HIROZOU

おっさんの夜明け

大阪物語、完

2021-12-11 08:16:07 | メモリー

アパートは第〇〇三和荘と言って同じ名前で数字が違うアパートが

その地区に数件建っていてたぶん同じ不動産屋の持ち物だったんだろう

アパートに入るすぐに管理人室があって下駄箱に土足を入れスリッパを履いて入った

アパートは2階建てで真ん中に廊下を挟んで左右に部屋がそれぞれ5部屋程あったが

だから一つのアパートに20所帯ほど住んでいたことになる

トイレは共同の男女兼用、洗濯場もあって洗濯機も自由に使えた

住人のほとんど単身者で学生が主だった

管理人も常駐していたんで廊下も磨かれていてトイレも綺麗だった

部屋はほとんど四畳半で僕の部屋は2階の左の角部屋でこの部屋だけが三畳だった

たぶん建築上四畳半で区切っていくと僕のいた三畳間だけ四畳半がとれなかったんだろう

だから部屋は畳三畳は敷けても台形をしていた

その分家賃は一番安くて月に8000円だった

その他の部屋は12000円くらいで後年知り合った隣のアパートの6畳間の住人の

家賃は16000円だと言っていた

部屋はどっち向きだったんだろう夏はむちゃくちゃ暑くて

角部屋を良い事にいつもドアを開けっぱなしでパンツ1枚でいた

反対に冬は隙間風が吹き込んで寒くていられない

隙間に目張りをしたらどうにか冬をやり過ごせた

窓は鉄枠の網入りガラスで風が吹くとカタカタと音がした

窓の外はトタンの風よけがあって脇から覗くと

鉄橋を渡る茶色の阪急電車が見えた

終わり

 

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