HIROZOU

おっさんの夜明け

うわさ

2020-05-28 17:11:05 | メモリー

さっき知らないうちに急ににわか雨が降って来て

パラパラと職場の窓に雨粒が打ちつけた

(あかん!洗濯物を干したままや)

初老のおやじが脱兎のごとく裏に走る

洗濯物を取り込んでいるとゴロゴロと遠雷が聞こえ

ゴロゴロ、ピッシャー

稲光までする

(もう初夏やな)

小さい頃

夏になって日照りが続くと奥まった川の淵に鮎を突きに行った

普段は深い淵も水かさが浅くなり淵が池のようになると魚影が濃くなり

それに大物の鮎が群れていた

時間を忘れて夢中になって鮎を突いていると俄かに暗闇が迫って

遠くから遠雷が聞こえ

しだいに強い雨も降り出し

渇水で干上がった浅瀬には恵みの雨だ

萱の葉をえらからくちに通した何匹かの鮎をぶら下げて

僕は笹の木の下でひたすら雨に打たれた

いつも一人ぼっちだった

いつの頃からかその淵には河童が出るとうわさされた

わし・・・

だったりして

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