
「市長選を頼みます。小此木をお願いします」
約10年ぶりに首相から電話を受けた後援会員は、一地方選への首相の力の入れ方に驚き、「分かりました」と即答した。「全力で戦闘モードでやる」と宣言し、なりふり構わず支持を呼びかける首相の姿に、周辺は「当選回数が少なかった頃の自分の選挙並みの入れ込みようだ」と目を丸くする。
だが、陣営幹部の一人は「IRでの食い違いも攻撃されるし、支持率の低い首相を前面に出しても勝てない。マイナス効果だ」と戸惑いを隠さない。小此木氏のチラシは「無所属」の文字を目立たせている。
一方、これまで首相と二人三脚でIRを推進してきた現職の林文子氏は今回、「はしごを外された」(陣営幹部)形となった。
林氏は7月15日の出馬表明前、首相に電話を入れ、「IRは横浜の将来に必要です。実現させるためにも立候補します」と伝えた。多選や健康不安などを理由に、自民からは引退を促されていたが、林氏は首相の支援に期待していた。
ところが、首相は「そんなことは関係ない」と林氏を突き放した。首相に近い自民市議が、IR推進の立場から林氏支援に回ると伝えた時も、首相は「俺は八郎だから。徹底的にやる」とすごんでみせた。
こうした経緯に、林氏は告示日の第一声で「観光振興のためにIRに手を挙げ、自民も公明も一緒にやろうと言ってくれたのに、突然やらないということになった。どう理解していいか分からない」と恨み節をにじませた。13日には、港北区の東急東横線綱島駅前商店街で「公営ギャンブルがあることで、医療や子育てにお金が回る」とIR誘致に理解を求めた。
現職としてコロナ対応を優先せざるを得ず、街頭に立つ時間が限られる中、頼みの綱は3期12年の知名度と経済界のIR推進派、一部自民市議の支援だ。
立憲民主党が推薦する山中竹春氏の陣営は、首相への攻撃に力を注ぐ。
「音頭を取って進めてきた首相が、カジノを取りやめるという小此木氏を全面的に支援し、訳がわからない。恥を知らない」
立民の江田憲司代表代行は13日、港北区の東急東横線日吉駅前で首相をこき下ろした。「首相はコロナの素人なのに、専門家の意見を無視する」とコロナ対応にも矛先を向けた。
コロナ対策は陣営の大きな武器でもある。山中氏は横浜市大教授時代にコロナ関連の研究で注目された。山中氏を含め、候補者8人のうち6人がIR反対を唱える中で、「唯一のコロナ専門家」として差別化を図る戦略だ。
江田氏に先立ち、マイクを握った山中氏は「専門性がある人間にコロナ対策を任せてください。そうしないと感染爆発が進み、医療崩壊が進む」と訴えた。
次期衆院選での立民との共闘を見据え、共産党も山中氏を自主的に支援する。12日には神奈川を地盤とする立民の山崎誠、共産の畑野君枝両衆院議員が戸塚区のJR戸塚駅前で並び立ち、共闘をアピールした。
(以下省略)