安全問題研究会(旧・人生チャレンジ20000km)~鉄道を中心とした公共交通を通じて社会を考える~

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当会は今、改めて主張する 労働者は「悪玉」ではない/安全問題研究会

2013-12-30 15:19:47 | 鉄道・公共交通/安全問題
国労、22年前に改ざんを指摘 JR北海道側「検査信じる」(北海道新聞)

JR北海道に4つある労働組合のうち、国労北海道地方本部が、22年前の会社側との団体交渉の席上で、レール点検の結果に関して何らかの改ざんが行われている可能性を指摘していたと、北海道新聞が報じている(リンク先およびサムネイル写真の同紙記事(2013年12月21日付け)参照。新聞記事は、サムネイル写真をクリックで拡大)。以下、特に断りがない限り、本記事で「国労」とあるのは国労北海道本部を指す。

1991年、JRが業務の効率化を目的に線路巡回の回数を減らす方針を各労組に提案した。この際の労使交渉で、国労は「合理化で業務が回らなくなり、巡回点検が規定通り行われていない箇所がある。現場が報告書を改ざんしている」と指摘。「改ざん」に関する具体的な内容は指摘しなかったものの、会社側に「徹底した調査」を求めた。

その後、1998年、保線作業の外注化を進める提案に関する労使交渉の際も、国労が「巡回点検の実績において偽って入力されている箇所がある」と申し入れ、調査と保線部署を指導するよう求めたが、会社側は「調査する」としながらも「法令に基づき検査が行われていると信じている」と答え、手を打たなかったという。

これらは、国労側の労使交渉の記録から判明したもの。一方、会社側はすでに交渉記録の文書を廃棄したものと思われ「事実確認ができない。このため調査もできない」と回答している。

当研究会は、これまで、JR不採用問題との関わりの中で、終始一貫して現場労働者を信じ、彼らとの連帯を模索してきた。運動現場に対する理解を欠いた国労本部の官僚的姿勢に展望を失いかけた時期にも、各闘争団員・現場労働者への信頼は揺らぐことはなかった(どんな些細なことも交渉記録として文書に残しておく国労の官僚主義体質も今回、少しは役に立つものだと見直したが)。その国労が、少数派に転落させられながら、22年も前に現場から改ざんを指摘してせいいっぱい闘ってきた。崖っぷちに追い詰められたJR北海道に差した一筋の光明だ。

JR北海道で安全問題が焦点化して以降、最大労組(JR北海道労組)に革マル派が浸透している事実を奇貨として、「あのとき」と同じようにメディアを総動員したJR労働者悪玉論が始まる気配も見えた。だが、道民の間で圧倒的なシェアを持つ「北海道新聞」が社会面トップを割いてこの事実を報じて以降、「悪玉論」はなりを潜めた。公共交通で安全軽視の合理化が推進されようとするとき、現場から安全確保の闘いが提起され、メディアを動かすことができれば、資本の支配を突破することができることをこの事例は教えている。現場労働者と連帯し、2014年を反転攻勢の年にしなければならない。




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